厳戒態勢
星の館での研修は昨年のこともあってかより厳しい警備のもの行われることとなったそうです。
特に今年からは2人の聖女候補に加えて隣国の姫君であるシャーロット様も参加されます。ノア様はご自身で身の安全を守れる実力をお持ちですが、シャーロット様はまだ難しいのでしょう。
「お兄様、やはりお兄様もいらっしゃったのですね」
「アレックス、それにテオ。いろんな人と交流をして良い思い出を作るのだぞ?」
「はい、兄上。兄上たちがいるならとても心強いですね」
「そう言ってくれて嬉しいよ」
テオはお兄様がお仕事をされているのを見るのが初めてなのでしょう。とても目を輝かせています。
お兄様もその様子が嬉しいようで微笑んでいます。
「それと、アレックスを頼んだぞ?テオ」
「はい!姉上のことは僕がお守りします!」
「お兄様、テオ?私は特に危険なことをするつもりはないのですが...?」
「アレックスにその気がなくても巻き込まれてしまっては大変だろう?」
「ひ、否定はできませんが、それでもテオを危険にさらすだなんてできませんわ」
まだ発展途上のテオには荷が重すぎます。
なにより、私はテオのお姉様なのです。弟を守ることはあっても守られるのは少しだけ悔しいです。
「ユウリ嬢との出来事はグレイに聞いた。どうにか事態の収束を図っているようだがまだ叶わないのだろう?」
お兄様の仰る通り、どうにか噂を上書きするよう努めてはおりますが、残念ながら効果はまだ見られません。
聖女候補を神聖視している層からの反応は芳しくありませんし困っているのも事実です。
「テオは空気を読むのが上手いからな。アレックスが困っていたら必ず助けられるだろう」
「はい!姉上を困らせる者は誰であろうとダメだと思います。だから、僕がお守りするのです」
「それに、良い社交の練習になるだろう。本当に色々な者がいるからな」
お兄様はそう言ってお仕事に戻られました。
今回の私の目標はテオの手を煩わせずにスマートに物事を解決すること、と言えるでしょうか。姉としてここは頑張らなければなりません。
「姉上?」
「いえ、そろそろクラスに戻らないといけまsねわ。テオ、気負い過ぎずにまずは貴方がこの行事を楽しむことを優先するのですよ?」
「はい!姉上行ってきます」
テオは元気に自分のクラスへ行きました。
私も行かなければなりません。
今回の行事は昨年とは違っていくつの重要事項があるのです。それらが上手くいくことを願いつつ私も2度目の子の行事を楽しみたいのです。
今日から行われる行事や活動を思い描きつつ私は教室へと向かいました。




