表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
37/52

第三十七幕

「なんだ…それは…」


弁慶の口から血が滴り落ちながら後ろにいる隼人を睨み付ける。



「テメーに教える筋合いはねぇよ!」


弁慶は一旦距離をとった。


俺はさらに追撃を仕掛ける。


「くっ!村松流攻式―」


「させるかよ!」


分身に黒い魔力が襲い、かき消された。


「甘い!」


弁慶は黒い魔力を浴びながらも向かってきた。


その時隼人は笑った。


それと同時に弁慶が地面に倒れる。


「なんだ…?力が入らない…」


「当たり前だろーが!俺の闇を食らったんだぜ!?」


「闇…だと…魔力ではなかったのか…?」


「今のは魔力ではなく闇だ。闇は外部に損傷はほとんど与えられないがその代わりに魔力を食らう」


「なんだと…?」


「あの黒い魔力は直接攻撃のためのもの。そして魔力を食らう闇。この二つそろってこそのデルトロの力だ」


今まで気付かなかったがな、と隼人は笑いながら上機嫌に説明をした。


「なるほどな…」


プルプルと体が震えながらも立ち上がる弁慶。


「流石にあれじゃあ魔力を吸い尽くせなかったか…」


「もう二度と食らわなければいいだけの話だ」


弁慶は隼人とかなりの距離をとった。


「村松流特式の壱『無幻影』」


弁慶の分身が何百と現われる。


「はっ!そんな小細工、力で潰してやるよ」


何百もの分身が隼人を襲う。


しかもその分身は今までと違い実体があるものだった。


しかし結局は魔力で出来ているのだ。

隼人の闇には実体があるかないかなんて関係なかった。


「ちっ!数が多いなぁ!」


闇を纏わせた刀を振るうがめんどくさくなった隼人は地面に刀を刺した。


「沈め!」


地面が黒く染まるとそのまま実体たちが闇に沈んでいく。


「なんだと!?」


闇の範囲は広がり舞台全体を覆い尽くした。


「よぉ、久しぶりじゃねーか」


壁にしがみつき闇から逃れた弁慶に向けて言った。




「村松流特式の弐『飛竜』」


弁慶の薙刀に魔力が集まった。


「まだそんな技を隠していやがったのか。いいぜこいよ」


隼人も刀に魔力と闇が集めた。


「死ねぇぇぇ!」


弁慶の薙刀からどちらかと言ったら中国の形の竜が飛び出す。


対する隼人は西洋の形の真っ黒な龍が現われた。

そしてお互いの技がぶつかりあう。


お互いの技は一瞬拮抗するがすぐに隼人の黒龍が弁慶の竜を食らう。


「なんだと!?」


「テメェの竜なんて食らってやるよ!」


弁慶の竜を食らった黒龍は弁慶に向けて突っ込んでいく。


「見事」


その称讃の声は誰にも届かずに弁慶は黒い龍にのまれた。


「第五試合勝者炎磨隼人」


アナウンスの声が響き渡りこの戦いは終末を迎えた。











俺達はセリアにある部屋に案内された。


ちなみに弁慶は生きていた。


弁慶の技によって威力を殺されたようだ。


「失礼します」


「入れ」


扉を開けて中に入ると浴衣をきた中年男が座っていた。


部屋の中は和室でコロッセオの中とは思えないほどのギャップだった。


「よく来たな」


「テメェは誰だ?」


「私は虚無の慈煉魔最高幹部の一人『大天狗』の烈風丸だ」


その言葉に一堂が驚愕した。


大天狗とは最高クラスの魔獣でしかも慈煉魔の最高幹部が目の前にいるのだ。

驚くのも無理はなかった。


「何の用だ」


氷華そう言いながらいつでも戦闘になっても大丈夫なように身構えていた。


魔獣としての力が強くなればなるほど人の姿に近付いていく傾向があるらしいが烈風丸の姿はどこからどう見ても人間だった。


「そう身構えるな。私は敵ではない」


「それが嘘かもしれないんでは?」


そう言ったのは正一だ。

「まぁ無理もない。お前たちを戦わせたのは確かに私だ。しかしそれはお前たちの力を見たかっただけなんだ。すまなかった」


「正一さんこの人は嘘をついていませんよ」


みのりは解の力を発動させながら正一に言った。

今のは解の力の解析の能力を使ったようだ。


人が嘘をつくとどんなにうまくても若干の違和感が生まれる。


解の力はその違和感を解析して見る事が出来るのだ。


ちなみに俺は解析の方もさっぱりだ。


「わかった。話を聞こう」


それを言ったのは氷華だった。


「ありがとう。それで君達に話したいのは神に選ばれたというのがどういう意味かだ」


一同息を飲む。


「まぁそれを話す前に座ってくれ。あっなんか飲む?」


「いいから…話して…」

刹那が烈風丸をせかす。どうやら話を焦らす烈風丸にイライラしているようだ。

いつも無関心な刹那には珍しい事だった。


まぁ神に選ばれたとかが原因であの惨劇が起こったわけだから無理もない。


「わかった。キミらは神に選ばれたとか神の子とか呼ばれる時があるだろう。まぁ細く言うと神の子という表現は誤りなんだが」


「どういう事ですか?」

俺は回りくどい話し方にイライラしながら質問した正一を見ていた。


「神の子は実在するからだ」


「!?」


またもや一同が驚愕する。


「伝説ではこの世が魔で覆い尽くされる時代に救世主として神の子いわゆる神童とそれを守護する五人の選ばれた術師が現われるらしい」




「それが私達か」


「そういう事だ。そして神童は五人の守護者が生まれた時にしか生まれない。今の時代は四人しかいなかった。だから虚無は五人目を強制的に作った」


「守護者って人工的に作れるものなのか?」


「守護者というのは二人はいつも決まっている。立浪家の者と下村家の者とな。だが、他は人間を超越した力をもった術師が選ばれ神器を使う事を許されるんだ。そして虚無は最強と言われた悪魔の力を人間の体内に注入する事で完成した」


「それは俺の事かよ?」

俺は烈風丸にそう問うと烈風丸は静かにうなずいた。


「んで?そこまでしてなんで神童とかいう奴を誕生させなきゃいけねーんだよ!」


「神童を殺すと世界が滅ぶからだよ」


またまたこの言葉に一同は驚愕してしまった。


「…んなことだろうと思ったぜ」


「いや正確には滅ぶというか魔界と天界と人間界がいり混ざる混沌の世界になる」


「そんなことしたら…!」


氷華は感情的になっているが烈風丸は至って冷静だった。


「分かっている。だから君達にこの事を話して神童を守ってもらおうと思ったわけだ」


そう言ってセリアにアイコンタクトを送ると隣りの部屋の扉を開けた。


そこから出て来たのは刹那よりもさらに小さい子どもが出て来た。


「こんにちは!私の名前は上条美子かみじょうみこと言います!十歳です!」


満面の笑みで自己紹介をしたこの子どもが神童なのだろうか?

見た目はそこらへんにいるガキとかわんねぇぞ?


「この子が?」


「そうだ。君達にこの子を守ってもらいたい。なおくれぐれも教団に報告するな」


「何故?」


「恐らく裏切りものがいる」


「本当ですか!?」


本当に今日は皆驚いてばかりだ。


「あぁ。だから連絡するな。君達だけで守るんだ。任せたぞ」


「つーかテメェはなんで俺達にそんな親切なんだ?テメェも虚無なんだろ?」


そう言うと烈風丸が一瞬黙った後話し始める。


「私は気付いたのだ。間違ってると。そこで君達の噂を聞き、力を確かめ君達と共に世界を守ろうと決めた」


それを語る烈風丸の表情に覚悟が表われていた。

「お兄ちゃんお名前は?」


その時美子が俺の足にすりよってきた。


「あ?」


「お名前、お名前」


「………炎磨隼人」


「はや兄よろしくっす!」


そう言って敬礼する美子。


「は?」


「よかったな隼人。世話はお前に任せるぞ」


その時氷華が悪魔のような一言を言った。


「ふ、ふざけんなぁぁぁぁ!!」


コロッセオに俺の叫びが木霊した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ