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竜に気に入られた乙女  作者: 相衣 律
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巡り16

翌朝、朝食の席について、スウリは一緒に来るかと聞いてくれた。

“行く”と付いていき、ハムや果物を食べた。

牛の乳は生まれたてから肉や果物で育ち、ミルクを飲む習慣の無いため、あまり美味しいとは思えなかった。

ムラサキはまた黙々と食べ、ハルワが巣に行くタイミングで一緒に戻る約束だったので、外に連れて行かれた。

しかし、寝ている間や長子を食べている間にかんがえていたことを伝えた。


“昨日言ってた朝市を見てみたい”


“チッタに今日連れて帰ると約束した”


ハルワは流石に自分もついていけないためか、反対した。


“王竜としてこの国を見ておくべきだと思う”


「王竜として一度約束したことを守ることはブレない為に大切なことよ。」

スウリは朝市に連れて行ってくれる気はないみたいだ。

“ブレる?”


「トップが優柔不断だと下は何度も変更が出て困るわ。わがままや横暴とも取られるから王のイメージとしても良くない。一度チッタとミツハリに会いに行き、再度許可をもらってくるのが筋だわ。」

たしかに、そうかもしれない。

父様、母様は私を心配するだろうというのもわかっていたことだ。一度会い、話してから行くならば、あの両親なら意を汲んでくれるかもしれない。

“わかった”


「約束するときも自分が絶対守れる約束をするようにしたり、安易に約束しないように気をつけたりしたほうが良いわ。」

なんかお姉さんぶっている気がするが気のせいだろうか?

“気をつける”


“さっ、そうと決まれば行きましょう。”


“スウリ、また来る”


「ムラサキとたくさん話せて嬉しかったわ。チッタが良いって言ったらね。」


今度はムラサキは黙って籠に入り、それを確認したハルワは前脚で取っ手を握って飛び立っていった。

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