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友人に絶交宣言をされたので、本来の自分が戻ってきました  作者: 葵
3年生

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友人たちの交流

 2日目で重要なイベントといえば、四色のお茶会となります。

 例年通り、1年生をもてなすために工夫がされており、今回もアメリアのアイデアが大活躍しています。


「やはり、アメリアの選ぶお茶菓子はどれも格別ですわ」

「アレックスったらいつも美味しそうに食べてくれるわよね。選びがいがあるんだから」

「ふふ、でも、アレックスの幸せそうな顔を見ているとこちらまでも幸せな気持ちになりますわ」

「その顔が見たくてつい考えちゃうのよね...」


 そうこうしているうちに、早速カミラが下級生に話しかけられています。さすがの人気です。


「あ、アレクサンドラ様、お久しぶりです」

「マコト様、お久しぶりです。お変わりはありませんか?」

「は、はい、皆様良くしてくださりますし、アレクサンドラ様から教えていただいておかげで何とか授業にもついていけています」

「それはマコト様の努力の賜物ですわ。もっとご自身を褒めてあげてくださいませ」

「あ、ありがとうございます」


 突然のマコト様の登場にアメリアとリリーは固まってしまいました。


「私の友人を紹介してもよろしいでしょうか?」

「ぜ、ぜひ、お願いします」

「こちらがアメリア・ターナー男爵令嬢ですわ。彼女は美的感覚に優れていて、流行に敏感ですの。おしゃれな上に気配りも上手で周囲を明るく照らしてくれる素敵な方ですわ」

「もう、アレックスったら...。お、お初にお目にかかります。アメリア・ターナーと申しますわ。どうぞよろしくお願いいたします」

「そして、こちらがリリー・ミッチェル男爵令嬢ですわ。彼女は古代文字がお得意で、また、文才が優れていますの。美しく聡明で気品に満ち溢れていて多くの方から注目を集めていますわ」

「本当に、アレックスが殿方でなくてよかったわ...。お初にお目にかかります。リリー・ミッチェルと申しますわ。どうぞ、よろしくお願いいたします」

「あ、わ、私は。フジミや・マコトと言います。その、まだまだ分からないことが多いので、迷惑をかけてしまうかもしれませんが、その、よろしくお願いします」

「マコト様そんなに緊張されなくてもアメリアもリリーもとても優しいですよ」


 どうにも初対面の方が相手だと緊張してしまわれるようです。その様子にお2人は少し親近感がわいたようですぐに打ち解けてしまいました。


「へぇーマコト様の元いた場所は不思議なものが多いのですね」

「そ、そうですか?でも、常識が結構異なっているので戸惑うこともあって、」

「そういう時は私達にお任せください。少しずつ慣れていけばいいんですから。あ、こちらは私のおすすめのお菓子ですわ」


 リリーはマコト様の世界のことに興味があるらしく様々なことを聞いては目を輝かせたり驚いたりしています。


「アレクサンドラ様、ごきげんよう」

「あら、シャーロット様、ごきげんよう。いかがお過ごしですか?」

「楽しめてはいるのですが、お知り合いの方があまりいらっしゃらないので少し心細く思いますわ」


 なるほど...それで面識のある私のもとへ来てくださったのですね。

 遠慮がちに微笑む姿は庇護欲をそそられます。


「お兄様は青のクラスですからこの場にはいらっしゃらなくて、」

「お気持ちをお察ししますわ。シャーロット様はどのようなお菓子がお好きですか?一緒にいただきましょう」

「はい、ぜひ、その、アレクサンドラ様のおすすめを教えていただけないでしょうか?」

「私の、ですか?そう、ですわね...。こちらのクッキーなんていかがでしょう?紅茶の葉が練り込まれていておいしいですよ」

「そうなのですね。では、そちらを頂きますわ」


 席に着くとシャーロット様は美味しそうに召し上がってくださりました。

 それにしても、チラチラと視線を感じるあたり、やはりシャーロト様の人気も高いのでしょう。しかし、身分が高すぎて気軽に話しかけづらい、といったところでしょうか。


「アレクサンドラ様?」

「いえ、何でもありませんわ。こうして様々な方と交流できる機会は貴重だと思いまして」

「そうですわね。私も国ではお城から出る機会が少なかったので新鮮です。お兄様たちが何かと過保護なのですよ」


 こんなに愛らしいのであれば過保護になる理由が分からなくもありませんが、子ども扱いされているようで少し複雑な気分になるのでしょう。


「ふふ、ノア様が過保護だなんてあまり想像がつきませんわ」

「確かに、他のお兄様に比べたらまだマシですが、ノアお兄様も十分過保護ですわ。私が少し躓きそうになっただけで血相を変えて駆け寄ってきますもの」


 どうしましょう...。本当に想像がつきません...。


「シャーロット様のことが特別に大切なのですね」

「アレクサンドラ様のお兄様はそのようなことはありませんわよね?」


 私が躓いたところでお兄様は駆け寄っては来てくださりますが、血相はさすがに変えませんわね...。お兄様が血相を変えたことと言えば...。私が骨折した時や魔力の制御が上手くできずに倒れたこと、それから、


「私のお兄様も心配性ではありますが、それも愛情なので私は嬉しく思いますわ。弟が同じようなことになっていたら私も心配するかもしれませんもの」

「でも、もう少しだけ見守ってほしい気持ちもありますの...。」

「では、そのことをノア様にきちんと伝えてみましょう」

「え?」

「きっと、兄心としては妹の成長が思っていたよりも早くて寂しい気持ちがあるのかもしれませんわ。いつまでも小さなままではないのに、不思議ですわよね」

「ええ...。私も、本当はお兄様たちの助けになりたいのに...」


 年が離れすぎている歯がゆさを感じておられるのかもしれません。


「ふふ、では、こういうのはいかがでしょう?」

「?」

「ノア様に何か成果物をお贈りするのです。そうしたら少しは見直してくださるかもしれませんわ」

「成果物...ですか?でも、私、調合はまだしたことが無くて」


 さすがに、1年生のお嬢様に調合をさせるのは酷な事であると私も認識しております。


「刺繍を施してハンカチをお贈りしてはいかがでしょう?」

「刺繍、ですか?」

「ええ。想いを込めて縫い上げるのです。ご経験はおありですか?」

「針は危ないと...1番上の兄に言われまして...」


 思っていたよりも遥かに過保護なようです。


「しかし、私は挑戦してみたいですわ。アレクサンドラ様、教えていただけないでしょうか?」

「基礎的なものでしたら喜んで。わっと驚かせるような素敵なものを作りましょうね」


 シャーロット様の表情から憂いは消えたようです。

 どのような図案にするかを考えているとアメリア達も話に加わってきます。そして、それが人を呼ぶように刺繍に興味のある女生徒が集まってきました。

 これをきっかけにシャーロット様の交友関係が豊かになると良いものです。

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