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友人に絶交宣言をされたので、本来の自分が戻ってきました  作者: 葵
3年生

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楽しむ下準備

「姉上、お持ちしました」

「テオ、ありがとう」


 テオが選んだのはレモンのケーキでした。爽やかな酸味とクリームの甘さが絶妙でテオの言う通り私の好みの味です。


「お、お兄様、こちら気に入ってくださると良いのですが」

「美味いな...選んでくれてありがとう、シャーロット」


 あちらも微笑ましい会話が繰り広げられています。


「姉上、この後の時間はどうするのですか?自由に他の会場に出入りすることができますわ。各会場で装飾や用意されているお茶やお菓子が異なっているのでそれを楽しんでも良いかもしれませんね」

「なるほど...。自由に移動することで様々な方と交流できるというわけですね」

「その通りです。グレイはどうするのですか?カミラは?」

「...カミラは友人と回るそうだ...。仲のいい家の令嬢に挨拶しつつ移動するらしい...」


 そんな悲しい顔をしなくても最終日のパーティーには一緒に参加するでしょうに...。


「姉上はどうされるのですか?」

「この後はリリーと約束をしていますね。テオはお友達と回らなくても良いの?」

「皆、クラブの先輩のもとに行くとのことで、大きな会場で集まるまでは少々暇になりそうです」

「それでは、一緒に来ますか?リリーにはまだ紹介していませんでしたし、」

「良いのですか?」

「ええ。私だって可愛い弟を色々な方へ自慢したい気持ちがあるのですよ?それに、リリーは博識ですし、楽しいお話ができるかもしれません」


 テオは瞳を輝かせました。

 様々な方と意見を交換するというのは新たなアイデアや考えを取り入れる良い機会になります。吸収した分だけ自身の成長に繋げることができるのでテオにとって良い刺激となるでしょう。


「あ、あの、アレクサンドラ様」

「シャーロット様、どうかなさいましたか?」

「あの、もしよろしければ私もついて行っても良いでしょうか?め、迷惑でなければ」


 シャーロット様は少しだけ緊張した様子で仰りました。

 少しだけノア様と離れてみるのも良いかもしれないですし、何より私が断る理由はありません。


「もちろんですわ。リリーは楽しいお話をたくさん知っていますし、シャーロット様も楽しい時間を過ごすことができると思いますもの」

「アレクサンドラ嬢、その、良いのか?」

「当たり前ですわ。ノア様、淑女同士の交流はシャーロット様にとって大切なものです」

「わ、わかってはいる...。だが、君の弟も行くのでは、」

「意見交換をする相手は何より大切ですもの。それに、同じ学年同士の交流も大切だと思いますわ」

「ノア、諦めろ。こうなったアレックスは屁理屈をこねてでも言いくるめてくるぞ」


 先ほどから気になる言い方ですが、グレイのことですし放っておきましょう。


「グレイ、ノア様を頼みましたわ。アウロラ様には後ほどお話しましょう」

「わかった。そちらも、できるだけ不安は与えるなよ?」

「当然ですわ」


 むしろ、ノア様と一緒にいる方が自信なさげに見えますし、一旦引き離して自信をつけさせる方がシャーロット様自身のためになるやもしれません。

 グレイと小声で話し合い、それぞれ今やるべきことを確認しました。


「テオ、シャーロット様移動しましょう」




「リリー少し遅くなりましたわ」

「私も今来たところよ。あら、」

「今回はテオとシャーロット様も同行しますわ」

「そうなの。初めまして、リリー・ミッチェルと申しますわ。どうぞよろしくお願いいたします」

「テオドール・コリンと申します。姉上がいつもお世話になっております。その、皆様をお話をされる姉上はいつもすごく楽しそうで、お話を聞く僕もいつも楽しい気分になります。姉上とお友達になってくれて、本当にありがとうございます」

「こちらこそ、アレックスは優しくて、とても楽しいお友達で、私達こそ大切な時間を過ごせて嬉しく思っていますわ」


 な、なんだかテオをリリーの会話が少しだけくすぐったくて照れてしまいます。シャーロット様も驚かれていますし。


「お2人とも、シャーロット様のご紹介をしてもよろしいですか?」

「あ、ごめんさない...えっと、」

「シャーロットと申しますわ。黄色のお茶会では挨拶することができずにいましたのでこうしてお話できてうれしく思います。リリー様、どうぞよろしくお願いいたします」


 シャーロット様の所作にリリーは見惚れてしまいました。

 

「姉上とリリー様は何をするつもりだったのですか?」

「リリーの好きな小説の登場場所巡りをする約束をしていましたの」

「去年は時間が足りなくて全てを回ることができなかったのです。毎年場所は変わらないのでゆっくり見てみようとアレックスとお話していましたの」


 シャーロット様に本の題名を告げると目を輝かせました。どうやらよくお読みになる小説だったようです。


「小説に登場する場所や魔法陣は昔実際に使われていた場所がモデルになっているのです。小説を知らなくてもいくつかはテオも知っているはずですわ」

「なるほど...それは少し楽しみです」


 全員のやる気が引き出されたところでリリー先導の元、私達は場所巡りを始めました。

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