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72:女神パワー全開ですわ!

 ゼブルスを何とかする方法があるとリッテンベルン宰相が向かったのはルルさん(里長の孫娘)の砲撃陣地でして……。


「おお、アリシアも無事やったんやな、よかったよかった…んで、そっちに居るのは?って、のんびりくっちゃべっている場合やないねん、今はちーとばかし取り込んでいるから用件があったらさっさと喋って欲しいんやけど?」

 因みにこのままではゼブルスの瘴気と灰色のドロドロが広がりとんでもない事になってしまうとヴォッサム将軍が陣頭指揮に戻る事になりましたし、リンディさんを見張るために雨宮さんとノアさんが残る事になったのでそれ以外のメンバーがゾロゾロと移動する事になったのですが、ルルさんは捕らえられていた(わたくし)の生存を喜びながら面識のなかったミレーヌさんやニアミスをしたリッテンベルン宰相に対して不思議そうな顔をしておりまして、この辺りの事情を話し始めると長いのでスルーしておいた方がいいのかもしれません。


「そう?それじゃあ早速で悪いのだけど…そっちにある増幅器(ビーム兵器)を接収させてもらいたいのだけど?」


「はぁ?ボワボワ頭(リッテンベルン宰相)に何の権限があってそんな事を言うてんの?コレはウチが丹精込めて…ってかよくこれが増幅器ってわかったな、いや~生成した魔光石(まこうせき)だけだと出力が足りひんかったからルル結晶でエネルギーを増幅しているんやけど…」

 魔法に精通しているリッテンベルン宰相はゼブルスへの砲撃を見ただけでどういうモノが使われているかを理解していたようで……いきなり「接収」なんて言われてムッとしていたルルさんなのですが、魔科学を理解してくれそうな人に対して饒舌になっていたりと研究家気質の2人は意外と気が合うのかもしれません。


「そういうのは良いから…私達が必要としているのは理論ではなく増幅器の方、細かくは調べていないのだけど対人用にも転用できるんでしょ?」


「まあ…元はアリシアを強化する為に作ったビキニアーマーやからな、って、なんや、そういう使い方をするんか?」


「ちょ、ちょっと待ってください、パワーアップ方法(対抗手段)ってそれ(ルル結晶)ですの!?」

 なんていう会話が続いていたのですが、ここまで説明されたらリッテンベルン宰相が何をしようとしているのかがわかってしまい……あんなプルプルと震える物を身に付けながら戦う事なんて出来ませんわ!


(いえ、まあ…たしかにお手軽なパワーアップ方法なのかもしれませんが、だからといってですわ)

 ジオルド(鉱山街)でも使用したといえば使用したのですが、身に着けていた訳ではありませんし……しかも殆どの人が倒れていたり別の用事で忙殺されていたジオルドとは違って普通にチラチラと見られていますし、そんな場所であんな物を身に着けるのは嫌ですわ。


「でも…それだけだと足りないと思う、だから神官長には女神とのパスを繋いで聖氣を流してもらえれば…受信体()が強化されたら流せる量が増えるし、思ったような効果が出なかったとしても単純な強化にはなると思う」

 なんて事を言っていたのですが、どういう意味なのかがよくわからないと首を傾げていると少しだけ噛み砕いて説明をしてくれまして……リッテンベルン宰相が言うには搾り続けても尽きない私の聖氣がどこから生み出されているのかを調べてみた結果、エネルギー源となっているマリエラ様とのパスが繋がっているので減ったら減った分だけ回復してくれるような仕組みになっていたのだそうです。


(えっと、それは…?実は外付けの魔力源から供給されていた…という事なのでしょうか?)

 徐々に扱える聖氣が増えていったのもマリエラ様との繋がりが強固になっていった結果でして、女神パワーを受信している私の強化をおこなっていけば使える聖氣が一気に増えていくのではないかという仮説を立てたのだそうです。


 勿論無理やり流す事になるのでそれなりの負荷がかかりますし、完全に枯渇した場合の回復量はごくごく普通の人達と変わらないので無理をする事が出来ないのですが、ルル結晶分のパワーアップは見込めるのでやってみて損はないという事でして……。


「ふむ、なるほど…聖勇者というのはマリエラ様から直接力を貸し与えられているので祈ったら(お願いしたら)祈った分だけ(お願いした分だけ)力を注いでもらえる可能性がある…と?方向性については強化魔法で応用が利くのかもしれんし、なんとかなるのかもしれんですじゃ」

 みたいな感じでターナー神官長も前向きな検討を始めていたのですが、膨大な聖氣が流される私の事を心配してくれているアンジェリカが不安そうな顔をしていまして……ただこうして私達が話し合っている間も結界の内側ではゼブルスがモゾモゾと蠢いていますし、帝都に取り取り残されて逃げ遅れた人達もいるので決断を下す必要があるのかもしれません。


「仕方が…ありませんわ、他の方法が思いつきませんし…聖勇者であるアリシア・W(ホワイト)・神楽坂が気合と根性で耐えてみせますわ!」

 要は我慢するだけだと安請け合いをする事になりましたし、ここまで来たら嫌だ嫌だとごねている場合ではないと胸を張るのですが、周囲から「おおお~」みたいな喝采にも似た言葉が漏れて来たかと思うと早速女神様の力を借りる為の準備が始まりました。


「それじゃあウチらも準備を始めるさかい、ちーとばかし待っててな」

 こうしてルルさん達の解体が始まりまして、ビーム兵器から取り外されたルル結晶がリッテンベルン宰相の研究成果をもとに調整されていくのですが、自分で言っておきながら本当にこれで良かったのかがよくわかりませんわ。


「申し訳ありません、実行するアリシアの負担ばかりが多くて…」


「それは…言わないお約束ですわ、それに私は私が出来る事をやるだけですし」

 今更泣き言を言っても始まらないと開き直っておりますと、私達の動きを察したのか帝都でとぐろを巻いていたゼブルスの方にも動きがありまして……。


「おい、あれを…ああ、くそっ、結界が!?」

 帝都を覆ってゼブルスの動きを封じていた結界がパキパキと欠けていったかと思うと隙間からドロドロとした瘴気が溢れて来まして、侵蝕を受けた所から色が失われていったかと思うと灰色の肉人形が溢れて様子を窺っていた人達に襲い掛かりました。


「こちらは…お願いします、私はアレを止めて来ますので」


アン(アンジェリカ)…いえ、ご無事で」

 ルル結晶の調整やターナー神官長の儀式(強化魔法)のお手伝いが出来ないアンジェリカは「肉人形を排除するくらいなら」と前線に出て行く事になったのですが、少しでも人々に為に頑張りたいという彼女の想いを止める事が出来なくて……私が出来るのはアンジェリカの無事を祈る事しかできませんでした。


「任せてください、ホーン(ターナー)神官長の儀式を成功させるまでの時間くらいは稼いでみせますので」

 なんて清々しく笑っていたのですが、死亡フラグではありませんのよね?


「では私も…前線に出る事にしよう、折角与えられた女神の力だ、このまま腐らせている訳にもいかないのだろう」


「ぷっ!」


「…お願いしますわ」

 そんな心配をしておりますと、女神の力を宿す事になったミレーヌさんとタマがドロドロとした瘴気や灰色の肉人形達と戦ってくれる事になったのですが、皆の奮戦に期待するしかないというのが歯がゆいですわ。


(焦っても仕方がないのですが…それでも、ですわ)

 それぞれが出来る事を考えながらゼブルスを何とかしようとしているのですが、今の私は皆の頑張りをただただ眺めている事くらいしか出来なくて……なんてソワソワとしているとターナー神官長が「こちらへ」と用意してくれた魔方陣の真ん中に案内してくれたのですが、妙に手際よく儀式の準備が整ったような気がするのはゼブルスが出て来た時に使おうと思っていた大規模結界用の魔方陣を転用したからなのだそうです。


「こっちも出来たで!っていってもめっちゃくちゃな突貫工事やさかいどうなるのかがわからへんのやけどな」


「大丈夫、計算上は耐えられる」


「それは…心強いですわ」

 改造が即席すぎて心配になってきてしまいますし、ミレーヌさん以外の人間がどうなっても良いと考えていそうなリッテンベルン宰相が本当に耐えられるギリギリのラインを狙っていそうなところが怖いですわ。


「それにしても、今度のルル結晶はヌメヌメしておりますのね…って、んひゅ!?」

 私用にチューニングされた玉虫色に光り輝く拳大の結晶は妙なヌメつきがあったのですが、言われるがままに神躯のある場所(胸の間)に当てるとニュルリと両乳首に絡みついて来まして……外れないように固定されただけなのかもしれませんが、ブウゥンと嫌らしく振動し始めたルル結晶がピッタリとくっ付きすぎて刺激を逃がす為の隙間がありませんでした。


(無理っ、むりぃいですわ、ただでさえ弱い所を…おっおっおぉっ!?ちくびが…とけ、とけてしまいますわぁああっ!?)

 無意識に腰が浮いてしまいますし、溢れた聖乳がルル結晶に吸われて振動が強くなってという永久機関に身体がプルプルと震えてしまうのですが、そんな状態でターナー神官長が聖勇者召喚の儀式を応用した身体強化の魔法を開始すると溢れて来る無限のパワーが私の身体を貫きました。


「あひっ!?あぁあぁあっ、あぁあっあああぁあっ!?」

 瞬間何か(女神)と繋がったような感じがしたのですが、絶頂にも似た破裂が広がり周囲の景色が一変してしまい……。


(こういうパワーアップ方法になるのは…想定していませんでしたわ!?)

 膨大な聖氣が無理やり流し込まれたかと思うと風船が膨らむように巨大化してしまい……身長は60メートルオーバーの薄っすらと光り輝く人型ですし、不思議パワーを受けて一緒に巨大化したルル結晶が絡みついたままなので乳首だけは隠されていたのですが、ここまでの巨体となると当然の権利のように着ていた衣類が吹き飛び少し大きめの乳輪がはみ出ていたり下の方がすっぽんぽんだったりと散々すぎる格好ですわ!


「とか言っている場合では…ございません、のね!」

 緩やかな振動が乳首を責め立てて来ていますし、地上に居る人達が見上げただけで恥ずかしい所が丸見えなのですが、結界をぶち破ったゼブルスがヴァーナル(敵対者)の陣地に突っ込んで来ていまして……巨大なムカデのようなゼブルスにがっぷり四つに組みつき無理やり進行方向を捻じ曲げますと、そのまま右手に聖氣を集めておもいっきり殴りつけてあげました。

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