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12:ベルザの現状と帝国軍の風紀についての話ですわ!

「アリシア…っ、もう…くっ、ぅうッ!!?」

 そそり立つドラゴンチ〇ポから溢れ出している噎せ返るような聖氣を舐めとると舌の先から喉の奥までが痺れてしまいますし、思わずと言うように頭を乱暴に掴まれ自由が奪われると無理やりストロークをさせられているような荒々しさに呼吸が詰まってしまい……。


(苦しい、のに…許してしまうのはなぜでしょう?)

 気持ちよさそうにピクピクと身体を震わせているアンジェリカさんを見ているだけでこちらまで幸せになってしまいますし、ビュルルルと吐き出される聖氣を飲み込むと幸福感がお腹の中に溜まっていくような感覚がありまして……胸とお腹と子宮がアンジェリカの聖氣でパンパンですわ。


「ん、ちゅっ…は~…もう、出し過ぎですわ…折角綺麗にしてあげましたのに」


「申し訳…ありません、でも…確信犯ですよね?」


「ふふ、どうでしょう?」

 この数日でアンジェリカとも冗談が言い合えるくらいの仲になりましたし、ようやく歯を当てる事なく気持ちよくしてあげる事が出来るようになっていて……というのは一旦横に置いておくのですが、スッキリした後に身支度を整えた(わたくし)達はようやくサウサイド地方(南方地域)の行政施設が置かれているベルザの町に到着する事が出来ました。


「です、が…活気はありませんのね」

 夕暮れ時、四方に大きな門が備え付けられている円形の城塞都市は行政都市と言う名に相応しい厳かな佇まいをしていたのですが、周囲に広がる田畑には人がおりませんし、門は固く閉じられ人々が行き交っている様子もなくて……。


「そう、ですね…まだ閉門するような時間帯ではないのですが、魔物に備えているという様子でも…いったいどうしたというのでしょう?」

 なんて首を傾げる事になったのですが、これでは私達が立てていた順序とか段取りとかいうものが狂ってしまいますわ。


(折角時間を潰して来ましたのに…これではイチャイチャしただけになってしまいますわ)

 当初の予定ではバタバタする夕暮れ時の駆け込み城門を狙ったのですが、門扉が閉まっていたら上手く潜り込めるかどうか以前の問題で……。


(いえまあ、アレはアレで良かったから…ではなくてですね)

 とにかくよくわからない自己嫌悪とか性の乱れが気になり下っ腹がキュンとしてしまったのですが、モンモンとしながら城塞都市に近づいてみても見張りらしい見張りがおりませんし、そうこうしている内に日が暮れて来てしまいました。


「私の暗視能力(神躯の視力強化)だと城壁の上に見張りがいないように見えるのですが…アンジェリカの方はどうですの?」

 これで無人だったら魔物か何かに滅ぼされてしまったと思ってしまうのですが、暗くなったら要所要所に篝火か何か(魔導灯)が焚かれていて……人の気配はありますのよね。


「監視塔には人が居るようですが…城壁の上で警戒している兵はいないですね…不用心な」

 アンジェリカの呟きは聖騎士という役職を頂いている事からくる一種の呆れにも似た感情だったのですが、これだけ手薄なら思い悩む必要がなかったのかもしれません。


「この場合はコッソリ作戦の方を実施…で、よいのですよね?」


「はい、状況が不明過ぎて…何が起きているかというのは調べておいた方が良いかと」

 厳重すぎたらノルニスの遺跡に直行する予定だったのですが、これくらいの警備と城壁なら神躯の力を使えばひとっ跳びですし……。


「バレたら面倒なので神躯の力は極力使用しないように…アリシアの場合は羽を出さなければ大丈夫だと思いますが、見張りの兵士を適当にやり過ごして侵入する事にしましょう」

 なんていう打ち合わせが始まったのですが、城門が閉じていたら余所者(侵入者)だとバレてしまう可能性が上がっていると思いますし、情報を手に入れたらサッサと撤収する事を念頭に入れて行動しなければいけないのかもしれません。


「わかりました、バレそうになったら即時撤退…ですわね」

 因みにベルザの構造は3階建ての庁舎()が真ん中にあって、帝国から見て辺境側になる南側には騎士団の宿舎や鍛冶場のような軍事施設が、北側には住宅街が広がり東西方向には商業施設が並んでいるのだそうです。


 なので紛れ込む場合は食料搬入口も兼ねている人通りの多い西門からと決めていましたし、その辺りだったら夜中でもウロウロしていてもおかしくないような飲食店なんかも軒を連ねていて……こんな状況なので何処から侵入しても目立ってしまうような気がするのですが、騎士団の詰め所(南門側)住宅街の近く(北門側)をうろつくよりかは幾分マシというものですわ。


「では…これを」

 潜入となると旅人を装う必要が無いので背負っていたリュックや偽装用に摘んで来た薬草や山菜をアンジェリカに預けて隠密用のフード付きのマントで私の美貌を隠す事となりまして……自分で荷物を仕舞えたらよかったのですが、まだまだ収納魔法には慣れておりませんのよね。


「準備OKですわ」

 インペールやエッチなウエディングドレスとかいう聖氣への適応能力が高い物は収納しやすいのですが、ごくごく普通の日常品というのは収納しづらくて……この辺りは集中力や慣れが必要なので要修練なのだそうです。


 因みに収納魔法を極めたら仕舞っておいた服や鎧の早着替えなんていう芸当もできるのですが、取り出す座標がズレたら大変な事になりますし……いえまあ肉体の方が魔法力学的な強靭さがあるので服の方が(ごくごく普通の物なら)破れたりするのですが、肉体が無事でも全裸になってしまうデメリットが付きまとうのでは危険が大きすぎますわ。


 なので防具の装着に関しては取り出してから着替えるのが主流のようで……アンジェリカですらそうしているので手間暇を惜しまない方がいいのかもしれません。


 とかいう事を考えていたら日が出ている内に目星をつけていた西門近くの城壁に到着していたのですが、本当に見張りがおりませんのよね。


(人の気配がありますし、ここまで近づいたら微かに騒ぎ声も聞こえるような…?気がするのですが、いったいどうしたというのでしょう)

 なんて事を考えておりますと、アンジェリカが私に対して背を向けながらしゃがみ込みまして……自然な動作でおぶられ密着しているとアンジェリカの匂いがしてきますし、ついついピンク色の髪の毛に顔を埋めてしまいました。


「くすぐったいので頬ずりをするのは…それとあまり嗅がないでください、汗臭いですよ?」


「あら、私はアンジェリカの匂いが好きよ?それに…折角抜いて来たのが無駄になってしまいましたね」


「だから、そうやって揶揄うのは…もう、行きますよ!」

 なんて胸を押し付けていると赤くなってしまうアンジェリカが可愛かったのですが、やや語気を荒めながらも私をおぶったまま城壁の凹凸を捉えてスルスルと登って行き……たぶん魔物対策の為に高く作られているのでしょう、20メートル近い城壁を登り切ると見回りの兵士がやって来る前に反対側に抜けて行くのですが……拍子抜けするほど簡単に入り込む事が出来まして、何事も運用する人の心構えが大事なのだという事を実感していました。


「上手くいきましたね」


「ええ、上手くいきすぎのような気がいたしますが…どうなっておりますの?」

 戦う前に撤退して行った腑抜けな騎士団といいザルすぎる警備の重要都市といい、ザインブルグ帝国がどうなっているのかと首を傾げてしまいたくなってくるのですが……今はそんな事を言っている場合では無いので疑問は飲み込んでおく事にしましょう。


「アリシア…こちらへ」

 私達が侵入した場所は食料か何かを保存しておくような倉庫が立ち並ぶ場所のようで……キョロキョロしていると見回りの兵士か何かがやって来まして、私達は転がっていた木箱の後ろに隠れる事になりました。


(まるでスパイ映画のようでドキドキしますわ)

 そうして足音と話し声が近づいて来ると魔物との戦いとは違う緊張感に呼吸が荒くなるのですが、近くにいるアンジェリカの体温とか息遣いを感じていると落ち着く事ができまして……軽く目配せをしながら手を握ってもらうと恐怖なんていうものが何処かに飛んで行ってしまったような気がしますわ!


「……!*”反乱’&&%が」

 何て奇妙なスリルとアンジェリカの温もりを楽しんでおりますと、反乱軍?がどうとか誰かが離反したみたいな話をしているのが聞こえて来まして……。


「’#=’’$#は…~ったく、反乱軍の奴らのせいでこうして夜回りが増えるし、商人の出入りもねーから俺達下っ端はすっき腹…なのにドゥークーの野郎はブヨブヨと肥え太るって…やってらんねーよな」


「へへ、だから抜け出して酒を浴びるのもしかたねーってか?こうして俺達が美味しい目が出来ているのもドゥークー様々じゃねーか?」


「んなこと言ったらそうなんだけどよ…反乱軍を率いているのはヴォッサム将軍だっていう噂だろ?油断できる相手じゃねーし…あーあ…なんで離反なんてしたんだろうな、ミレーヌ陛下について行けば美味しい目にあえたっていうのに」


「さあな、一兵卒の俺達とは考えが違うんだろうよ…噂ではミレーヌ陛下に振られた腹いせっていう話もあるぜ?」


「あの将軍が?考えられないが…つーか、出て行ったっていうとファティエラから帰って来た奴らの処遇は聞いたか?炭鉱送りはマシな方で魔物の餌になった奴らもいるんだってよ、なんでも宰相閣下が飼いならしていたヒュドラまで失ったっていうんだからな」


「ハハッ、何が俺達だけでもファティエラは落とせる…だ、おめおめと逃げ帰って来た腰抜けが」

 なんていう会話をしながら赤ら顔の兵士達が千鳥足で通りすぎて行ったのですが、どうやら私達が潜んでいる事には気が付かなかったようで……私達はお互いの顔を見合わせてから頷き合いました。


「当たりのようですね…まさかヴォッサム将軍まで離反していたなんて」


「有名な…方ですの?」


「ええ、たぶん…帝国騎士の中で一番有名な方かと」

 個々の名前については落ち着いた時に聞いてみないとよくわからないのですが、ヴァルド・ヴォッサム将軍は帝国軍をまとめ上げていた人物で、ミレーヌ陛下の右腕とも呼ばれていた騎士なのだそうです。


 そんな人まで帝国を見限っていたという事実に驚きを隠せていないアンジェリカがフラフラと歩いて行った兵士達を視線で追っていたのですが……とにかくベルザの城門が閉じているのはヴォッサム将軍が率いる反乱軍が活動しているのが原因のようですし、血気盛んなやる気だけが満ち溢れている人達が処刑された後に残っているのが不真面目な酔っ払いばかりとなると今すぐ行動を起こすというのも難しいのかもしれません。


「潜入早々理由がわかってしまったのですが…どう、しましょう?出来たらもう少し口を滑らせてくれるのを期待して追いかけたいと思うのですが」

 反乱軍が活動している割りには異様に見張りの数が少なかった事も気になりますし、何かしら追加情報が欲しいところなのですが……いくらへっぽこな兵士といっても尾行をするとなったら危険が伴いますし、視線で「どうしますか?」と問われた私は闇夜でもわかりやすいように力強く頷きました。


「毒を食らわば皿まで…ですわ、最悪の場合は飛んで逃げれば良いだけですし…追いかけますわよ」

 そういう訳で酔っぱらいの帝国兵を追いかける事になったのですが、彼らはフラフラとした足取りで一件のお店……酒場でしょうか?酔声やガヤガヤとした気配が店内から聞こえてくるのですが、ここ数日で少しは免疫のついたタイプの嬌声も響いておりまして……。


「アシリア」

 だからなのか、その事に気が付いたアンジェリカに止められてしまったのですが……神躯で強化された私の知覚には奇妙な触手で拘束された女性達とそんな女性達とまぐわい乱暴を働いているザインブルグ帝国の兵士達の姿が見えてしまいました。

※高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に潜入中、薬草や山菜を摘んでいたのは薬草売りの巡礼者を名乗る予定でした。

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