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竜に気に入られた乙女  作者: 相衣 律
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巡り17

ムラサキは父様を説得することにした。

母様は父様の決定を覆さないだろう。なら最初から父様の説得をするべきだと考えた。


“父様、父様との約束はスウリの家に行くことだけでした。なので、このように帰ってきたのですが、今一度、スウリの元へ行かせてください。

スウリやスウリの母様の話を聞いていると、スウリと関わるだけではなく、多くの人間の行動を知ることも王竜となる私には必要だと感じました。私達が竜の棲家へ移るのも、遅くても三ヶ月後。竜の棲家は少し人里から離れたところにあると知識が言っておりますし、日々体の大きくなる私が隠れて人間の行動を見ることができるのも今だけかと思います。幸い、隠れるには昨日私の寝床として用意してくれたこの籠があります。”


ムラサキは父様ならわかってくれるとしんじていた。


しかし、父様は流石に危険とムラサキを説き伏せようとした。

“ムラサキよ。スウリの家に行くことと、街に出ることは大きく違う。危険が多すぎる。王竜はたしかに人間と関わることが必然的だろう。だが、それはおいおいでも良いのではないか?今はまだ生まれたて。その小ささでは、何かの檻に入れられてしまえば、まだ力の弱い今の姿では逃げることも出来ず、どこかへ連れ去られても、気配は同じ竜としてある程度わかるが、見つけ出すのは隠されてしまえばそれこそ見つけられない可能性もある。”




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