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友人に絶交宣言をされたので、本来の自分が戻ってきました  作者: 葵
3年生

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シャーロット様

「アレックス様、ユウリ様とお話されたそうですが大丈夫ですか?何ともありませんか?」


 放課後、部室へつくと血相を変えられたアウロラ様はそう仰りました。

 後ろにはこちらを心配そうに見ているジャクソン様とグレイが目に入ります。ノア様とマシュー様はまだ来られていないようです。


「い、いえ、特には...。途中でオリヴィア先生に学園長室へ連行されましたので」

「お前、また何かやらかしたのか!?」

「またとは何ですか?失礼ですわ。ただ3人でゆっくりとお茶をしていただけで、」

「それを一般的には面談というのだ、アレクサンドラ嬢」


 グレイだけでなく最近はジャクソン様も遠慮なく人の心を抉るようになってきた気がします。非常に遺憾です。


「お2人とも、まずはユウリ様がどのような事を仰ったかの確認ですわ」

「そ、そうだな...実際揉めている様子を何人もの生徒が目撃している」

「ただお話していただけで揉め事認定されているのですか...?私は」

「ただお話をしていただけで普通は揉め事認定されないんだよ。内容にもよるが」


 グレイの言い方には少し引っかかりを覚えますが、ひとまず、ユウリ様の主張と要望をありのままお伝えすることにしました。

 ユウリ様が自らを聖女候補であると主張を始めた話辺りで皆様頭を抑えられました。

 お気持ちはお察しいたします。


「なかなか厄介なことになってないか?神殿での教育はどうなってるんだ...?」

「本人の自己認識の問題に見えてくるが...。お前、よくキレなかったな?」

「あの程度で怒りを覚えるほど私は子どもではございませんわ。ただ、ユウリ様は情緒の成長がいささかゆっくりなのではないかと思いましたの。降臨された際の最初の対応がよろしくなかったのでしょうか?」

「オリヴィア先生の言う通り性格の問題だろ」

「正確には元の性格と環境的要因が嫌な方向に噛み合ってしまったように思えますわ...」

「つまり、アレクサンドラ嬢は幼子の戯言と同程度の主張をされた、そういう認識でいいか?」


 ふと、ドアの方に目を向けると呆れた様子のノア様と困った様子のマシュー様が立っていました。途中からお話を聞いていたようです。


「聖女候補がごねたとなると普通はどちらかの立場が悪くなるものだが...話がかみ合わな過ぎて茶番に見えたのかもしれないな」

「ノア様、それは私が普段から話の噛み合わない人間だと言っているようにお聞こえするのですが...?目を逸らさないでくださいませ」

「ノア殿の言うことを否定は出来ぬな...」

「ジャクソン様まで!?あんまりです」


 アウロラ柾は慰めるように頭を撫でてくださりましたが、否定の言葉は出てこないようです。グレイとマシュー様には露骨に視線を逸らされます。

 地味にショックです。


「あ、あの、お兄様、?入ってもよろしいのですか...?」

「あ、ああ、悪い、シャーロット。アレクサンドラ嬢、防音魔術を解除してはくれないか?」

「かしこまりました...。」

「あ、アレックス様、そんなに落ち込まないでくださいませ。大丈夫です、私達は貴女の良い所はたくさん存じ上げておりますわ」

「ズレている否定はしないんですね、アウロラ様も」

「グレイソン様?余計なお口をはさむのはいただけませんわ」

「も、申し訳ありません...」


 ノア様の後ろから気まずそうなシャーロット様が姿を現しました。


「えっと、ごきげんよう。シャーロットと申しますわ。本日は見学にお招きいただきありがとうございます」


 収穫祭の時に約束した通り見学に来てくださったようです。

 不甲斐ないというか、あまりにも威厳と気品のない姿を晒してしまった気がしますが切り替えが肝心なのです。


「ようこそいらっしゃりました。シャーロット様。ノア様からお話は伺っておりますわ。どうぞ、こちらのお席へ」


 アウロラ様が席を勧めたタイミングでお茶をお出しいたします。


「わぁ...ここが部室なのですね...」

「シャーロット様はテストを受けられていましたよね?」

「はい、今回は残念ながら落ちてしまいましたが、次の機会がありましたらリベンジいたしますわ」

「そう仰っていただき嬉しく思いますわ。今回の問題はアレクサンドラ様とグレイソン様、マシュー様がお作りになりましたの」

「そうなんですか?基礎のものでもまだまだ理解に及ばないことがあると実感させられましたわ」

「シャーロット様は入学されたばかりですし、まだまだ成長段階にありますわ。あまり気負わずに頑張りましょう」

「はい、アウロラ様」


 アウロラ様がお話を振りつつ和やかに会話しています。さすがの社交力です。


「グレイ、どうしたのですか?」

「いや、1年生であれだけできるなら次のテストは合格するのでは?と」

「基本的に基礎を中心に据えた問題ですものね」

「アレクサンドラ嬢が作問し、グレイとマシューが調整をした後に必ず私かノア殿に必ず、必ず確認をさせるように」

「2度言ったな」

「私達、そんなに信用がないのでしょうか?心外ですわ」


 ジャクソン様がまた頭を抱えられてしまいました。


「シャーロット様、どうなさいましたか?」

「いえ、皆様本当に仲がよろしいのですね」


 シャーロット様が笑いながらこちらを見ています。

 客人のお相手をアウロラ様にお任せしすぎたみたいです。せっかく見学に来てくださったのですから何か面白いものをお見せした方が良いですよね。

 アウロラ様がお話でつないでくださっている間、グレイ基準で安全なものを見繕いつつ私達は研究成果を探し始めました。

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