表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
War King(戦王)  作者: チャラン
第十三章 リゾレッタ防衛戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
57/71

第五十七話 第一王子の意地

 一日目の戦闘後のオストガルド陣営では、軍議が開かれている。


「強いなクーガーは」


 率直な感想をラークが言った。


「あちらの被害の方が今日は多かったはずだけど、まだ兵数ではあちらが有利だよ」

「だが、士気はこちらの方が今は高いだろう」

「今日はこちらの方が優勢なまま引き分けたからね。でも、クーガーの統制ならすぐ士気を回復できるはずだよ」


 ホークはそこで、戦場の図面を広げた。


「敵は明日も攻めてくるだろう。こちらは兵数は少ないが、指揮官が多い。敵より、細かい所まで統制が行き届くはずだ」

「それに、そろそろトリネアスからの援軍が到着するだろうからな」


 カイトが図面を見ながらそう言った。


「ああ。そろそろ来てもらわないと厳しいな。それまで粘ろう」


 そう言った後、ホークは図面を指差した。平野の部分を指している。


「今回は夜襲などを計画する余裕がない。そこは敵も同じだろう。それに伏兵も使えないから、最初から総力戦になる。平野で切った張ったの戦いになるだろう」


 一応、そこまで黙ってホークの作戦を聞いていたウオルフが口を挟んだ。


「総力戦になったら、分が悪いんじゃねえか? 何とかなるのかい? 軍師さん?」

「それはウオルフ王子、あなた次第です」

「ほう。どういうことだ?」

「あなたの部隊の兵数はどの位ですか?」

「八千だ」

「八千の兵を遊ばせていたら勝てないということです」

「何だと! この野郎!」


 ウオルフは声を荒げて、ホークに近寄って来た、カイトやキルスが割って取り成そうとしたが、ホークは冷静だった。


「ここで負けたら国の一大事です。王子も遊びに来たわけではないんでしょう?」

「当たり前だ! 侮辱する気か!」

「そうではありません。作戦に参加する意志があるかどうかを伺っているのです。王子の八千の手勢が鍵になりますから」


 ホークにそう言われて、ウオルフはやや冷静になった。


「気に入らんが、勝てるのならお前の指示に従おう……」

「有難う御座います。王子には今回は先陣になって頂きます。白兵戦に強い兵で、こちらに温存されているのは王子の部隊しかありません」


 キルス、ラーク、カイトの部隊はやや疲弊している。


「分かったが……。俺の部隊だけではどうにもならんだろう?」

「はい。なので、こちらもまた温存しておいたアベルの部隊をつけます。第二軍には残りの全軍に入ってもらいます」

「お前も部隊を温存してなかったか?」


 ウオルフがそう訊くのに、ホークはうなずいて答えた。


「僕は、こいつと一緒にやることがあります。あまり気が進みませんが……」


 そう言って、ホークはククの方を指差した。


「キュルルッ?」


 ククは怪訝な表情をしていた。


「どうする気だ?」

「説明します」


 ホークは詳しい説明を始めた。




 翌朝、双方とも進軍を開始した。オストガルド軍は打ち合わせ通り、ウオルフとアベルが先陣である。


「きちっと戦ってやるが、なんとかなるのか本当に?」


 ウオルフはまだそんなことを言っていた。


「あなた次第だとホークも言っていたでしょう? そんなことを言っていたら、兵の士気に影響しますよ?」

「うるさい! ちょっと言ってみただけだ!」


 アベルにたしなめられて、ウオルフは煙たがる。


 グランドパレス軍はクーガーが先陣だった。兵数は勝っているが、指揮官の疲労が濃かった。特にフェジーナは昨日の戦闘で魔法を使いすぎていた。


「大丈夫かフェジーナ……」

「大丈夫ですが、昨日のようには魔法を使えないと思います……。思ったより魔力が回復していません」

「フェジーナ様の魔法があまりあてにできないとなると厳しくなりますなあ」

「ウィンダム。その分お前の統率力に頼ることになる。頼むぞ」

「はっ! お任せを!」


 そうして両軍とも進軍をつづけ、対峙する距離になった。


「敵兵は多いですね。しかし、昨日の疲れが残っているはずです。特に指揮官には」

「軍師さんの言う通り粘ってやろうじゃねえか。こうなったら」


 アベルとウオルフは腹をくくったようだった。


「敵の先陣は案外少ないな」

「温存していた兵でしょう。二軍に昨日の兵を控えさせてあるはずです」

「総力で押して行きましょう」


 クーガー達も臨戦態勢だ。


「突撃!」

「突撃せよ!」


 ウオルフとクーガーの部隊が双方ともに突撃を開始し、戦闘は火蓋を切った。


「パワー・レベル4!」


 クーガーの手から発した赤色の光が突撃中の部隊を覆い、士気と戦闘力が増した。


「ディフレクション・レベル3!」

「ディフレクション・レベル1!」


 アベルと魔兵の手から青色の光が発し、突撃中のウオルフの部隊を覆った。それにより、防御能力が向上

した。


「ほう。フェジーナと同じ補助魔法を使えるか。それなら大体五分五分だな。だが、兵数では勝っている、皆! どんどん押せ!」

「おう!」


 士気がさらに上がったクーガーの兵はウオルフの部隊に攻撃を加えた。ウオルフもよく防戦していたが、流石に押されてきた。


「強い! おいアベルと言ったな! このままじゃ粘れねえぞ! 何とかしろ!」

「やってみます!」


 アベルは集中を始めた。


「ライトニング・レベル4!」

「ライトニング・レベル1!」


 強烈な電撃がクーガーの部隊に広がり、被害が出た。それと共に、敵はひるんだようだった。


「中々やるな! 前線の兵を入れ替えろ! ウィンダム頼む!」

「はっ!」


 ウィンダムは自分の手勢を連れて、被害が出た前線へ向かう。そして素早く兵を入れ替え、自身も戦闘に加わり奮戦した。


「一時ひるんだのはひるんだが、また盛り返して来たぞ!」

「ええ! そろそろ頃合です! 退きながら戦いましょう!」


 ウオルフとアベルは乱戦の中、後退を始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ