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光之の家内

バスを使い近くのバス停へ降りた。フリースの姉の家までは近く、一瞬で家前へと到着した


「ここだ」


普通の一軒家だった。二階建てなものの幅の狭さは目立つ。庭も裏庭しかないのか、正面にあるのは駐車場のみ


「ちなみに姉貴の家は散らかってるぞ」


フリースはそう言い扉を開けようとすると、アメリが止めた


「待て!心の準備が」

「いらん。会えば分かるが、心の準備なんてしてるのがアホらしくなるぞ?あの姉貴を見てると」


フリースは扉を開いた。アメリは鍵が開いていたことにも驚いていたが、何より入った瞬間、玄関の向こうにすぐ部屋の見える狭さに驚いていた。廊下が存在していない


「よ、姉貴。彼女連れてきた」

「そうか」


家内から声が返ってきた。フリースが部屋に上がりこたつへ足を入れる。冬でもないのにこたつで寝そべり菓子を食べていたフリース姉


『なんて怠け具合!!って……』

「おいフリース!お前マナのことを彼女って!!」

「冗談だ。マナエッテが記憶を失ったから言えることだが、俺はこいつ好きだ」

「記憶失っても、まだちゃんと好きなのか?」

「当然だ」

「そうか」


マナエッテは構わずこたつへダイブ!しかもフリース姉の隣へ一直線だ。アメリもそっとこたつへ


「失礼します」


入った。フリース姉が起き上がり、座った状態に。黒く長い髪を後ろで一つ、ポニーテールにしている女だった。座ってみる感じ背は高く、そしてスタイルも良い


「お、髪整ってない系彼女」


アメリのボサボサの髪を見て言ったのだろう。アメリが彼女と勘違いされていた


「あ、あの、いえ、フリースくんが好きなのは私でなく、こっちのマナエッテでして」

「あ、そう。髪整ってない子も普通に可愛いと思うけどね〜。ま、若い子のことはよく分からん」

『と言う姉貴はまだ二十歳なんだがな』


そしてフリース姉は言う


「私の名前はヒカリノ。君は」

「あ、アメリです。お、宜しくお願いします」

「うん、よろしく」


ヒカリノはテレビを消した


「アメリちゃんさ、かなり足疲れてるでしょ?」

「言われてみれば疲れてますが……?」

「後で揉んだる」

「え、あ、いや、大丈夫です」

「いいからいいから」

「姉貴は頷くまでしつこいぞ」


アメリは仕方ないなと


「な、ならお願いします」


マナエッテはヒカリノの菓子を食べ始める


「おいマナ!勝手に食べたら」

「構わん。それより、そのマナって呼び方採用な」


ヒカリノはマナエッテの頭を撫でながら言った


「マナ、美味いか?」

「うん!ありがとうおばさん」


アメリは背筋が凍った。母親とはこんな気持ちなのだろうかとマナエッテの発言一つ一つに耳を立てている


「ヒカリノさん、その、マナはなんと言うか、ちょっと訳ありで」

「今ニュース持ち切りのナイトメア事件。これの被害者ってところか?」

「えっと、はい……」


ヒカリノは続けて話す


「悪夢だけじゃない。悪夢ならば恐怖から記憶を失い生気も消える。しかしこいつは明るい。つまり同時に抱えてた悩みか何かも一緒に消えたんだろうな。推測だが」


アメリはヒカリノの発言全てが合っており、驚きを隠せない。小声でフリースに聞いた


「お前の姉ちゃん、どうなってるんだよ。なんでここまで?」

「姉貴は洞察力が凄まじいからな。更に身体能力や力まで全て持ち合わせてる。学力だけは中学生も爆笑する程度だがな」

「一応聞こえてるが」

「知ってて言った」


ヒカリノは机上にガスコンロを出し、フライパンを置く。そこに油を入れ、横にまな板を用意し後ろの冷蔵庫からキャベツ、ピーマン、豚肉を取り出す


「ねえねえ、お料理?マナも手伝う!」


アメリは驚いた


『一人称マナ!?まだ知能の発達してない状態のマナにみんなしてマナ呼びするから、ついに自分までも……』


アメリがフリースの方を見ると、フリースは心臓を押さえていた


「どーした変態」

「いや、あれは可愛すぎるだろ!」


ヒカリノは野菜を切り始めた


「じゃあ人数分の箸とコップを取ってきてくれるか?」

「分かった!」


マナエッテは立ち上がり、取りに行く。ヒカリノは自分で立つのが面倒だったのだろうが、マナエッテでも手伝える事を選んでいた。ヒカリノは野菜を焼き始める


「そんで、お前らは大阪辺りに行った。そして悪夢の主犯と戦いになった。違うか?」

「違うが、大阪に行ったのは本当だ」

「そうか」


マナエッテがコップ四つと箸四本を持ってきた


「マナ、箸四本だと二人分しか無いだろ?」

「えっと……だから……あと四本?」

「よし、正解」


アメリはついついと口に出してします


「ヒカリノさんはお子さんとかいるんですか?」


フリースとヒカリノの視線が向いた


「恋人いたら寝てないんだがな。なぜ子供がいると思った?私のような推測か?」

「推測というか……なんか子供の対応に慣れてると言うか」

「ま、こう見えて私は元子供だしな!」


アメリは首を傾げた。フリースは言う


「姉貴の冗談だ。いや、元子供なのは本当だが」

「冗談……なるほどね」


ヒカリノは改めて言葉を返した


「特に子供と触れ合う機会は無かったが、私の親がやってたようにしてるだけだ」

「言ったろ?姉貴は洞察力が凄まじい。親の行動や言動をしっかり見て、それをする意図や起こる効果とかを考えながら育った化け物と」

「化け物は余計だ」


野菜が焼けてきたタイミングで麺を入れた。誰がどう見てもラーメン用の麺だった


「ヒカリノさん、それラーメン用の」

「気にするな!味付けは焼きそばだ」

『ええ、そういう問題?』


マナエッテが箸を持ち慌てて走ってくる


「これで四本だよ!」

「よくやった。いい子いい子」


と言いヒカリノは箸を置き頭を撫でた。そしてヒカリノは肉を入れ、そこに焼きそばのタレを薄めに掛けた。明らかに他とは違う焼きそばだった。塩を振り、塩焼きそばの完全となった


「よし、分けるぞ。アメリはどんだけ食べる?」

「じゃ、じゃあ普通くらいで」

「少なめにしとけ」


フリースはそう言った


「やっぱ少なめ?」

「おーけー」


ヒカリノが盛ると、明らかに少なめではなかった。丁度いいくらいの普通の量。そしてヒカリノはフリースにアメリより少し少なめに盛った


「こんなもんだろ?」

「俺の適量は覚えてるんだな」

「そりゃ忘れない。そんで、マナはどんだけ食べる?」

「沢山!」


フリースは慌てて言う


「おい姉貴、せめて普通くらいに」

「分かってる分かってる」


ヒカリノは普通くらいの量を渡した


「おかわりは残ってるから好きに食え」


ヒカリノは二袋分くらいの量を取り、食べ始めた。そして食事が終わりヒカリノは洗い物をしていた。風呂が沸けたのでとヒカリノは言った


「んじゃ、マナとアメリで入ってこい」

『も、もう呼び捨て?距離の詰め方早い……』


アメリはそう思いつつも返事をしマナエッテと風呂へ向かう。風呂は普通の一般家庭の風呂。アメリはお湯になったのを確認し


「流すぞ」


マナの頭から熱湯を掛ける。同時に自分にも掛けた。そしてマナは嬉しそうにはしゃいでいる。アメリがシャンプーを使おうと石鹸を見たが、黒と白の入れ物が二つあるだけ。ラベルも無く、完全に運だった


『どっちがシャンプーだ?って分からん。もういい!』


アメリは適当に黒を押した。すると緑の液体が出てきた。とりあえずマナエッテの頭に塗ってみた。そしてゴシゴシと洗う。そして自分には白のシャンプーを頭に塗る


『互いにズラして使えば、片方は必ず正解になる』


体も逆にして使い、洗い流すと湯船に浸かる。そしてマナエッテが


「てい!」


アメリの顔に水をかけた。完全に子供のあれだ。アメリは翌日学校があるが、流石に間に合わず休むことにしている。そして明後日、マナエッテのことをどう話そうかと考えていた。風呂から上がり二人は本来泊まりで使う予定だったパジャマを着、リビングへ戻る


「お、かわいいじゃん」


二人のパジャマ姿にヒカリノら褒めた


「次フリース行ってこい」

「ああ」


フリースは素直に行く。そして明らかに二人の入ったあとの湯ということで、とても欲が表に出ていた


『この湯にマナエッテが!最高すぎるだろ!!この湯は超高級な天然水よりも高級そのもの。湯船を先に飲んでみるか?いや、流石にそれは俺の女に興味ないですよキャラに反するか?いいや、でも……』



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