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第2話「給料日の金曜」

登場人物

社長:黒田 翔

愛人:白川 玲奈

部長

社員A

社員B



給料日の金曜日の会社は、どこか空気が軽い。

スマートフォンの通知音が静かに鳴り、

社員たちはそれぞれの画面を一瞬だけ確認してから、

何事もなかったかのように仕事に戻る。


十七時二十五分。

社長室の照明はまだ点いたままだった。

十七時二十八分。

白川玲奈が席を立ち、

ただ鏡代わりの黒いモニターに映る自分を一瞬確認し、前髪を指先で整える。

そして―― 十七時三十分。

社長室のドアが開いた。

黒田翔はいつも通りの表情でコートを手に取り、玲奈は半歩遅れて後ろを歩く。

二人は並ばない。

だが、なぜか同じタイミングで歩き出す。


社長「それでは、戸締りお願いします」

部長「え、また、帰るの?!」


その様子を見ながら、社員Aが小声でぼそっと言った。

A「……ずっと不思議だったんですけど」

社員Bが振り向く。「何が?」

Aは少し間を置いて、続けた。

「これ、毎月の給料日と重なってません?」

その瞬間、

社員Bの脳内で、点と点がつながった。

「あ……」

Bはゆっくりうなずく。

B「そういえば、確かに。」

給料日の金曜日は必ず、十七時三十分に二人が消える。

A「給料日だし、どこかいい店に行くんじゃない」

みんなが沈黙。


エレベーターの扉が閉まる。

二人の姿は、それで消えた。

誰も何も言わない。

この会社のトップは、

会社の未来より、金曜のディナーを優先する男なのだ。

だが同時に、

この会社に夢を持つのはやめようと決めた

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