第三十三話 再度の渡米
マイクがアメリカに戻り、少しの日数が過ぎた。
学校も期末試験が終わって、愛斗達もホッとしていたころだった。
麗花、美香、詩織の三人は、試験が終わって、愛斗の席に集まっていた。
「やっと、期末試験が終わったね。皆んな、試験はどうだったの」と美香が話した。
「まぁまぁね」と麗花は言った。
「私も同じよ」と詩織が話した。
「現国がやばいかも」と愛斗が話すと麗花は「愛くん、現国が苦手だからね」と言った。
「ねぇ、気を取り直して公園のクレープを食べに行こうよ」と美香が言った。
「そうねぇ、行こうよ」と皆んなも返事をして、四人は学校を出て公園に向かった。
公園に行くと、いつものクレープ屋があった。
四人は、クレープを買ってクレープ屋が用意している席に座った。
四人は、試験の話しをした後、美香が愛斗に聞いた。
「愛くん、いつ、アメリカに帰るの」と聞いた。
「えっ、愛くん、アメリカに帰るの」と詩織が驚きながら聞いた。
「うん、来週にはアメリカに戻るんだ」
「えー、本当なの。学校はやめてしまうの」と詩織が聞いた。
「学校は、留学扱いにしてくれるから帰ってきたら復学できるように校長先生が配慮してくれた」
「はー、良かったね。それで、いつ帰ってくるの」
「一年ぐらい先かな。だから、三年生になったときぐらいかな」
「そう、麗花も寂しくなるね」と詩織が言うと麗花は、「寂しい、だけど、我慢するわ」と答えた。
「ねぇ、愛くんがアメリカに行く前に、この四人で何処か行こうよ」と美香が話した。
「そうね。それもいいわね」と詩織と麗花が言った。
「そうでしょう。愛くんの門出を祝って、なんてね」と美香が言うと詩織と麗花も「さんせー」と言った。
「皆んな、ありがとう。僕、皆んなと会えて本当に良かったよ」と愛斗が話した。
「明日から試験休みだし、明日でもいいよ」と美香が言ったが結局、四人で話し合って三日後に遊園地へ行くことなった。
四人は、クレープを食べ終わると公園を出て家に帰ったのだった。
三日後、遊園地に行く日になった。麗花は朝早く起きて、お弁当を作っていた。
お弁当を作り終えると遊園地に行く準備をして、愛斗の家に向かった。
「愛くん、起きている」と麗花が大声で愛斗を呼ぶと愛斗は、洗面所で顔を洗っていた。
顔を洗ってから、「起きているよ」と愛斗は返事をした。
「あら、珍しい。愛くん、顔を洗っていたんだ」
「うん、もう少し、待っていて」と愛斗は言って、出かける用意をした。
「麗花ちゃん、お待たせ」
「うん、じゃあ、出かけましょ」と麗花は言って愛斗と一緒に家を出た。
「麗花ちゃん、美香ちゃんと詩織ちゃんは、何処で待ち合わせなの」と愛斗が聞いた。
「美香と詩織は、遊園地の前で待ち合わせしているよ」
「了解」と愛斗は答えた。
愛斗と麗花は、電車に乗り遊園地の前までくると美香と詩織が待っていた。
「おはよう、麗花、愛くん」と美香と詩織が声をかけた。
「おはよう、美香、詩織」と麗花も挨拶した。「おはよう」と愛斗も挨拶をした。
四人は、遊園地に入り、荷物はコインロッカーに入れた。その後、アトラクションは何から乗るか話し合っていた。
「やっぱり、最初は、ジェットコースターでしょう」と美香が言ったので、四人はジェットコースターに乗った。
ジェットコースターは、高速で一回転するものだった。
乗ったあと、愛斗は「うー、気持ち悪い」と言ってベンチに座っていた。
麗花と詩織も、「本当、気持ち悪い」と話した。元気なのは、美香だけであった。
「皆んな、大丈夫。次は、何に乗る」と美香が聞くと三人は、「美香は元気ね。なんでもいいよ」と麗花が答えた。
「じゃあ、次は迷路ハウスに行こうよ」と美香が言った。
「面白そうね」と詩織が言って、四人が迷路ハウスに行った。
迷路ハウスは、いわゆる幽霊屋敷だった。迷路を主体とした幽霊屋敷だった。
四人は、並んだあと迷路ハウスに入った。最初は、暗闇の状態で何もなかった。
四人は、前に進んでいると、いきなり目の前に大きなドラキュラが3D映像で現れた。
いきなり現れたので、女子三人は驚いて愛斗にしがみついた。
麗花は、後ろから愛斗に抱きついた。
美香は、愛斗の左手腕、詩織は、愛斗の右腕にしがみついたのだった。
愛斗は驚きながら「よく、できているな」と思っていた。少し立ち止まったあと前に進んでいった。
次から次へと幽霊が3D映像で現れたりした。迷路だったので、なかなか出れずにいた。
散々、幽霊に遭い、迷った挙句、やっと出れたのだった。
女子三人は、ずっと愛斗にしがみついたままゲッソリしていた。
「皆んな、やっと、出れたよ」と愛斗が話すと三人は沈黙した状態だった。
愛斗は、三人の胸が当たっていたので、「やわらかくて、気持ちがいいな」とも感じていた。
三人は愛斗から離れると麗花が言った。
「あー、愛くん、私達に抱きつかれて、気持ちがいいと思ったでしょう」とやきもち気味に言った、
「ごめん、麗花ちゃん」
「まぁ、いいわ」と麗花が言うと「愛くん、両手に花というよりトリプルの花ね」と詩織が話した。
「ははは、そうだね」と愛斗も話した。
「まぁ、いいわ、今日は、許してあげる」と麗花は話した。「役得だよね」と詩織も話した。
そろそろ、お昼の時間になったのでコインロッカーに入れた荷物を取りに行った。
四人は、芝生のある広場に行っって、麗花と詩織は、お弁当を広げた。
「美味しそうね、麗花も詩織も、手作りなの」と美香が聞いた。
二人は、「そうよ」と答えた。
麗花のお弁当は、いなり寿司、卵焼きなど入った和風のお弁当だった。
詩織は、たまごサンドとかフルーツサンドとか色々なサンドイッチだった。
美香は、麗花がお弁当を持ってくると聞いていたため、何も持ってこなかったのだった。
四人は、楽しく話しながらお弁当を美味しいと言いながら昼食をとったのだった。
そして、お弁当を食べ終わると少し、ゆっくりしていた。
「なんか、今日は気持ちが、いいな」と愛斗が言うと女子三人も「気持ちがいいね」と言った。
今日は、快晴で春を思わせる暖かい日だったからだ。
麗花は、愛斗を見ながら話した。
「愛くん、少し、横になる。膝枕してあげようか」と言った。
「ふふふ、私達もしてあげようか」と詩織と美香が冗談混じりで言った。
「うー、やっぱ、麗花ちゃんがいいかな」と愛斗は答えた。
「やっぱりね」と詩織と美香は答えた。
「本当、気持ちがいいね」と三人は話し、美香と詩織は寝転んだ。
麗花は、「はい」と膝を出して、愛斗は、麗花の膝に頭を乗せて膝枕にしたのだった。
ゆっくりしたあと、四人は、再度、アトラクションを乗りに行った。
いくつかアトラクションを乗っていたので、夕方になった。そして、最後は観覧車に四人で乗ったのだった。
「今日は、楽しかったね」と麗花が話した。
美香も詩織も、「楽しかったね」と話した。
詩織は、少し間をおいてから話しだした。
「正直ね、麗花、あなたが、羨ましい。愛くんと幸せにね」と言った。
「ありがとう。詩織。そして、ごめんね。愛くんを貰ってしまって」
「いいの。麗花は大切な親友よ。私も、ステキな彼氏を見つけるわ」と詩織が話した。
「ありがとう。詩織」と麗花は答えた。
「愛くん、麗花を泣かしたら、許さないからね」
「うん。わかった」と愛斗が言った。
「本当よ、私の親友でもあるのだから、麗花を泣かしたら許さないからね」と美香も言った。
「はい」と愛斗が答えると女子三人は大笑いをした。
「皆んな、今日はありがとう。凄くいい思い出ができたよ。この思いを心に刻んで、アメリカで頑張れるよ」と愛斗は三人にお礼を言った。
観覧車が乗り終わると四人は遊園地を後にして帰って行ったのだった。
そして、愛斗とアンナがアメリカに戻る前日になった。
今日は、マイクのときと同じく、麗花の家で愛斗の前途を祈って食事会をやることになっていた。
食事会は、手巻き寿しパーティーだった。
愛斗とアンナは麗花の家に訪れていた。食事をしながら家族団らんという感じだった。
「愛くん、頑張ってね。それで、早く、日本に戻ってきてね」と麗花の母梨沙が言った。
「はい。なるべく早く、麗花ちゃんのところに戻ってきます」
「あら、日本ではなく、麗花のところなのね」と梨沙が言うと皆んな笑っていた。
「アンナさんも、私達の家族よ。また、日本に戻ってきてね」と梨沙が言った。
「はい、ありがとうございます」とアンナが言った。
「愛くん、頑張ってね。アンナさんも」と愛夏も言った。
「はい」と二人は答えた。
「愛斗、おまえは、私達の息子だ。頑張れよ。アンナさんも私達の家族だ」と麗花の父和人も言った。
「はい、本当に今日はありがとう。お父さん、お母さん、そして、お姉ちゃん」と愛斗は言った。
「はい、ありがとうございます」とアンナも言った。
そして、愛斗は麗花のほうを見た。
「麗花ちゃん、これ、僕の代わりじゃないけど」と言って、犬型AIロボットを渡した。
「まぁ、可愛い。なんとなく、愛くんに似ているな」と麗花が言うと「本当ですか、ありがとう」と犬型AIロボットが話した。
周りは、吃驚して大笑いしたのだった。
楽しい食事会も終わり、愛斗とアンナは麗花の家をあとにした。
アンナは、先に家の中へ入った。愛斗と麗花は、立ち止まってそのまま玄関にいた。
「愛くん。お休み、また明日ね。見送りに行くからね」
「うん、麗花ちゃん、また明日ね」と愛斗が言うと麗花は愛斗に抱きつきキスをした。別れを惜しむように長いキスをしたのだった。
二人が離れたあと、「お休み」と言って愛斗は家に入った。
次の日、愛斗が出発する日になった。愛斗とアンナ、麗花の三人は空港に来ていた。
「麗花ちゃん、元気でね」とアンナが言った。
「はい。アンナさんも元気で。また、日本に来てくださいね」
「また、来ます。麗花ちゃんは私の妹同然よ」とアンナもお礼を言った。
「じゃあ、麗花ちゃん、早く、次世代AIチップを完成させて戻ってくるよ」と愛斗が言った。
「うん。愛くん。待っているよ。早く、私のところに帰ってきてね」
「うん。頑張るよ」と愛斗は返事をした。
愛斗とアンナが搭乗ゲートに行くと三人はお互い手を振った。
愛斗とアンナは、アメリカに出発したのだった。




