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AIオタクは恋をする  作者: 寺田ゆきひろ
最終章 次世代AIチップ
34/34

最終話 ずっと、いつまでも

 愛斗が渡米してから三ヶ月が過ぎた。愛斗と麗花は、毎日のようにメールでのやり取りをしていた。

 もう、梅雨も明ける頃であった。

 麗花は、美香、詩織と楽しく過ごしていたが三人とも、愛斗がいないことで胸に穴が空いた感じだった。


 クラスの男子は、愛斗がいないことで邪魔な奴がいないことを理由に麗花と詩織にアプローチをかけていていた。

 麗花と詩織は、何人もの男子から告白されていたが、二人とも「好きな人がいるから付き合えません」とキッパリ、全て断っていたのだった。


 そして、夏が過ぎ、紅葉が出始めた頃、いつものように麗花、美香、詩織の三人は、学校が終わって一緒に帰っていた。

 いつもの公園にあるクレープ屋さんに寄ろうと話しになった。

 それで、クレープを三人で食べていた。

「早いね。もう、秋だね。麗花、それで、愛くんは、来年、帰ってくるの」と美香ぎ聞いた。

「帰ってくるという話は、出ていないの」

「本当に帰ってくるのかな」と詩織が言った。

 三人は、「はぁー」とため息をついたのだった。


 その頃、愛斗は会社にある自分のオフィスで悩んでいた。

 データ量が多すぎて性能が著しく遅かったのだ。処理性能が追いつかずチップが休む暇なく動いているため、熱暴走して止まってしまう問題を抱えていたのだった。


 次世代AIチップは、二つのコアで動かしているが、それでも追いつかなかった。

 愛斗は、「コアを増やせば、一個当たりのコストが高くなる。それだけ、利益が減ってしまう。開発コストも、かさむ」と会社経営的なことも考えていた。


「アイトー、何を悩んでいるんだ」とマイクが声をかけた。

「色々とね」

「お前の考えていることは、わかるよ。お前は、エンジニアでもあり、CEOだからな。だけど、お前は、どうしたいんだ」とマイクが聞くと愛斗は黙ってしまった。

「なぁ、アイトー、初心に戻って考えてみろよ。AIチップを一緒に開発したときのことを」

「初心?」

「そうだ、それに、今は仲間がいる。お前の判断に皆んなはついてくるよ」とマイクは話した。

 愛斗は、AIチップを開発したときのことを思い出して考えた。

「マイク、そうだよね。僕達は、エンジニアだ。マイク、皆んなを集めてもらってもいい」

「わかったよ。アイトー」とマイクは答えて、アイトーの部屋から出た。


「皆んな、集まってくれ、アイトーが話す」とマイクは、二百人ものエンジニアスタッフを集めた。

 アイトーは、皆んなに話した。

「皆んな、聞いてほしい。今、二つのコアで動かしているけど、コアを四つにする。コストについては、考えなくてもいい。この革新的な技術を完成させよう。開発の見直しが必要だから、開発期間も延びるのは仕方がない。頑張ってほしい」と話した。

 皆んなは、「がんばろうー」と掛け声が上がったのだった。


 その後、愛斗は麗花に電話した。

「麗花ちゃん」

「愛くん、久しぶりだね。話しをするの。元気だった?」

「うん、元気だよ」

「どうしたの」

「話しがあるんだ。開発が遅れていて、まだ帰れそうもないんだ。あと、一年ぐらい」

「えー、そうなの」と麗花はガッカリした。

「あと、早く終わらすため、仕事に集中したいんだ。だから、なかなか連絡も取りづらくなると思う」

 麗花は、少し沈黙してから答えた。

「わかったわ、頑張って愛くん」と麗花は言って、久しぶりに二人は、長時間、会話したのだった。


 次の日、麗花は美香と詩織に愛斗のことを話した。

 美香も、詩織も、残念がっていたのだった。

 愛斗との連絡も、途切れ途切れになってきたのだった。


 夏休みに入り、麗花は元気がなかった。

 母梨沙と姉愛夏は、麗花が元気がないこと心配していたのだった。

 梨沙と愛夏は、話し合ってから麗花をリビングに呼び出した。


「麗花、この夏休みの間、愛くんのところに行っきなさい。飛行機代は、お姉ちゃんと出すから」と梨沙が話した。

「でも、お金が結構、かかるよ」

「いいわよ。行ってきなよ」と愛夏も話した。

 麗花は、少し考えてから答えた。

「うん、行ってくる。ありがとう。お母さん、お姉ちゃん」と涙を浮かべながらお礼を言った。


 麗花は、早速、アメリカの愛斗に電話したが、なかなか電話に出なかった。

 何回か電話すると愛斗の妹花蓮が出た。

「あっ、愛くん」

「あれ、あっ、もしかして、麗花ちゃん」

「はい。麗花にです」

「久しぶり。麗花お姉ちゃん」

「久しぶり、花蓮ちゃん。愛くんは」

「お兄ちゃんね。携帯を家に置いたまま、しばらく帰って来ないのよ。仕事が忙しいみたいで」

「そうなの」

「うん、お姉ちゃん、どうしたの」

「私、愛くんに会いたいの。だから、そっちに行こうと思っているの」

「本当、是非、来て、マミーも喜ぶよ。お姉ちゃんは、気に入られているから」

「本当、嬉しい。予定が決まったら、連絡するね」と言って、電話を切った。


 麗花は、飛行機の予約をして予定が決まったら、電話を入れた。

 電話は、花蓮が受けて、マミーに伝えたのだった。

 三日後、麗花はアメリカに向かったのだった。


 そして、アメリカに着いた麗花は、周りを見て花蓮ちゃんを探していた。

 すると後ろから「麗花ちゃん」と声が聞こえてきた。

 麗花は振り向いて、「あっ、花蓮ちゃん」と叫んだ。

 花蓮は、駆け足で麗花のところに来た。


「麗花ちゃん、久しぶりね」

「本当、花蓮ちゃん、久しぶりね」

「さぁ、行こう。アンナが車で待っているから」と花蓮は話して、アンナがいるところまで案内した。


 車のところまで行くとアンナが待っていた。

「麗花ちゃん、久しぶりね」とアンナが話した。

「アンナさん、久しぶりです」

「再会できて、嬉しいわ」

「私もです」と麗花は話し、車に乗った。


「麗花ちゃん、これから愛斗の実家に行くけど、愛斗は、いないのよ」

「えっ、愛くん、いないのですか」

「そうよ、ここ、しばらく帰って来ないのよ」

「いつ、帰ってくるの」

「わからないの、連絡も取れなくて、携帯は、自分の部屋に忘れているしね」

「そうだったんですか、だから、連絡取れないのね」

「そうよ」

「じゃあ、連絡を待つか帰ってくるのを待っているしかなさそうですね」

「そうよ、何、やっているんだか、マイクも一緒に」とアンナも怒っていた。


 しばらく、三人で話しをして楽しんでいると愛斗の実家に着いた。

「凄い、大きな家」と麗花は吃驚していた。

 家というより、大きな屋敷だった。庭というより、森を抜けて屋敷がある感じの実家だった。


「さぁ、入って、麗花ちゃん」と花蓮が家に入ると紫乃が出迎えた。

「麗花ちゃん、元気だった」と紫乃がハグしてきた。

「はい、お母様」と麗花も返事をした。

「さぁ、入って、マイケル、麗花ちゃんよ」

「麗花ちゃん、とても、チャーミングだね。愛斗には、勿体ないよ。宜しく」とマイケルが言った。

「はい、お父様」

「紫乃、お父様だって」

「ハイハイ」と紫乃は言った。


「麗花ちゃん、ごめんね。愛斗、帰ってこないのよ」

「アンナさんから聞きました」

「まったく、なに、やっているんだか」と紫乃も怒っていた。

「仕方がないですね」

「仕方がないわけないわよ、可愛いお嫁さんをほっといて」

「まだ、お嫁さんには、なっていないんですけど」

「もう、麗花ちゃんは、うちのお嫁さんよ。私達の娘よ」

「ははは、ありがとうございます。お母様」と麗花が言った。

 麗花は、愛斗の家族に大歓迎を受けてたのだった。


 その後、麗花は、アンナと花蓮の案内で街並みを散歩したり、観光したりして一週間、過ごした。

 しかし、愛斗は帰って来なかった。


 そして、また、一週間が過ぎてしまった。

 麗花は、この二週間、色々なところに連れて行ってもらって退屈にはならなかったが愛斗に会えないことで寂しく思っていた。


 しかし、ついに、麗花が帰る前日の朝になってしまった。

 麗花、花蓮、紫乃は、リビングで朝食をとっていた。

「あの馬鹿、なにやっているだろうね」と花蓮は話していた。

「本当よ」と紫乃も話していた。

 紫乃と花蓮は、「ごめんね。麗花ちゃん」と謝っていた。

「いいの。お母様も花蓮ちゃんも悪いわけではないし」と言った途端にひょこり、愛斗が帰ってきた。


 愛斗は、注目を浴びていた。

「おはよう、皆んな」と愛斗が挨拶すると皆んな怒り出した。

「愛斗、あんた、なにやっているのよ」と紫乃が怒鳴った。

「お兄ちゃん、連絡ぐらいしなよ。この馬鹿っ」と花蓮が怒った。

 麗花は、黙ってなにも出来ずにいたのだった。


「なんで、皆んな怒っているの。あれぇ、麗花ちゃん。なんでいるの」と愛斗は、麗花がいることにびっくりした。

「なんでじゃないわよ。連絡もしないで」と麗花が怒った。

「麗花ちゃん、もっと、怒っていいわよ」と花蓮が言った。


 三人で話している間に紫乃は、呆れて別のことを始めた。

 携帯で、あっち、こっちに電話をしていて忙しそうにしていた。


 電話が終わると紫乃は、麗花に声を掛けた。

「麗花ちゃん、ちょっと、私の部屋に来て」

「はい、お母様」と麗花は答え、紫乃の部屋に入った。紫乃の部屋には、ウェディングドレスが飾ってあった。


 ドレスを見て麗花は、「綺麗なドレス」と声を出した。

「麗花ちゃん、これはね。私のウェディングドレスなの。急だけど、暫定、結婚式をしましょ。教会には、言ってあるから」

「えー」と麗花はびっくりした。

「麗花ちゃん、私と背丈は同じぐらいだし、着れると思うのよね。ただ、麗花ちゃん、胸が大きいから胸がキツいかもしれないわね」

「本当にいいんですか」

「いいわよ。それで、日本に帰ったら正式に結婚式をしなさい」と紫乃は言った。

「ありがとうございます。お母様、とても嬉しいです」と麗花は答えた。

 紫乃は、お手伝いさんを呼んで、準備をさせたのだった。

 愛斗のスーツは、紫乃がレンタル屋に電話して頼んでいたのだった。


「愛斗、花蓮、出かけるわよ」と声を掛けた。

「何処へ」と愛斗、花蓮は聞いた。

「これから、愛斗と麗花ちゃんの暫定の結婚式をするのよ」

「えー」と二人は言った。

 教会の方は、アンナとマイケルが先に行って準備をしていたのだった。


 四人は、レンタル屋さんに向かい、お手伝いさん達は、ウェディングドレスを教会に運んで行ったのだった。


 愛斗達が教会に着くと、何人かのスタッフとマイケル、マイク、アンナが待っていた。

 麗花は、更衣室に案内され、ウェディングドレスを着せてもらい、メイクもしてもらった。

 愛斗も、強制的に着替えさせられたのだった。


 そして、結婚式が始まった。

 神父さんが立ち会い、二人は夫婦の誓いをしたのだった。

 指輪交換は、本番の結婚式で行うことにして、愛斗と麗花は、誓いのキスをした。

 殆ど身内だけだが、皆んなからは、祝福されて拍手された。

 暫定結婚式が終わった後、紫乃、マイケル、アンナ、マイク、愛斗、麗花、花蓮は、楽しい食事をしてから家に帰った。


 愛斗と麗花は、愛斗の部屋で一緒にいた。

「麗花ちゃん、連絡できなくてごめんね。携帯を忘れて、会社からも帰って来れなくて」

「もう、いいよ、だけど、今後は気をつけてね」

「うん、あと、仕事も目処がついたんだ。年末には、次世代AIチップの発表ができるよ。その後、日本に帰れるからね」

「ほんと」

「うん、ハイスクールも全ての単位をクリアしているから帰ったら成績表を学校に渡せば、復帰できるよ」

「ほんとに、ほんと」

「うん、だから、高校卒業も一緒にできるよ」

「嬉しい。愛くん」

「麗花ちゃん、日本に帰ったら正式に結婚しよう。結婚指輪も用意するから」と愛斗が言うと麗花は、「はい。末永くお願いします。あなた」と答えた。

 愛斗と麗花は、お互い見つめ合い長いキスをした。

 キスから離れると愛斗は言った。

「麗花ちゃん、愛しているよ」

「私も、愛くんが大好きだよ」と答えた。

 そして、二人は一夜を共にして結ばれたのだった。


 次の日、家族揃って空港に来ていた。

「麗花ちゃん、またね」と紫乃と花蓮が言った。

「ありがとうございます。お母様、花蓮ちゃん、お世話になりました」

「結婚式には、行くからね」と紫乃が言った。

「私も、行くよ。お姉ちゃん」と花蓮も言った。

「ありがとう。是非、来てね」

「愛くん、待っているから」

「必ず、帰るよ」と愛斗が答えると麗花は、手を振って帰って行った。


 日本に帰って来た麗花は、家族に来年、愛斗と結婚したいということを話した。

 両親は、喜んでいたのだった。その後、母梨沙と紫乃が連絡を取り合って結婚式の準備を始めていたのだった。

 夏休みも終わり、学校も始まった。

 麗花は、美香と詩織にも愛斗とのことを話した。

 二人は、「良かったね」と一緒に喜んでくれた。


 秋が過ぎ、クリスマスソングが街並みで流れる季節となった。

 そして、アメリカのエイアイケー本社で新製品の発表があった。

 革新的な技術による新製品で、世界的に話題となっていた。

 製品発表は、愛斗とマイクが直々に発表したため、大騒ぎになっていた。

 新製品の発表は、大成功となったのだ。

 

 年末に近づき、クリスマス前になっていた頃、愛斗から連絡があった。

「麗花ちゃん、明日、日本に帰るよ」

「えー、急だね。いつ、帰ってくるのか心配していたの」

「ごめん、日本に帰ることがバレると大騒ぎになるから、お忍びで日本に帰るんだ。バレないようにするため、急に帰ることにしたんだ」と愛斗は話した。

「仕方がないよね。あなたは、有名人だもの」と麗花は話した。


 そして、次の日、愛斗が日本に到着するころ、麗花と愛夏は、空港に迎えに来ていた。

 しばらく待っていると到着ゲートから愛斗とアンナが出てきた。

「愛くん、アンナさん」と麗花が大声で叫んだ。

 麗花と愛夏は、合流してお互い、「久しぶりね」と言い合った。


 四人は、自宅に帰り、麗花の家では歓迎パーティーが始まった。

 麗花は、美香と詩織も呼んで、楽しんだのだった。

 その後、クリスマス会、誕生日会をやって年末が過ぎた。


 年も明けて正月となった。愛斗とアンナは、麗花の家に行き、年明けの挨拶をしていた。

 そのとき、母梨沙から爆弾発言があった。

「麗花、愛くん、実は、麗花の誕生日、あなた達の結婚式を身内でやろうと思っているのよ」

「えー」と愛斗と麗花は声を出した。


「麗花、前から言っていたじゃない。自分の誕生日に結婚したいなって」

「でも、色々と準備が必要じゃあ」

「それなら、大丈夫。アンナさんが準備していたから、それに、紫乃さん達も明日、来日するそうよ」

「えー」と二人はびっくりしていた。


「はい、これ、婚姻届よ。もう、結婚できる歳になったんだから、誕生日の日に出しなさい」

「準備がよすぎる」と愛斗が言った。

「あと、紫乃さんが言っていたけど、愛くんが頼んでいたエンゲージリングも持ってくるそうよ」

「準備万端なんだね」と愛斗は驚きだった。


 翌日、紫乃、マイケル、マイク、花蓮が来日して、麗花の家に来ていた。

 紫乃達は、挨拶をすませて雑談をしていた。


 そして、結婚式の日がきた。

 朝、二人は婚姻届を出して正式に夫婦となった。

 そして、午後、二人の結婚式が始まった。


 身内の他、麗花の親友である美香、詩織も招待した。それと、美香の父俊介も来ていた。

 皆んな、麗花のウェディングドレスを見て、「きれいねぇ」「可愛いお嫁さんだ」と話していた。


 教会で、夫婦になる誓いを行い、二人は見つめ合いキスをしたのだった。

 皆んなからは、「おめでとう」と拍手と歓声の声が聞こえた。


「愛くん、なんか、もう一度、結婚式をやるのって、不思議ね」

「そうだね。麗花ちゃん、愛しているよ。絶対、幸せにするからね」

「うん、私も、あなたを幸せにするからね。末永く宜しくね」と麗花も話した。

「ずっと、いつまでも」と二人は誓いあったのだった。


 二人は、高校卒業を前に結婚したのだった。

 新学期も始まり、卒業までの間は夫婦になったことは内緒にして、二人は普通に学校に通った。

 二人は、学校卒業までの間、残りの高校生活をエンジョイするのであった。



 これで、この物語はおわります。

 初めて、ラブコメを書き下ろしました。

 一応、最後まで書けて良かったと思います。


 今まで、読んでくれた方、ブックマークしてくれた方、評価してくれた方、大変、ありがとうございます。


 なかなか、うまく、書けなかったなと思うところもあります。

 次の物語は、もう少し、うまく書きたいとも思います。

 次作を投稿したときは、是非、読んでみてください。

 また、お会いしたいと思います。

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