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第三十九幕

「お前…何故ここに!?」


「親子の再会を邪魔しちゃダメっしょ?」


「…まさか!」


「そのまさか。我らがキングがここに来ているよ」


氷華は霜七草を構える。


「やる気かい?」


「今度こそは貴様を倒す」


「まぁ相手をしてあげるけどその前に奴等を呼ばなきゃ」


「奴等?」


ジャックが指を鳴らすと上空に大きな亀裂が入る。


そして亀裂が広がり巨大な穴となりその中から数々の慈煉魔や魔獣があふれ出す。


あっという間に空は虚無の軍勢に覆われた。


「さぁ、神童を巡る戦争の始まりだ」


ジャックはそう宣言した。










「会いたかったぜ、クソ親父!!」


「大分前と性格が変わったな。デルトロのせいか?」




少し白髪が増えたが以前とまったく変わらない元父親を前にして俺は武者震いが止まらなかった。




「それに私はもうお前の父ではない。私の名はキングだ」


「キング?テメェがアヌビスが言ってた王とやらになるのかよ!」


「いやあれは嘘だ。アヌビスは私の忠実な僕だからな、勘違いしたのだろう」


「はっ!じゃあテメェらの目的はやっぱし世界を滅ぼす事か?」


「いやそれも違う。混沌の世界になったら私達のボスが神になるのだ」


「今度は神かよ…。まぁいいわ。お前は殺す!」

俺は刀をしっかりと握り親父に向かって走り出した。


「やれやれ」


そう言って親父はガンソードを取り出す。


そして親父は剣先から光弾を放つ。


俺はそれを最低限の動きで躱し、親父に一気に接近して刀を振るう。


それを親父はガンソードの腹の部分で防ぐ。


鍔競り合いの状態で俺は刀から闇を放つ。


「何!?」


親父はいったん距離を取ると一瞬驚いた顔をしていたが、すぐにいつもの表情に戻った。


「お前がそこまで使いこなしているとはな。強くなったな隼人」


「うるせぇ!」


俺は黒い魔力で飛ぶ斬撃を放った。


そしてそれを追うように一気に親父の元まで駆け抜ける。


親父は光弾を放ち斬撃を消し飛ばすが、それに紛れ俺が刀を振り上げた。

しかし親父はそれをバックステップで躱し近距離で光弾を放った。


おれはすかさず自分の影の中に入って躱して親父の影から出て背後から刀で突き刺す。


「甘い」


親父はそれを紙一重で躱すと零距離で光弾を放った。


目の前が光で包まれズドーン!という音とともに俺は吹き飛ばされた。


「くそがぁ!」


俺は刀を地面に突き刺して勢いを殺し親父を睨み付ける。


「相変わらず特質能力者としてはイマイチだな。解の力が全然つかいこなせていない」


親父は再び銃口を俺に向けて光弾を放った。










「この数は……」


空を見上げると数々の魔獣達。


「さぁ、どうする?」


「くっ!」


ジャックの言った通りこの魔獣を相手しながらジャックを倒すのは不可能に近かった。


「まぁ、僕は一体一で君と戦いたいからこいつらは散らばらせるかな」


そう言うと上空の魔獣たちがあちこちに四散していく。



「くそっ!」


それを止めようとした氷華の前にジャックが立ちふさがった。


「行かせないよ」


「くっ……。…!」


その時焦っていた氷華はだんだんと落ち着きを取り戻していった。


「どうした?あきらめた?」


「いや、私は一人じゃないという事を思い出してな」


「は?」










「きゃああああ!」


空から押し寄せる魔獣たちが町にいる人に襲いかかる。


その時魔獣達が箱に囲まれる。


「みんなそっちはどうだい?」


その術を使った人物は携帯で連絡をとっている正一だった。


「こっちも避難させてる。でもこれはちょっと数が多くない?」


「応援が来るまでだよ。刹那ちゃんは?」


「……大丈夫…」


「よし!なんとか保たせるんだ!」


「OK!」


「りょー…かい」


おびただしい量の魔獣に正一達が立ち向かった。








「そういう事か…。まぁいいや。さぁ、やろうか」


ジャックが魔銃を取り出した。


「クロノトリガー」




ジャイロ回転をした光線が銃口から放たれた。


それを氷華は神器霜七草を取り出して防いだ。


そして氷を体に纏うとジャックに向かって走り出した。

ジャックが光弾を放ってくるが氷華は最低限の動きで躱し刀を横に振りぬいた。


それをジャックは光の剣で防ぐが、防いだ瞬間に霜七草から冷気が放たれジャックの腕を凍らせる。


それを見たジャックは鍔競り合いの状態から思い切り振り上げ氷華を後ろに後退させる。


「ふーん、神器か…。いいね!最高だよ!」


ジャックの顔が狂喜で染まる。


そして今度はジャックが氷華に向かって走り出した。


それを迎え撃つ体勢だった氷華にジャックは光弾を放つ。


氷華はそれをまた躱すが、もう目の前にジャックの姿があった。


ジャックが左手の剣を振るう。


それを氷華は刀で受け流そうとしたが、ジャックの剣は途中でピタッと止まった。


ジャックは右手の銃を氷華に向けていた。


「クロノトリガー」


ズバーン!!という音ともに氷華は光に包まれる。



その光線は辺りの建物を吹き飛ばして瓦礫と化す。


そしてその瓦礫の中から氷華が出て来る。


氷華の和服には赤い斑点が出来ていて頭から血も流れている。


(フェイントというパターンもあるのか)


氷華は頭の血を拭いながらそんなことを考えていた。


「爆砕氷花」




するとヒラヒラと上から白い花びらが舞い落ちて来た。


「同じ手が通用すると思ったかい?」


ジャックは光のバリアを展開した。


その時氷華はジャックの目の前に現れ縦に刀を振りぬく。


そしてジャックが展開していた光のバリアが斬り裂かれる。


「なっ!?」


氷華は刀を振るい続ける。


それをジャックは右に左にと躱し続けるしかなかった。


「やはりな」


攻撃を続けながら氷華は口を開いた。


「何がやはりなんだよ?」


「お前そのバリア使ってる時剣を出せないだろ」

そうさっきからジャックは剣を出しておらず必死に躱しているだけだった。


「よくわかったね」


ジャックは答えながらも躱し続けているが、躱しきれずに刀の先にかすったりして切り傷ができていた。


その時ジャックが右手の銃を氷華に向けた。


「なに!?」


「でも誰もこの銃を使えないと言っていないよ」

そして銃口から光弾が放たれた。


それを氷華は氷の盾で防ぐ。


「クロストリガー」


しかしジャックが放った光弾が氷華を襲う。




細かい光の粒の嵐が氷華に迫るがそれを氷の盾で防ぐ。

しかし、氷の盾にめり込んだ小さな光が輝き始めそのまま大爆発を起こした。


爆風が辺りの建物の窓ガラスを割り、木々が大きく揺れた。


「まだ生きてるだろ。出てきなよ」


すると煙の中から姿を現す氷華。


氷華は片膝をつきながらジャックの事をただひたすら睨み付けている。


「そんな怖い顔しないでよ。まだまだなぶり足りないんだから!」


そして光弾が氷華に向かって放たれた。


しかしその光弾は氷華にたどり着く前に凍り付いてしまった。


「なっ…!?」


「これは私自身制御が出来ないから使えなかったがどうやらこの刀のおかげで使えるみたいだ」


氷華は立ち上がり刀を構える。


「絶対零度領域」


氷華がそう呟くとあたりのものが全て凍り付き始めた。


そしてその範囲はだんだんと広がっていきジャックにまで迫ってきた。


ジャックは後ろに跳び逃れようとするが、氷華がこっちに向かって走ってくるのを見て光のバリアを展開する。


そして着地と同時に氷華の攻撃を躱し再び後退する。


「危ないなぁ。このバリアがなかったら僕は氷漬けだよ」


「よく自分の体を見ろ」

「?」


ジャックは自分の体を見ると光のバリアごと右手が凍り付いていた。


「な…ん…で?」


「悪いな。その程度では私の冷気は防げない」


「くっ!赦童!」


そう言うと氷華の後ろに巨大な赦童が現われた。

そして口のあたりに膨大な魔力が集まる。


しかし牙砲が放たれる前に赦童は巨大な氷のオブジェになってしまった。

「ちっ!使えない。いいよ。僕の最強の技を見してあげる」


今度はジャックの左手の銃に魔力が集まりだした。


「エンドトリガー!!」

その言葉とともに赦童の牙砲よりも威力がある光線が放たれた。


氷華はそれに対抗し、刀に冷気を集める。


「氷虎爪」


氷華が振るった刀から氷の虎が現れジャックの光線を食らおうとする。


そして二人の技が激突し大爆発が起こった。

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