炎水と悪魔
新幹線が走りくる。瞬きした一瞬で粉々になる。その瞬間、サカツキの頭に言葉が過った
『サカツキ様もこっちに来て下さい!私と一緒にやり直……せると思います』
ミューフの声だった。サカツキは咄嗟に土で弾きメラアをホームに上げた
「何してんだ?私は」
自分でも体が勝手に動いただけだろう
「サーカーツーキー!!!んふふふふ、見つけた!!!」
アイレンズが無数の機械を連れ現れた。しかしアイレンズは完全に無視されていた
「二号、やっちゃいなさい!!!」
何百もの慈悲二号が襲いかかる。サカツキは地面に触れ、床の形を変えた棘で全てのロボットを破壊した。棘の狙う糸の位置は完璧であり、圧倒的と言うべきだ
「嘘だ!!!こんなはずない!!!私はお前を殺したかったのにさあ!!!勝手にメラアが始めるからキャッツとも組めずにバラバラに向かって死ぬだけっ!!!」
「少し静かにしてろ」
アイレンズを床から棘を無数に出し串刺しにした
『サカツキ、なんか怒ってる。まずい、一旦引いて不意をつかないと』
サカツキはアイレンズを直接手で触る。するとアイレンズは粉々になった。そしてサカツキはメラアの元へ戻る。メラアに触れ、元に戻した
「……あれ?私……そう、サカツキ!って……あれ?体が動く」
「アイレンズ、ナイトメア、キャッツは全員殺した。そんで私の独壇場なわけだ。今から世界征服を始める!」
サカツキはそう言い歩き去っていこうとした瞬間
「待ちなさい!」
メラアが止めた
「世界征服?させるわけないじゃない!私が止めるわ」
「面白い!決戦だ。私を止めれたらお前の勝ち、止めれなければ私の勝ち。簡単なルールだ」
サカツキは不気味に笑う。メラアは真剣な顔でサカツキを睨む
「この場はさよならになる」
サカツキが地を触れ、巨大な壁が立つ。ドームほどのサイズのあるその壁をメラアは見上げることしかできなかった。それから少し経ち、サカツキは会社を立ち上げると宣言をした。そして企業設立パーティーを宣言した。明日に開くと。メラアはそのチラシを目にした
『ここが決戦の場とやらね。ここで倒せと、止めろと言うの……いいわ、やってやる!』
そしてシーサイド、ミューフも同じく会場となる大阪へ向かう。アメリとシーサイドは話し合っていた
「俺は行くぞ。これで最後の一人なんだろ?一度は踏み込んだ戦い。最後くらいは力になってくる」
「待てよフリース。相手はあのアイレンズですら恐れる化け物なんだぞ?そんなの無茶だ」
「無茶をしてこそ男は輝く。お前はマナ……マナと一緒にいてやれ」
翌日となった。パーティー会場は室内でなく、貸切にした公園だった。夜頃、フリースが会場へ向かうとサカツキが一人立っていた。手にはグラスに注がれた赤い飲み物を持っており、雰囲気があった
「誰か知らんが、ここが会場と知って立ち入ったようだな?」
「そうだ。フリース。お前が主催者のサカツキとやらか?」
「正解」
「メラアの知り合い……とでも言えば分かるだろ?」
サカツキは一口それを飲む
「分かるよ。これは人の血。特に若い血を多く使った物で、なんだか飲んでると寿命が伸びる気がするね」
グラスを回しながら話す
「パーティーなのに俺しか来ないとは、悲しいものだな」
「誰も招待してないからね。私しかいないから、仮に私を殺したい人がいるのなら今がチャンスだろ?」
「なぜリスクを負う?このパーティーはお前にメリットが無いように見えるが」
サカツキは頷いた
「リスク?リターン?それは関係ない。私はやりたいからやった。そこにメリットデメリットと言った損得も関係はない」
「なるほど、納得だ」
フリースは剣を構えた。そして後ろからメラアも到着した
「あらフリース、降りたんじゃないの?」
「最後の美味しいところは貰っていかないとな。ここが女にちやほやされる世界線でなくなる」
「あほくさいわね」
メラアは全身を水化させた
「アーツェティーン」
メラアが消えた。サカツキの首を切ろうとしたが寸前に交わされ、少し傷の入った形となる。水を圧縮させ、素早く移動し水圧で切り裂く技だ。メラアは連続で素早い攻撃を続ける
「後悔するわよ!あのとき助けてなければって」
「ならさせてみろ!」
フリースもすかさず駆けていく。そしてサカツキの後ろから木刀を振り下ろすと、サカツキはその木刀に触れた。そして粉砕する
「確かにこれは化け物だな」
「だから帰りなって言ったのよ!」
「言われてないし帰る気は無い!」
フリースは思い切りサカツキに蹴りをするが避けられ、気がつくとサカツキの足が目の前、蹴りを食らわされそうになるが、フリースは後ろへ下がりその威力を抑えた
「ただの蹴りでこの威力か。しかも掠っただけで」
「私は遊び半分に鍛えてないからな」
「アーツェティーン!」
メラアはサカツキの首を再び狙うが、サカツキは手を盾に置く。メラアは勢い余り避けようとしたものの遊具や木々にぶつかる
「がはっ!」
「なぜ避けた?」
フリースは疑問に思う。サカツキは話した
「私は手で触れることが条件だ。つまり、手に当たれば即死。それが水化したメラアであろうと、余裕でな」
「即死だと!?」
フリースは本格的に帰った方がいいと思い始める。メラアはサカツキに触れられないよう、小さなサイズで動き回るしかない
「私は手ぶらで来たわけじゃないわよ!」
メラアが銃を放つ。サカツキの心臓に命中した。サカツキは自分に手をやり即回復をする
『これじゃまるで、不死身のゾンビと戦ってるようなもの。どーすれば……』
フリースはメラアの元へ行く
「いいこと考えた。サカツキの目を潰すぞ」
「目?あんた何言ってるのよ!サカツキは不死身なの。せめて腕を切り落とせたら」
「無策に言ったわけじゃない。両目を頼んだ」
「分かったわ!」
メラアは銃を放つと同時に、フリースが向かい掛かる。サカツキは少し避け銃は頭を貫いた
『外れた!?いや、いい!まだ行ける!』
フリースはサカツキの両腕を握る
『しばらくすれば意識が消えるは……』
サカツキの力は凄まじく、フリースの力を無視するように自分の腰に触れた。そして頭の傷が治った
「なるほど、目を潰して両手を防ごうとしていたか。いや、頭に当たったから両手を防ぐ作戦に変えた。本当は何をしたかったか謎だな?」
「いや、目である必要は無かった。これが出来るなら何でもいい!」
フリースはサカツキを抱いた。メラアはぽかんとそれを見ていたが、サカツキは笑っていた
「考えた。それは頭がいいな」
「サカツキ、お前イイ匂いするな」
「昔乗っ取った企業の香水。今更褒められても嬉しくはないが、感謝はしておく。でもどうする?お前は両手が塞がっていて私が一方的に殴れるぞ?」
サカツキの能力は繋がる。一つに触れればそれに触れてる部位に、更に繋がっている部位にと無限に広がっていく。生物は別扱いだ。しかし生物から生物へとは繋がる。つまりフリースを潰そうとすれば、フリースの抱いているサカツキも一緒に消える
「確かにお前の能力は受けないが、こちらが動けないのも事実。しかし、俺にはいい手がある!!」
「手……まさか」
「アーツェティーン」
水化したメラアは勢いよくサカツキに飛びかかる
「残念だな」
サカツキはフリースに触れると、フリースからは意識が消えた
「誰も繋がる範囲を調整できないとは言ってない。能力戦ってのは自分能力を知り尽くしてるこちらが有利になる。当然の話だ」
メラアの攻撃はサカツキが手を盾のように出す
『くそ、ここで決める!』
メラアは少し上に軌道を逸らしサカツキの手をよけるようにし、首を目掛ける
『首が切れれば再生もできないはず!』
サカツキは想定外のことに対応に遅れた
「まずいな。こうなれば」
サカツキ自らが身体を捻り横へ避けようとした。しかしそのスピードを交わせるはずもなく、首が半分切れた
『また治してくる。となると今しかない』
メラアは水を素早く伸ばし、針のように尖る無数の水をサカツキへとぶつける。サカツキは木に水張りで腕足を打ち付けられた
「やればできるな」
サカツキはメラアに触れることは無理なものの、木に触れれている。木を粉々に砕くと、拘束は取れる。そして自分を再構築した
「メラア、あの時は本気を出せていなかったな?明らかに強くなってる。組んどきながらキャッツも潰したかったからか」
「今は関係ない話よ!」
「んで、どう勝つ?私は疲れも無い状態に再構築できる。つまり無限の体力、無限の命。勝ち目は無い」
メラアにとってそれは真実だった。言われた通り勝ち目が全く無い
『サカツキを殺すには手を切り落として拘束する。口で言うのなら簡単ね。もしくは確実に死ぬ心臓や脳を狙い、意識が消えるまでの一瞬を拘束する必要がある。フリースがやろうとしたのはこっち。どちらにせよ、あのサカツキ相手に厳しいわ』




