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空海と筆 〜真言宗始まってました〜  作者: moca


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第四十八話 神に願いをといえば ぎゃるのパンティが鉄板でしょ


天の海、静まり返る。


蒼き深淵よりオオワタツミが姿を現し、

月光の道よりツクヨミが降り、

雷雲を裂いてタケミカヅチが歩み、

香の風をまとい経津主が座に就いた。


四柱、久方ぶりに相まみえる。


オオワタツミ

「……危うかった。

 常陸の地脈が裂ければ、海は逆巻き、

 東の海原は呑まれていたであろう」


ツクヨミ

「月の潮は乱れ、

 夜の静寂は破れ、

 星々の巡りすら狂ったはずだ」


タケミカヅチ

「要石の欠片が失われたままならば、

 地は震え、

 雷は暴れ、

 関東一帯は……」


経津主

「……死滅していた」


四柱は沈黙した。


タケミカヅチ

「だが、背に重きを負う者が現れた。

 名を問うなと告げたが……

 あれほどの御業を成すとは思わなかった」


オオワタツミ

「祈りの地を歩むたびに水脈が応じた。

 あれは我が海の気配をも揺らしたぞ」


ツクヨミ

「月の光が震えた。

 あの者の背に宿る“火”は、

 ただの火ではない。

 因果を焼き、縁を繋ぐ火だ」


経津主

「封印の要に石を置いた瞬間、

 結界が息を吹き返した。

 あれは神代の再現……

 いや、それ以上だ」


タケミカヅチ

「雷を落としたのは我だ。

 承認の印としてな」


オオワタツミ

「空海と呼ばれるらしいな」


ツクヨミ

「名はどうでもよい。

 あれは“縁に導かれし者”。

 神でも人でもない。

 ただ、必要な時に現れた」


経津主

「もしあの者が来なければ……

 常陸は裂け、

 香取は沈み、

 鹿島は傾き、

 関東は海に呑まれていた」


タケミカヅチ

「……礼を言うべきだろうな」


四柱は静かに頷いた。


オオワタツミ

「空海よ。

 海はお前に感謝する」


ツクヨミ

「月はお前の歩みを照らそう」


タケミカヅチ

「雷はお前を守ろう」


経津主

「香取と鹿島は、

 お前の名を忘れぬ」


四柱の声は、

風となり、

波となり、

雷となり、

月光となって

常陸の地に降り注いだ。




――夢を見ている。これは夢だ。夢にして(願望)



さあ、各馬ゲートイン完了……おっと、金船が中で立ち上がった!

スタートしました――金船、大きく出遅れ!

観客席がどよめいて……いや、悲鳴が上がっています!

一番人気の金船、まさかの最後方スタート!

これは厳しい、これは厳しい展開になりました!


あああああああ(悲鳴)

俺の俺のおかねかえしてええええええ(汚い叫び)



はい、なんでこの状況なのか説明しましょう。


実はですね、夢で偉い人が「お礼になんかくれる」って言うんですよね。

いやまあ、くれるものはもらう主義なのでいいのですが、

何を望めばいいかわからないじゃないですか。怖くて(怖くて)


だもんで保留してもらったんですけどね。

その影響でしょうか、夢を見たんですよね。過去の思い出を。


そんなに、それほど、変えたい過去なんですかねぇ(10万JP$)



しかしまあ、願い事といわれると、

あの龍神様のタマタマ探ししか出てこないですよね(令和脳)



ここで怖いのは


① 願いが無い → 我の顔をつぶすのか → 死刑

② お金とか  → 神に俗物の手伝いをせよと? → 死刑

③ 貴重品   → 同上

④ 神器    → 人の器の分際で分をわきまえよ → 死刑


どーしろっていうんですかああああ。


まて、がんばれ俺。

俺の名を言ってみろ。ヘンジョーヘンジョー。


よし、ここは――

神の威を現しつつ俗物でもなくメンツも立ててこうみんながハッピーな……

みんなでしあわせになろうよ。


ねえよ!(ガチギレ)


あああああ(悲鳴)



ああそうか。謎は解けた。

この迷探偵にマカセロ(自信)。




香取大宮司 鹿島大宮司 は 見た(二回目)


封印石の間に、風が止んだ。

世界そのものが息を潜めたかのような静寂が満ちる。


四柱の神が降り立つと、空海の背に光が重なり、

その姿はもはや“人”の輪郭を越えつつあった。


私は神官としてただひざまずき、震えるしかなかった。


――これは神代の再演ではない。

――新たな神話の誕生だ。


海の底から響くような声でオオワタツミが告げる。


「空海よ。願いを述べよ。

 海も月も雷も刃も、お前の言葉を待っている」


月光が封印石を照らし、雷が遠くで鳴り、香の風が舞い、

四柱の気配が世界を満たす。


私は思った。

この場に立つ者は、もはや人ではない。

“選ばれし者”とは、こういう存在を言うのだと。


空海は静かに息を吸い、顔を上げた。

その目には恐れも欲もなく、ただ未来を見据える光だけが宿っていた。


そして、神々に向かって告げた。


「いずれ日ノ本の政治の中枢は、この関東に集うでしょう。

 人も増え、世も移り変わる。

 ならば――ここに住まう者たちが、

 今日より明日を、少しでも良い日だと信じられるように。

 そのための“わずかな向上”を、どうかお与えください」


私は息を呑んだ。


なんだ、この願いは。

富でも権でも名誉でもない。

神器でも永劫でもない。


ただ、“人々の明日が少し良くなるように”と。


四柱の神々が、世界の根が震えるような気配で応じた。


オオワタツミは深海のように静かに、

ツクヨミは月光のように柔らかく、

タケミカヅチは雷のように力強く、

経津主は刃のように鋭く――


「……その願い、確かに聞き届けた」


封印石が光を放ち、空海の影が長く伸びる。

その姿はまるで“新たな守護者”のようだった。


私は震えながら思った。


――この者は、神々に願いを述べる資格を持つ、

 真の“縁に導かれし者”なのだ。


そしてこの瞬間から、日ノ本の未来は静かに動き始めた。


香取鹿島オオナマズ伝説より

日ノ本の夜明けより



第四十八話

神に願いをといえば ぎゃるのパンティが鉄板でしょ

おわり


次回 第四十九話

走れ空海 日の沈む速度の10倍だぞ

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