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友人に絶交宣言をされたので、本来の自分が戻ってきました  作者: 葵
3年生

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過保護なノア様

「アレクサンドラ嬢、少し良いか?」

「あら、ノア様ごきげんよう。いかがなさいましたか?」


 四色のお茶会の際、最初の会場が同じだったノア様に話しかけられました。後ろの方にはシャーロット様もいらっしゃります。


「シャーロットが世話になったと聞いたんだ。初対面で困らせてしまっていたから少し、心配でな」


 確かに、車体面でいきなり弟子にしてくださいと仰られたのは驚きましたし困惑してしまいましたが、シャーロット様の事情を知ってしまうと仕方のないことであったのかもしれないと思えてきました。


「問題ありませんわ。シャーロット様はとても親しみやすいですし、愛らしく思えますわ」

「そ、そうか...?兄としては友人を作るのが苦手なのではないかと心配で...」


 ...。これは、ノア様に一言申し上げた方が良いのでしょうか...?しかし、人の家庭に口を挟むのは気が引けますし、どうしましょう...。


「姉上、友人がオススメのケーキを、難しい顔をして何かありましたか...?」

「テオ、何でもありませんわ。あ、テオ、こちらはノア様とシャーロット様です。ご挨拶は?」

「あ、失礼いたしました。テオドール・コリンと申します。姉上がいつもお世話になっております」

「ああ、アレクサンドラ嬢の弟か...。グレイからかなり優秀だと聞いているが...」

「いえ、僕はまだまだです。兄上や姉上に追いつけるように精進しているところです」

「アレクサンドラ嬢やデリック殿と同じく謙虚だな...。俺はノアだ。こっちは妹のシャーロットだ。シャーロットは1年生で、君と同学年だから仲良く、いや、なんでもない...」


 ノア様、一瞬シャーロット様がテオに惚れるまではいかないにしても、親しみを覚えることに対して警戒しましたわね...。


「テオ、シャーロット様も甘いお菓子を好まれますわ。彼女にもオススメを紹介してくれないかしら?」

「そうなのですか?甘いものは心を幸せにしてくれますよね。どのようなものがお好みですか?」

「あ、えっと、」

「ご案内した方が丁寧だと思いますわ。私はノア様と少し話がありますので、テオがオススメを持ってきてくれるかしら?」

「はい!姉上が気に入るものをお持ちします」

「わ、私もお兄様がお好きそうなものを持ってきますわ」


 テオとシャーロット様は意気込んでお菓子のある場所へ向かっていきました。

 さて、控えようとは思ってはいましたが、ノア様にお伝えした方が良いのかもしれません。


「それで、話とはなんだ?アレクサンドラ嬢。まさか、面白いアイデアでも?」

「違います。シャーロット様のことですわ」

「やはり、何か迷惑を、」

「違います。ノア様、シャーロット様はお友達を作ろうと思えば作れる方です。過度に心配する必要はありませんわ」

「だが、未だに友人の話を聞かせてくれないのだ...」

「きっかけを作る必要がありますもの」


 そう、私のようにきっかけが必要なのです。


「色のお茶会でも話しかけたそうにしているご令嬢はいらっしゃりました」

「そうか...ならば良かった...」

「ええ..他学年とも交流を深めるためにアウロラ様が刺繍をする会を計画、」

「シャーロットに針を持たせるのか...?」


 ...。長兄だけでなくノア様までそのような心配をするとは思いませんでした。

 ああ、躓いたら血相を変えるのでしたね...。


「安全にお教えするのでご安心くださいませ」

「アレクサンドラ嬢の安全基準...?むしろ危険ではないか...?」


 最近思い始めていたのですが、ノア様徐々にグレイに似てきた気がします。カミラのことで冷静さを失うグレイにそっくりですわ。

 若干呆れと苛立ちを覚えますが、落ち着くことにします。


「ノア様、もしかして刺繍をご存知でないのですか...?」

「...煽りか...?」

「失礼いたしました。ノア様がシャーロット様に対してあまりにも過保護で驚いてしまいましたわ」

「お前らなんて会話してんだ...?」

「あら、グレイではありませんか」


 どうやら一部始終をグレイに聞かれていたようです。珍しくノア様に呆れた視線を向けています。


「普段のアレクサンドラ嬢の様子を見ていると不安になるのは当たり前ではないか?」

「一度本気でやり合った方が良いのでしょうか?」

「落ち着け、アレックス。ノアもこれ以上余計なことを言うな。取り返しのつかないことになるぞ」


 取り返しのつかないことをするつもりはありませんが...。まあいいです。


「グレイから見ても過保護だと思いますわよね?」

「まあ、そうだな...」

「なん、だと...?普通ではないのか...?」

「普通、ではない。そもそも年頃の令嬢、というか入学前に裁縫の基礎くらいは教わるはず、だよな...?」


 何故不安そうに私を見るのです。

 淑女教育は一般的なものを習得しましたわ。裁縫、ダンス、教養、お茶、その他諸々きちんと教育を受けましたわ。


「いや、お前そもそも裁縫の腕前も同年代より群を抜いてるだろ」

「おばあ様に教えていただきましたからでしょうか...。アウロラ様も入学前に基礎的なことは教わると以前仰っていましたわ」

「針を、持たせるのか?危険ではないか?」


 普段魔獣に対して剣や魔術を放っている方が何を言っているのでしょう?

 グレイも同じことを思ったようです。


「アレックス、お前だけじゃ説得力に欠けるみたいだぞ」

「そのようですわね...。アウロラ様に助力を求めた方が良いのかもしれません」

「な、なんだ...?」


 そろそろ2人も戻って来そうですし話は一旦中断しましょう。

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