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無計画なオレ達は!! ~碌な眼に会わないじゃんかよ異世界ィ~  作者: ノーサリゲ
第四章-どうしてこうなるんだ異世界-
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47.サプライズ作戦

 カフェまでの道中、ソーエンとラリルレの二人から、話の内容がどんなのかを聞かれたから適当にはぐらかしながら歩いて、ようやく目的地に到着した。


「なんだこの寂れたカフェは」


 到着と同時にカフェを見るなり、ソーエンが正しい批評をした。

 やっぱそう思うよなぁ。


「おもむき?が溢れてるね!!」


 ラリルレはポジティブに言い換える天才か?

 やっぱソーエンの評価は間違いだ。このカフェは赴きが溢れている佇まいと表現した方が正しい。


「なるほど、趣か。ならばマスターは熟達した腕を持った初老の男もしくは女だな」


 ソーエンもどうやら自分の間違いに気付いたらしく、ラリルレの言葉に納得して訂正をした。そして、今度はカフェの主がどんな人物なのかを考え始める。

 やっぱそう思うよなぁ。


「キョーちゃん、クローズって書いてあるよ? 入っていいの?」


 扉へと眼を向けたラリルレが、ドアノブに掛かっている木札を見てそんな事を言った。その言葉にオレは愕然としそうになる。


 ヤイナ……オレ達が来る頃には空けとけってお願いしておいたじゃん……。あのクソズボラ女め、休むの癖になってんじゃないだろうな。


「マスターと知り合いになったから顔パスなの。大丈夫大丈夫」


 オレは二人に対して、強引に適当な理由を作って言い聞かせ、扉を開けた。


「いらっしゃい……ませ。お好きな席へ……どうぞ」


 店内にはカウンターでコーヒーを挽いているセイメアしか居ない。

 ヤイナとナトリは店の奥で待機をしている手はずになっているからな。この状況は打ち合わせ通りだ。


「きれーな人……」

「店主ではないな。バイトか」


 後ろの二人はセイメアを見るなり、それぞれ個性的な反応をした。

 入店と同時にセイメアからお好きな席っては言われたけど、座るのは窓際のソファ席。ちょうどオレがナトリと遭遇した席だ。

 そこを選んで座る。


 まずは手はず通り、普通に注文をして――。


「店員さん、コーヒー二つと……ラリルレはどうする?」

「キョーちゃん、私もコーヒー飲んでみたい」

「大丈夫?苦いよ? ミルク貰う?」

「オトナだからブラックだよ!!」

「どうしてラリルレはここまで愛おしい言葉を言えるのだろうな」

「分かりみが凄い。店員さんコーヒー三つお願いします」


 もし飲めなくても、そのときはソーエンが代わりに飲んでくれるだろう。オレは席から離れるから、残念ながらラリルレの力にはなれないからな。


「かしこまりました」

「ブラックだよ、黒いんだよ、オトナだよー」


 ラリルレがニマーって笑う。

 その姿を見たソーエンは――。


「ラリルレ、黒は好きか」


 とか急に質問しやがった。


「オトナって感じがしてカッコイイよ」

「フッ」


 しかも挙句の果てにほくそ笑みながらオレを見てきやがる。

 は? 何コイツ勝ち誇った目で見て来てんの? 確かにお前は黒に包まれてるけど、別にラリルレはお前がかっこいいっては言ってないからな?


 聞くならこうだろ。


「オレは?」

「キョーちゃんもカッコイイよ」

「うけ……フッ」


 ウケケ笑いが出そうになるけど、あれは好青年がして良い顔じゃないらしいから、ここはかっこつけて含み笑いでソーエンを煽るか。


 そしてオレを見たソーエンは明らかにイラッとした目をした。


「バカより俺のほうがイケメンだ。そのふざけた顔に負ける訳が無いだろ」

「ソーちゃんの顔は芸術だもんね」

「お前ふッざけんなよ、それはジョーカーだろうが!! 誰がお前の顔に勝てるって言うんだよ!!」

「この顔は死ぬほど嫌いだが、ラリルレに褒められるのならば迷わず利用する。そして勝敗は決した。イキョウ、お前の負けだ」

「は? まだ負けてな……」

「なんだ、強がりを辞めて負けを認めたか」


 クソガよ、数日振りに会ったかっらってウキウキで絡んできやがってよ。

 目の前のクソバカなイケメンは腹立つ口調で煽ってくる、けど……。

 負けを認めた訳じゃない。やるべき事を思い出しただけだ。こんな言い争いをしてるなんて時間が勿体無い。オレは早くラリルレにヤイナとナトリを会わせたいんだ。

 ちょっと、多少?ほんの少し? ちょっぴりとだけソーエンにも早く会わせたいしな。ここは一旦引き下がろう。


「悪い、ちょっとトイレ」

「そうか。ならさっさと言って来い」

「キョーちゃんが話したい事ってなんだろなー楽しみだなー」

「飛びっきりのを用意してるから、楽しみにまっててね」


 オレが今からする事は、絶対ラリルレがよろこぶ。

 だからその為にオレは店の奥に向かって歩き出す。

 店奥の通路まで進み、その奥にある階段。そこを上がって、予定通りにナトリとヤイナと合流する。


「っくっくっくっくっく」


 階段を上がると、なんでかナトリが丸まりながら腹を押さえて小さく笑っていた。


「何してんのさコイツ」

「さっきのパイセン達のやり取り聞いててナトナトツボッちゃったっス。ばれないように声を押し殺してんスよ」

「アレの何処で笑うんだよ……ナトリ、いけそうか?」

「くっくっくっく……誰に物を言っている。我輩がやると言ったのだぞ?」


 オレの言葉を受けると、ナトリは笑いを殺し、そして尊大に立ち上がる。

 オレ達が企てたこと。ナトリがやると言った事。コイツが今からしようとしていること。それは。


「阿呆の姿、借りるぞ」

「あーい」

「<シャドウミミック>」


 そう唱えると、ナトリの体が陽炎のように揺らぎ、そして黒く染まり始める。


 もやのようなその黒い人型の霧は、歪むように形を変化させていくと、段々と色づいていき……そして――。


「どうだ阿呆」


 カッコイイ姿に変貌を遂げた。


「なんか偉そうな顔のオレだなぁ」


 目の前には最高にクールな姿をした男が現れた。これがシャドーマンの種族特性、許可を貰った相手の姿をコピーする能力。

 見た目そっくり声もそっくり。でも、雰囲気全然違うわ。


「いつものパイセンはゆるヌルっとしてるっスけど、こっちのパイセンは生意気そうっスねー。もっと力抜くっスよ」

「こうか?」


 オレの姿をしたナトリがだらっとするけど……まだ偉そう。


「もっともっとっス」

「これでどうだ?」

「ああー良い感じっスよ」

「おおーそっくり、鏡見てるみたい。やっぱカッコイイなぁ」


 オレは腕を組みながらしみじみ思う。顔、体系、服装。全てが噛み合っている……奇跡の黄金比だ。


「この姿を見てそう思うのはパイセンくらいっス」

「阿呆は口数が多い分、馬鹿よりも模倣するのが困難である。だから、後は――」


 何時も通りの風体になったってのに、目の前のオレが『である』口調使ってやがる……。

 これじゃ違和感バリバリだから、一工夫加える必要がある。ってなわけで。


「分かってる。オレが<隠密>使ってチャット飛ばしながら指示すっから」

「あたしはパイセンと一緒に隠れて見てるっスよー」

「ってな訳で作戦開始ィ!!」


 * * *


 オレ、ヤイナ、カッコイイ姿をしたナトリの三人は、下って所定の位置に付く。


 オレの姿をしたナトリは、そのままソーエンとラリルレが座っている席に座った。二人はオレが摩り替わっていることに気付いてないようだ。

 オレとヤイナは<隠密>を使い、カウンターの影に隠れ、頭だけをひょっこり出しながらその様子を見守っている。


「お帰りキョーちゃん」

「長かったな。腹でも壊したのか」

「ごにょごにょごにょ」


 オレは早速ナトリにチャットで指示を出す。


「いやー悪い悪い、トイレ込んでて時間掛かったわ」

「こういう感じで進んでくんスね。あとその言い訳はおかしくないっスか? お客さん他に誰も居ないっスよ?」


 <隠密>使って存在を希釈してるから、ヤイナの声は二人には届かない。


「……なるほどな」


 ソーエンは訝しげな目をしている。……ヤバイ、早速ばれそうだ。そりゃそうだよな、オレがソーエンの変装にすぐ気付いたように、その逆もありえる話なんだ。


 だから、そのための秘策を用意している。今はオレというオブザーバーが居るんだぞ、ソーエンにブラフを張るくらいは出来る。


「ごにょごにょごにょ」

「んだよその目は。何? オレを疑ってんの?」

「……」


 ソーエンは訝しげな目をしながらも混乱している。

 そう、ソーエンの目はオレにしかはっきりと判別できない。

 ってか、周りからはほとんど見えていないはずの目を指摘できるのは、このオレしか居ない。

 その事をソーエンも理解しているからこそ、今の言葉に混乱をしているはずだ。


「ねえキョーちゃん……」


 ラリルレはコーヒーを一口、ちょびっと飲んでからカップを置いてオレの姿をしているナトリを見る。

 おやぁ!? ここに来てラリルレがオレに問いかけを? まさか女神の目は騙せなかったか?


「ぶらっくこーひーにがいよー」


 ラリルレは舌を出しながら、眉間にシワを寄せてそう言った。


「かはーっ、リルリルちゃんはやっぱ可愛いっスねー」


 ヤイナは手を額に当てて、尊いものを見るような目をしている。

 分かるよ、その気持ち。


「ごにょごにょごにょ」

「やっぱりミルク貰う?」

「うん……。私にはまだ早かったのかなぁ」

「ごにょごにょ」

「大人でも苦いの嫌いな奴居るし気にしなくて良いと思うぞ? オレもあれ嫌いだもん。パクチー」

「あれは凝縮したカメムシだ」

「パクチーは美味しいよ?」

「ごにょごにょ」

「ラリルレめっちゃ大人じゃん」

「あれを美味いと言えるのは素直に尊敬する」

「そう? んふふ~、パクチーは大人なんだー」

「「かはーっ!!」」


 オレとヤイナは同じ声とリアクションをして悶絶する。


「なんだ今の言葉!」

「可愛すぎて死にそうになったっスよ!」


 ラリルレはパクチー食えんのか。凄いなぁ!!アダルティーだなぁ!!


「ラリルレ、別の物を頼むか」

「うん。ブラックコーヒーは私には会わなかったけど、でもオトナって分かったから別なの頼む」


 ソーエンがラリルレに尋ねると、ラリルレはかわわな返答をした。

 なんとも可愛らしい思考だぁ……。

 にしても、他の飲み物かぁ。


「そういやこの店って、コーヒーと紅茶以外に何あるの? 酒?」


 一旦ナトリの指示出しを止めて、横に居るヤイナに問いかける。

 一応は、オレ行き着けのカフェ的な設定にしてるから、メニューを把握してないのはおかしい。だから、ヤイナに何があるかを聞く必要があった。


「お酒はあたしのっス、客には絶対に渡さないっス。その二つ以外には牛乳しかないっスよ?」

「お前……もうここカフェって名乗るのやめろよ」

「なんだこの店は。飲み物が三種類しか置いていない。本当にカフェか」


 オレがヤイナの言葉に呆れてると、ソーエンもメニューを見て似たようなリアクションをしていた。


「ほんとだ、じゃあ紅茶がいいなー。そうだ!! キョーちゃんが注いでくれたのが飲みたいなぁ」

「なにぃ!? 任せっ――」

「なにやってんスかパイセン!!」


 ラリルレの為に飛び出そうとしたら、ヤイナがオレの頭を掴んで押さえつけ、立ち上がれないようにしてきやがった。


「だってラリルレがご所望してんだぞ!!だったらオレがやるしかねぇ!!」

「それだとドッキリ失敗になるっスから!!ここは引き下がるっス!!」

「……クッソぉ!! しゃあねぇ。しゃあねぇんだ……」

「未練たらたらっスね……」

「……? どうしたのキョーちゃん?」


 ヤバイ。オレがナトリに指示出ししなかったせいでフリーズしてやがる。


「パイセンのマネなんて到底無理なんスから、ああなるのも当然っスよ。早く次の指示飛ばすっス」

「へい……ごにょにょ」

「悪い。久々にラリルレに紅茶が注げると思うと、感動して動けなかった」

「んもー、キョーちゃんは大げさなんだからぁ」

「お前は座っていろ。ここは俺がやる」

「ごにょー」

「へー、珍しいこともあるもんだ」

「気まぐれだ」

「ソーちゃんありがと」


 ソーエンはボックスからティーセットを取り出して、ラリルレの為に紅茶を注ぐ。

 ……あ、ダメだこれ。


「悟ったような顔をしてどしたんすか? パイセン」

「ソーエン確信してるわ。多分、目の前に居るのがナトリって分かってるわ」

「えぇ……パイセン達ってお互いの事理解しすぎてないっスか……? そこそこ付き合ってきたあたしでも全然わかんないっスよ」

「ん~、おいしー」


 危機感を覚えているオレの目の前では、ラリルレは紅茶を飲みながら満面の笑みを浮かべていた。


「でもリルリルちゃんが可愛いのは分かるっス」

「それな。ここからはどうやって登場の衝撃を出すかだけを考えよう。幸いラリルレにはばれてないだろうし、派手に登場して感動の再会、ってな感じで」


 オレが思考回路をシフトして新たな計画を練ろうとしていると――。


「そういえば、キョーちゃんのお話って何?」

「それはあのバカから直接聞けば良いだろう」


 ソーエンがもう流れを断ち切ろうとしてきた。


「あ、もうダメだ。ソーエンがキメに行こうとしてる」

「パイセンと再会したときもあっさりバレたからデジャブしか無いっスよ。パイセン二人のどっちかに変装した時点で詰み見たいなもんっスよー」

「ソーちゃん? キョーちゃんならここに居るよ?」


 おやおや、この場でドッキリに気付いてないのはラリルレだけのようだ。


「あれ? 純粋なラリルレを騙しているような気がして罪悪感すら沸いてきたぞ?」

「同感っス。早くこの罪の意識から開放されたいっス」

「よし。ナトリ、もう好きにして。オレ達ギブアップ、心が痛い」


 もうオレ一抜け。ギブアップ宣言をしてあとはナトリが自由にしてくれと伝える。


「ふははははははは!! やはり馬鹿の前で阿呆を偽るのには無理があったのである!!」


 目の前では、オレの姿をしたナトリがめちゃくちゃ偉そうな口調と態度で名乗りを上げようとしていた。切り替えの早さが素晴らしい。

 サプライズ陣営の中でナトリだけだよ、全力で楽しそうな奴は。こっちはもうお通夜状態だよ。


「あー!! この笑い方!!」

「やはりな」

「そうである!!」


 ナトリだけはノリノリだ。わざわざソファにふんぞり返って偉そうに座りながら、変装を解いて正体を現す。


「我輩は――」

「ルナちゃんだ!!わーい!!」


 ナトリの口上を遮って、ラリルレはテーブルを跳び越えて、ナトリに抱きついた。


「……久しいなラリルレよ。元気であったか?」


 ナトリは口上垂れるの諦めて、ラリルレのペースに任せちゃったよ。

 やっぱラリルレだけだよ、ナトリのペースをしっかりと崩せるのは。


「んふふ~、たっくさん元気だったよ」

「そうかそうか。それは良かったのである」

「さっきまでね、キョーちゃんも居たんだよ。ねね、皆でお話しよ、ルナちゃんのお話も聞きたい!!」


 まだラリルレの中じゃオレとナトリ、ヤイナが結託してドッキリを仕掛けたとは気付いていないみたいだ。


「おいどうすんだよこれ。出て行くタイミングによっちゃオレ達ラリルレから嫌われるんじゃないか?」

「いやっス!!マジでそれだけはいやっス!! 勘弁して欲しいっスよ!!」

「一旦この店から出て、無関係を装って入店するか? ナトリが勝手にやった事にすれば、責任は全部アイツに行く」

「さっすがパイセン、マジ卑怯っスね。それでいくっス」


 よし。カウンター裏での作戦会議終わり。

 後はそーっと、店から出るだけ……。


「居るとすればここか」


 しゃがみこんでいるオレ達が、いざ立ち上がろうとしたら……ソーエンがカウンター裏にズカズカと入ってきやがった。


「「あ、ダメだこれ」」


 そしてヤイナとオレは二人して虚無の顔になる。

 ソーエンはオレの思考パターンをある程度読めるから、やる事なんて大体は分かってんだろうな。

 現に、認識できないはずのオレ達が居る場所をしっかりと見てくる。


「詰みです」

「諦めも肝心っスね」


 オレとヤイナはスっと立ち上がって、ソーエンに相対する。

 そして、<隠密>を解いて。


「悪意があってやったんじゃない。お前とラリルレにサプライズしたかったの」

「そうっスよ。折角の再会を感動的なものにしたかったんス」


 オレ達が急に現れたもんだから、セイメア少しビクっとしちゃった。ごめんね。

 一応、作戦としてオレ達がカウンター裏に姿を消して潜むことは伝えてあったけど、流石に急に現れてはびっくりしてしまうようだ。


 そして、ソーエンはというと――。


「……まさかヤイナまでいたとはな」


 ありゃ? ソーエンが少し驚いた目をしているな。


「あ!! ヤイヤイちゃん!!」


 ヤイナの姿を認識したラリルレは、ナトリの膝の上から嬉しそうな顔をこちらへ向けてヤイナを見た。


「リルリルちゃーん!!ごめんスよー!!」


 ラリルレに呼ばれたヤイナは、カウンターから飛び出して縋るようにラリルレに抱きつきに行く。

 サプライズ組で取り残されたのはオレだけだ。


「これが、お前が言っていた飛びっきりの話の正体か」

「そうそう。なんと、シャーユにて仲間二人と合流していたのでした。ちゃんちゃん」

「秘密にしていた訳は予想がつく。怒りは無いから安心しろ」

「んなこったぁ言われなくても分かってるよ。そして説明の手間が省けて助かるわ」

「ナトリは一目で分かったが、ヤイナまで居るとは思ってなかった」

「……そうじゃん。ヤイナに繋がるような情報なかったじゃん……。作戦変更しておけばよかった」


 オレだけ姿を現して、ちょっと時間を置いた後にヤイナを遅らせて登場されればまだ軌道修正できたはず。


「キョーちゃん!!ルナちゃんとヤイヤイちゃんだよ!!二人一緒に見つけちゃった!!」


 ラリルレはヤイナと抱き合いながら、満面の笑みでオレを見てくる。

 そっかぁ。ラリルレが二人を見つけてくれたのかぁ。


「作戦変更しなくて良かったわ。あの笑顔見れただけでもう作戦成功だろ」

「これに関しては良くやっとしか言い様が無いな。今回はお前の作戦勝ちだ。素直に負けを認めよう」

「作戦、大・成・功」


 作戦の結果、ラリルレの笑顔という報酬を得る事ができた。だったらこれは大成功なんだ。

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