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友人に絶交宣言をされたので、本来の自分が戻ってきました  作者: 葵
3年生

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魔力結晶

 シャーロット様はやはり乙女。

 無骨な攻撃魔術や実用性に特化したお守りよりも美しいものを好まれるのではないかといくつか披露しましたが正解だったようです。

 アウロラ様も瞳を輝かせていましたし大成功と言って差し支えないのではないでしょうか。

 なにより、私の乙女力も最近上昇しているように感じられますし、これで社交の場で浮くことなどないはずです。


「アレックスがあんなにきれいなものを所有していたとは意外だな」

「ふふん、グレイ私の乙女力をもっと褒めてくださってもよろしいのですのよ?」

「なんだ、その変な力。それにしても綺麗だな。魔石とはまた違うだろ?これ」

「ええ。こちらは魔力結晶に色を付けたものですわ。ほら、昨年実習の際に入手したとお話したでしょう?」

「...お前たちの班が閉じ込められた原因になったものだよな...?」

「ええ。かなりの技術と時間と魔力が必要な貴重なものですわ。あの規模のものとなるとかなりの、グレイ?どうしましたの?」

「いくつか確認したいことがある」


 グレイは少し頭を抑えて仰りました。

 グレイだけではありませんわ。ジャクソン様とノア様もグレイと似たような表情をしています。

 アウロラ様とマシュー様とシャーロット様は微笑ましい会話をしていますし私もあちら側に混ざりたいのですが。


「...まず、捨てていなかったのか?」

「何故捨てるのですか?もったいないではありませんか」

「もったいない気持ちはまあ、わかる...。」

「ノアわかるな!アレックスも味方を見つけたみたいな顔をするな!」


 やはりノア様はこの貴重さを理解してくださると思っていましたわ。作るのも大変ですし、作らなくても良いならば持っておくのが常識というものです。


「お前、あれを触ると手が少し痺れたみたいな感覚になるとか言ってただろ」

「言いましたわ。しかし、そういう性質ですし、魔力を吸い取るという性質はありませんよ?囲まれると多少魔法や魔術が制限されるくらいですね...。」

「何を冷静に分析しているんだ...アレクサンドラ嬢...。そもそもそのような状態からどうやって脱したというのだ...」

「ジャック、問題はそこじゃない」

「どのようにして突破したのも大切なことだろう...」

「グレイの非常識さにジャクソン様が困っているではないですか」

「この場で今1番非常識なのはお前だ、アレックス」


 ジャクソン様が諦めたように頷かれてしまいました。解せません...。


「どうせ、身体強化とか道具に強化を施して壁を殴って壊すか何かしたんだろ」

「大分おおごとではないか!?よく無事であったな...」

「それで、何で色なんか付けてるんだよ」

「え?きれいではありませんか」

「は?」

「だから、きれいではありませんか。神殿のステンドグラスとはまた違った趣で綺麗だと思うのですが」


 あら、ジャクソン様がさらに頭を抱えられてしまいました。


「きれいなのはわかった。が、手が痺れる危険なものを見せるんじゃない」

「だから手に触れないようにケースに入れているではありませんか。安全対策はばっちりですわ」

「まあ、シャーロットも喜んでいるし、安全対策をしているのならば...。それにしてもどうやって染めたのだ?」

「ノア様、やはり気になりますわよね?実はこのような文献を見つけましたの」


 図書館で発見した染色の歴史書。

 染め物の話が主ではありましたが、少しだけ物体に色を付ける方法も書かれていたのです。

 魔力結晶も全体的に固いわけではなく欠けた一部分は柔らかくなる性質があり、そこを起点に色を付ける方法を考察した結果上手くいったのです。

 観賞用としては良いでしょう。


「アレクサンドラ嬢はきれいだから染めたというのか?」

「ええ。それ以外に理由が見当たらないのですが...」

「ジャック、諦めろ。アレックスはこういうやつだ」

「そうだったな...だから父上も取り込むのに失敗したのか...」


 国王陛下と似たような表情をされています。やはり親子は似るものなのですね。


「そもそも珍しいものならこんな風に実験的に使うなよな...」

「貴重ではあるが、何に使えるか、と聞かれると何とも言えない物質でもあるからな...それこそ、観賞用に加工するのはある意味賢い選択なのかもしれない」

「ノア、お前もそんなことを言うとは思わなかった」

「アレクサンドラ嬢に影響されたわけではないが、シャーロットの反応を見るに女性の間では受け入れらえるものなのだろう。それこそ、量産出来て装飾品などに加工することができれば宝石同様にそれなりに価値のあるものになるんじゃないか?」

「手が痺れるのにか?」

「そこも要改善だな...」

「面白そうなテーマですわ。素材を揃えるとなると、」

「新学期は始まったばかりなのだが...」


 ジャクソン様のつぶやきは虚しく空間に散ることとなってしまいました。

 しかし、新学期が始まってすぐに新しいテーマに出会えるだなんて幸運ですわ。

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