三年生-1
三年生になった。
最近の出来事といえば、居残り部屋の実質的な私物化に成功した。
ただでさえ人の来ない旧校舎に生徒が入り浸っているので管理職のベーコン先生に毎回鍵渡すのめんどいからお前らが持っとけと言われ、旧校舎の鍵をありがたく頂戴したのだった。
人間関係も変わってきた。
最初は話しかけることすら出来る雰囲気ではなかったが、年数が経つとともに学校内の生徒と少しばかり気安く話せるようになっていった。本当に少しばかり。相変わらず差別はされるが、精神がたくましくなった我々平民の生徒は、舌打ちをされようが服装を笑われようが図太く対応できるようになった。
三年生になると実習なども増える。
私たちは地方実習の季節を迎えていた。
この国の経済を回してくれている環境に身を置き、私たちも将来こうやって国を支えるのだ。という自覚を促す行事である。
貴族の生徒は騎士団や王宮魔術師の元へ行くそうだ。なんか煌びやかな響きでいいなぁと思った。
平民の生徒たちは一つの教室に集まって、どこへ実習しに行くか決めているところだ。
行く先は鉱山か市場か商家か、割と色々あるようだ。
「行くならどこがいい?」
「宝石見てみたいから鉱山かなあ」
鉱山は鉱山でも三つ選択肢がある。
どの場所になるかはくじで決まるので、多分この学年で一番の強運を持っているリリーがくじを引きに行った。
「ラズベリーは……シリウス鉱山だな」
リリーの引いた紙を見た先生が黒板のシリウス鉱山と書かれた文字の下にラズベリー班と書いた。
「シリウス鉱山ってどんなところなのかしらね」
席に戻ってきたリリーが尋ねる。それは私たちもわからない。
みんなどんどんくじを引いて実習場所が決まっていく。
実習は四人から六人で行うため、私たちはどこか他の班とくっつかなければならない。
事前学習もするから真面目な子たちと組みたいな。
それは後日に発表されることとなった。
三日後、私たちは掲示板の前で固まることとなる。
運命の悪戯か、私たちと同じ班に指名されたのは、フランメ・リュミヌーとリンダ・クオーレだった。




