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第六章 (2)

植物を率いるリーダー サンザムと話に行きます

 ショウタ達は更に森の奥へ歩を進めた。茂みを抜けると開けた広場に変わらずサンザムの巨大な姿があった。絡まり合い高くまで伸びる茎と壮大な菊の花々。この前より根元が太く、頂上も高くなったようにショウタは感じた。

「説得してきます」と言ってエミリーはまたサンザムの根元に近づいた。エミリーがオレンジ色の光を放ちショウタの胸元でペンダントが震えた。エミリーの会話が聞こえた。

「また会いにきたわ」

「エミリーか。セルジュからも話があった」サンザムの声は低くも高くもないバリトンボイスでショウタにもはっきりと聞こえた。

「わしもここにおる」セルジュの野太い声だった。

「爺さんもしつこいな。しかしエミリー。君が皆に愛されていることがよくわかったよ。公園の木や鳥たちが出てくるとは私も想像していなかった」

「街の人々を守りたいのよ」エミリーの高い声が訴えた。

「君の心は広くて澄んでいる」

「人間もそんなに悪いものではないだろう」セルジュがサンザムを諭した。

「いや、澄んだ心を持つ人間などは少ないよ」

「宇宙船のことはわかったわ。私たちは知らなかったの」とエミリーが冷めた声のサンザムに言った。

「濁った、汚れた人が仕組んでいることだからな」サンザムが皮肉たっぷりに答えた。

「サンザム。あなたは日の出の丘の出身だろう。あそこの人々も優しかったのではないのか?」とセルジュが柔らかく言った。

「日の出の丘か…… 懐かしいな。ああ、あそこはいいところだった。大陸の南部に広がった大きな丘陵地帯だった。私の暮らす大きな森は快適だった。母なる地球の胎内にいるような居心地のよさ。山から流れ落ちる川の水は澄み、魚や多くの生命で溢れていた。確かにそこで暮らす人々も優しく我々を傷つけるようなことはしなかった」

「そうさ。人間も悪いものではない」セルジュがサンザムを引き続き諭した。

「しかしもうその快適だった日の出の丘もない。地球の急速な温度上昇でいまやそこに暮らす生命は一部のサボテンや菌類だけだ。他の者は移動したか死に絶えた。地球で暮らせるエリアは狭まってきている。この大地で私たちが暮らせなくなるのも時間の問題だ」サンザムの悲観的な声が響いた。

「あなたたちが宇宙に行きたい気持ちを理解はできるわ。でも衝突しても何も生まれない」エミリーの声は必死だった。

「でもあいつらは我々を乗せる気はない」サンザムは怒りの口調で叫んだ。

「サンザムよ。衝突しても反感を買うだけだ。宇宙船を飛ばすのは人間だ。人間から反感を買ったら宇宙に行くことはできない」セルジュは引き続き説得した。

「ではどうすれば人間は我々を乗せてくれる」とサンザムは訊いた。

「私が説得するわ。私だけでなく仲間の人が協力してくれる。絶対に説得するから衝突するのは止めて」エミリーが力強い口調で答え、懇願した。

「皆に愛され、セルジュに信頼されているエミリー。君がそういうのであれば信じてみよう。1週間、休戦する。その間に交渉してくれ」エミリーの強い意志に遂にサンザムは折れた。


1週間の猶予を得ました

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