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13:風紀の乱れと反乱軍ですわ!

※少しばかり残酷な描写がありますので、そういう描写が苦手な人はお気を付けください。

 闇夜に乗じてベルザ(行政都市)に入り込んだ(わたくし)達はお喋りな帝国兵の尾行をしていたのですが、彼らが向かっていたのは碌でもない酒場だったようで……その、あまり大きな声では言いづらいのですが……女性の人に乱暴な事をする場所だったので嬌声が響き渡っておりますし、如何わしい臭いも漂って来ておりまして……とにかく胸糞悪い事この上ないですわ!


「何へばってんだよ!死ぬ気で締めねぇと旦那と一緒に魔物の餌にしちまうぞ!!へへ、わかればいいんだよ、わかれば…くっ、う…肉の枷を付けながらだとギチギチと蠢きやがるぜ」

 そんな乱痴気騒ぎの酒場からあぶれたのか野外で盛っている人達もいたのですが、後ろ手に縛られガシガシと突かれている女性はぐったりとしていて……よくよく見てみるとクリ〇リスや乳首には細長い紐のような触手が絡みついていますし、少しでも反抗的なそぶりをみせると大事な場所(性感帯)を扱かれお〇んこを掻き回されるという拷問を受けているようでした。


「よお、相変わらずみてーだが…見える場所で盛るなって言われてただろ?誰もお前のみすぼらしいモノなんて見たくねーんだよ」

 だというのにここの連中にとっては当たり前の光景なのか千鳥足でお店に向かっていた兵士はごくごく普通に会話をしておりまして……。


「うっせぇ、俺はこっち(野外)の方が燃えるんだよ…じゃあなんだ?お前は他の連中の汚ぇケツを見ながらやるのが良いっていうのかよ!」

 酒場の前で盛っていた男性が獣のように吠えるのですが、そういうプレイも日常茶飯事なのか声をかけた方も「やれやれ」みたいに肩を竦めているだけで……とにかくもう色々な事が酷すぎて(はらわた)が煮えくり返ってしまいそうなのですが、本当に碌でも無い奴らしかいませんのね!


「お前の趣味は聞いてねーよ…しっかし、そっちに転がっているのも…殺してねーだろうな?集めなければいけない魔力にもノルマっていう物があるんだぞ?これ以上減ったら面倒くさい事に…それに反乱軍の事もあるんだ、油断していると寝首をかかれちまうぞ」

 そんな事を言いながら近くに転がっている男性を蹴飛ばしていたのですが、その方にも女性と同じような触手の拘束具がつけられておりまして……血の混じった白濁液の上でピクピクと痙攣していたりと色々と酷すぎて直視に耐えませんわ。


「はっ、だからこうやって怪しい連中を尋問してるんだろ?つーか良い感じの奴はドゥークーの奴が独り占めしてるしよ、俺達は中古品で我慢してやって…それでも旦那の前で腰を振ってやったら何て言ったと思う?これが傑作で…って、お、ぉおお…出る、中に出すぞ!!」


「いや…い、や…や、め…もう吸わない…ギィっ!?ィイイッ!!?」

 なんて碌でもない会話をしながら腰を振っている獣以下の男がお構いなしにグチュグチュと激しいピストンを繰り返すと潜り込んでいる紐触手が暴れ回ってしまい……触手には魔力を吸収する特性があるのか挿入している男と挿入されている女性から魔力を吸収しているのですが、吸収すればするほど紐触手が暴れ回り……ぐったりとしていた女性が汗とか色々な体液を飛び散らせながら聞くに堪えない叫び声をあげているのですが、そんな光景を見せられているだけで身体が火照って胸が張ってしまい……。


「ッ、はー…触手の野郎もギュルギュルと締め付けてきやがる…ハハッ、はー…俺が出した魔力でも帝都に送るぶんには十分だ…つーか、こうして俺達が頑張っているおかげでこいつらも楽になるんだ、感謝して欲しいくらいだぜ…って、おい、聞いているのか?チッ…使えねー…なかなか楽しかったんだが、こいつも魔物の餌いきか?」

 ピクピクと痙攣しながら脱力してしまった女性の頭をぺしぺしと叩いていた人型の獣は面白く無さそうに呟いてから放り出していたのですが、魔力を吸いつくされて廃人になった人達は魔物の餌にされてしまうようで……とにかくそういう景色が目の前に広がっていた訳なのですが、単純に一言で言い表すとコイツら完全に狂っていますわ!


(本当に…どうしてくれましょう!)

 いくら温厚な私でもコイツらへの殺意が湧き上がって来るのですが、そんな沸騰した怒りを冷ますようにアンジェリカが手を添えてくれて……。


「その怒りは正当なものだと思います…が、どうやら周囲の建物にも兵が伏せられている(隠れている)様子…ここは耐えてください」

 なんて周囲の警戒に勤めていたアンジェリカが宥めてくるのですが、いくら怒り心頭で我を忘れかけているといっても私達が敵地に潜入している最中だという事くらいは覚えていますわ!


「わかって、いますわ」

 だから歯を食いしばりながら悔しさを絞り出すのですが、ここで出て行ったら潜入して来た意味がありませんし、下手をすればベルザに居る帝国軍との全面対決が始まってしまう可能性がある事も理解しております……おります、が!!


「貴方達、何をしていますの!!」

 流石にブチ切れ案件すぎますし、怒り心頭でプッツンきていた私は物陰から飛び出し収納魔法から取り出したインペール(聖銀の細剣)を破廉恥な行いをしている帝国兵に向けるのですが、いきなり剣を向けられた帝国兵は呆気にとられたようにポカンとしていて……それから下卑た笑いを浮かべました。


「ひゅー…へへ、おいおいなんだよ…活きの良い奴がいるじゃねーか」

 出て来たのが私とアンジェリカ(女性2人)だけという事に気がついた男達はニタニタと笑いながら近づいて来るのですが、せめてアンジェリカの半分もない粗末な一物を仕舞ってからにして欲しかったですわ!


(というよりコイツらの思考が…気持ち悪くて)

 魔法を習い始めてから無秩序に流れて来るテレパシーの制御が出来るようになっていたのですが、ここまで下卑た考えが強いと嫌らしい気持ちが伝わって来てしまいまして……一応フードを目深に被っているので顔は見られていないと思うのですが、彼らの視線が……その、私の胸に向けられていますし、オーバーサイズのマントでも私の豊満なボディーが隠し切れないというのは誤算でした。


「アリシアは間違っていないので胸を張ってください…目撃者を叩きのめして店の中に居る連中が出てくる前に撤退しましょう」

 なんて小声で囁くアンジェリカが庇ってくれているのですが、ランプデトネイター(アンジェリカの武器)を構えていないのは特殊過ぎる武器なので目立ちすぎてしまうからだと思いますし……とにかくジリジリとした嫌らしい視線を受けてタラリと聖乳が垂れてしまいますし、顔と身体が火照って汗が噴き出そうで……飛び出した後がノープランすぎて申し訳ない気持ちで一杯になってしまいますわ!


「おい!何をゴチャゴチャ…へへ、美しい友情じゃねーか…そーいう奴らの前でもう片方をブチ犯すっていうのが俺の趣味でね、恨むのなら正義感が強すぎるお友達を持っ…た!?」


「ひっ!?」

 ポキポキと指の骨を鳴らしながら近づいて来る人が頭の悪い事を言っていたのですが、言葉の途中でその首が飛びまして……飛んだ血飛沫がかかって小さな悲鳴を上げてしまったのですが、私が悲鳴を上げている間にそいつと話しをしていた連中もお揃いの黒いレザーアーマーを着た乱入者に胸や首を突かれたり刎ねられたりしながら倒れていってしまいます。


(お、おちおちつきまして…って、首、が?)

 阿鼻叫喚どころではない凄惨な出来事に上がっていた血がザーっと下がっていくような音が聞こえたのですが、店の中からは悲鳴とか怒声とか誰かと誰かが争うような音が聞こえて来まして……よくわからないままオロオロとしておりますと、悪漢を斬り伏せたヒョロリとした灰色短髪の男性が血塗られた剣に付いた汚れを振り落としながら剣呑な隻眼(顔の左半分に大きな傷)でギロリと睨みつけて来ました。


「そっちの肝が据わった方(アンジェリカ)、勇気のあるお嬢さん()がこれ以上の騒ぎを起こさないように見張っておけ、すぐに終わる」

 そんな事を言い残すと店側から逃げて来た帝国兵を淡々と斬り始めたのですが……本当にどうなっておりますの!?


「あの鎧は帝都の…ヴォッサム将軍が率いる部隊に支給されたいた物だったと記憶しておりますが?」


「って事は…この方達が反乱軍ですの!?」

 アンジェリカの呟きで乱入者の正体がわかったのですが、そんな人達が町中で斬った張ったをしているのがビックリといいますか、やる事(見回り)をやってから盛らないと命が危ないのでは?なんていう要らぬ心配が浮かんでしまいますし、そういう忠告を聞かなければいけない連中は人生最後の教訓を叩きつけられていっているのですが……もしかしたら町の中に入り込んでいる反乱軍を何とかするという名目で集まりどんちゃん騒ぎをしていたりするのでしょうか?


(馬鹿ですわ、馬鹿…っとうに…血の、臭いが…魔物は慣れてきましたのに、目の前でというのは)

 殺しても殺し足りない事をしていた連中なのですが、生首として血だまりに転がっているとそういう怒りも萎んでしまい……とかいう現代的な感覚を引きずり続けているのは危険だという事を頭の隅っこの方で感じていますし、今は吐き堪えながら現実を見据える事にしましょう。


(このような冷酷さがこの世界の一面でもありますのよね)

 帝国軍が攻めて来た時は距離があった(空を飛んでいた)のでよくわからなかったのですが、たぶんあの戦いでも多くの方々が亡くなられていて……よくわからない異世界間ギャップに足が震えてその場で蹲ってしまったのですが、へたり込んだ私を守るようにアンジェリカが側にいてくれましたし、乱入して来た反乱軍は何もできない私を黙殺するように帝国兵を皆殺しにしてから奴隷のように扱われていた人達を助け出していました。


「おい!そこの…帝国兵に見つかりたくなかったらついて来い!ずらかるぞ!」

 帝国兵を殺し尽くして目的を達成したのでしょう、彼らは助け出した人達を連れて撤収作業に入っているのですが……改めて周囲を見回すと人間の死体がゴロゴロと転がっておりますし、何事かとこちらを窺ってきている人達もいますし、遠くの方からバタバタとした足音や鐘の音が近づいて来ていまして……確かにここに留まっていたらとても不味い事になってしまいそうですわ。


「ゲオルグ、彼女達はどう見ても町の住人じゃあ…これから事を起こそうっていう時だ、身元不明の奴を連れて行くのは」


「構わん、あいつらのしでかした事に対して怒鳴り散らせる真っ当な感性を持った連中だ、それだけで『繋ぐ鎖(ヴァーナル)』への参加資格がある、それに…とにかく、グズグズしている暇はないぞ!どうする?」

 なんて事を言われてしまったのですが、どうやらヴァーナルというのが反乱軍の名前のようで……因みに『繋ぐ鎖』というのは戦神ラヴィンゼンが捕りものに使った『ラヴィンゼンの鎖』と呼ばれる神具の別称のようなもので、非道なザインブルグ帝国を捕らえて押さえ込むみたいな願いが込められているのだそうです。


 つまり私のいた世界で言うグレイプニル(魔法の足枷)とかエンキドゥ(天の鎖)みたいな意味がある名前だという事を後々の説明で聞かされる事になるのですが、そんな彼らが差し伸べて来た血塗られた手を見て……それからアンジェリカを見てみると「どのような判断をしてもついて行きます」みたいな顔をしながら頷いていたので覚悟を決めました。


「わかり、ました…足手まといにならないように頑張りますので、道案内をお願い致しますわ」

 このままへたり込んでいても仕方がないですし、2人だけで帝国軍と戦えるかというのは……アンジェリカなら一緒に戦ってくれると思いますが、そんなのはただの自己満足ですわ。


(私達だけでも脱出する事が出来ると思いますが…ここで会ったのも何かの縁ですわ)

 まったくの善意だけの脱出補助(手助け)とは思えなかったのですが、帝国と戦う人達がどのような人柄なのかを確かめておきたいという気持ちもありまして……私達はヴァーナルの皆さんに脱出の手引きをしてもらう事にしました。

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