巡り18
ムラサキは譲らなかった。
“では、スウリだけではなく、ハルワの絆の相手もついてくるのはどうですか?
彼は竜騎士であり、ハルワと離れていても意思疎通ができます。私に危険があれば、すぐハルワに伝わるよう話しますから。”
“しかし…事が起こってからでは…”
納得しがたいと唸る父様の元へ母様の周りで駆け回っていた3頭がムラサキに近寄ってきて、ムラサキばかりズルい私達もと騒ぎ始めてしまった。
“ええいかしましい!ムラサキだけでも反対しておるのにお前たちもなどもっての他だ。”
ムラサキは3頭が騒ぎ出してからは黙ってしまった。
ムラサキも譲らなかったが、雌仔竜達は比ではなかった。
“父様なんか良いですよぉーだ。”
“だったら歩いて行こう。”
“そうしよ。そうしよ。きっと森で迷っちゃうかもだけど。父様が許さなかったせいだもん。”
“何日かかるかわからないけど、頑張るもんね。”
“人間に見つかったら困るから父様付いてきたらだめよ!”
譲らない3頭は巣から歩いてスウリのところへ行くと巣を離れようとし始めてしまったのだ。
ムラサキの居所は王竜の為か離れようとある程度どの竜も把握できるが、他の仔竜3頭が森でちょこまかして迷子になっても、父様達は見つける術がない。
とりあえず大人達がなんとか手足や口に加えて押さえつけた。
“父様ヒドイ!”
“ハルワ重い!”
“母様ならわかってくれるよね?”
踏まれてもなお雌仔竜達はうるさい。
“姉妹よ、歩いて行くのは疲れると感じる。
スウリの家には籠まだたくさんあった。籠の中から出ないという約束で、さっと行って帰ってこれるよう、許可をとるほうが、利があるように感じるが…”
逆手に取りムラサキが籠に2匹ずつ入って大人しくいけばいけると仔竜の方を焚き付け始めた。
それ良いそれイイと仔竜3頭は更に加熱していき…
“籠から出ない。籠の中では喋らない。何か危険があればすぐ帰る。危険がなくても帰れと言われたら帰ることが条件だ。”
父様はしぶしぶという感じで、母様に目線を送った。
母様も下を向いてしまったが反論はしなかった。




