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友人に絶交宣言をされたので、本来の自分が戻ってきました  作者: 葵
2年生

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教師

 1つ目のアウロラ様のご相談はどうにか良い方へ向かいそうで一安心です。


「それで、他の相談事とはどのようなものなのでしょう?」

「それが、その、皆様は神殿の聖女候補の方をどのように思われていますか?」


 まさか、アウロラ様からそのような質問をされるとは思いもしませんでした。


「ま、まあ、元気な女性、では、ないか?」

「そ、そうですね...明るい、印象だと僕も思いますよ」

「アレックスのものを欲しがるとは命知らずとは思いましたが、胆力があるのでは、ないですか?」

「あまり良い印象を抱かれていないのは分かりましたわ...」


 殿方の反応にアウロラ様は苦笑を漏らしています。

 それにしても、殿方は明るくて親しみやすい女性を好まれると耳にしたことがございますが、人それぞれなのですね。


「アレックス様はいかがですか?」

「私ですか?そうですわね...とても、純粋な方、とでも申しましょうか...素直な方ですね。裏表があるかはさておいて、」

「アレックス様も良い印象を持たれていませんよね...」

「それにしても急にどうされたのですか?聖女候補の話だなんて...」

「実は、神殿の聖女候補、ユウリ様なのですが、教育が思ったように進んでいらっしゃらないみたいで。」

「なるほど?マコト様の方は順調ですものね」

「ええ。そのことに対して神殿もユウリ様自身も不満があるようなのです」

「不満、ですか?」


 不満を覚えるようなことが思いつきません。

 教育の進度は個人で異なるものですし、マコト様の覚えが早いだけでユウリ様が劣っているとは断定できないのではないでしょうか。


「マコト様の淑女としての教育は私とアレックス様で主に見ているでしょう?」

「ええ。オリヴィア先生の邸宅に滞在されていますからね」


 質の高い教師を探すのも大変なのです。

 技量だけならともかく、聖女を特別視しすぎない、情報管理を徹底できる、政治的にも問題ない方を探すだなんて非常に難しいことだと言えるでしょう。

 学生が教師を差し置いて教えるだなんて、と思われても仕方のない状況ではありますが現状、これが最適と言わざるを得ないのがまた、やるせない部分でもあります。


「神殿側はマコト様に良い教師をつけてユウリ様を蔑ろにしている、と王宮に主張したようですの」

「それは、神殿側の教師を探す能力のなさを自ら晒しに行ったのですか?」

「アレックス、言葉が強いぞ」

「失礼いたしました。えっと、神殿側が人脈に恵まれずに苦境に立たされていると訴えたのですね」

「アレックス様、その、言い直さなくても大丈夫ですよ」


 アウロラ様に気を遣われてしまいました。


「お前、神殿に対しての恨みが根深くないか?」

「そんなことありませんわ。出禁になったくらいで恨みを持つほど私の心は小さくありませんもの」

「出禁になるのは大したことではないが、いったい何をしたんだ?アレクサンドラ嬢」

「私にもわかりかねますわ。神殿長が代替わりした途端に言い渡されたことですもの」


 問題は私のことではありませんね。


「つまり、ユウリ様のために良い教師を派遣しなければならないということですか?」

「ええ。私とアレックス様で1度様子を見ることも考えましたが、無理そうですね」


 確かに、私と神殿との相性が悪すぎますね。


「ちなみに、ユウリ様は何と仰っているのですか?」

「それが、神殿での教育に不満を抱いているようでして、やはりできないことを教師のせいにすることがあるようですわ」

「こちらに来られてから精神が不安定な状態なのかもしれませんわね。しかし、その状態で王族や神殿外の方とお会いさせるのは危険でしょうし...」

「それに、そのようなユウリ様を甘やかす方もいらっしゃるみたいで教育が進まない原因にもなっているようですわ」

「それも、厄介ですね」


 神殿で儀式を行ったのならば神殿で面倒を見るのが当然だと思うのですが...。


「アウロラ様も相当なストレスを抱えてしまう可能性がありますわよね...。せめて、神殿に入ることが可能で肩入れしすぎなく、礼儀を最低限教えられるような方がいらっしゃれば...」

「あの様子を見て、好き好んで接触する令嬢はいないと思うよ...」


 恐らく現在部室の中にいる人でユウリ様に対する好感度が最も低いのがマシュー様なのでしょう。普段よりも声が固いように聞こえます。

 適当なことを考えつつ、頭の中で条件を絞っていきます。


「いえ、いらっしゃりましたわ」

「本当ですか?アレックス様」

「ええ。学生でも問題ないのであれば心当たりがあります。基本的なマナーであれば教えられるのではないでしょうか」

「政治的な面での問題はないのか?」

「ええ。問題ないと思いますわ。条件さえ整えることができれば国王陛下もお許しになるのではないでしょうか?」

「条件ですか?」

「ええ。マナーの最適な指導を書面にしたため、実践させる事や、きちんと護衛をつけるなど諸々のことです。このことに関してはジャクソン様から打診していただいた方が滞りなく進むのではないでしょうか?」

「...アレックス、悪いことを考えてはいないよな?」

「当然ですわ。非常に合理的かつ人道的にも問題のない提案ですもの」

「...はあ、オレ達が巻き込まれないように明日は確実にジャックを連れてこないといけないな...」


 これで少しでもアウロラ様の憂いを晴らせるというのならば良いのではないでしょうか?

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