巡り14
食事中、ムラサキは一言も喋らなかった。
それは、もともと話すのが得意ではないと言うのもあり、また、人間同士の会話を聞いていたいと言うのもあったからだ。
人間達は最初こそムラサキの行動に注目していたが、変化の無さから、気にもとめなくなり、スウリの学校の話をしていた。ヒサキやスウリの母の時代とは学び方が変わったということらしい。
その他にも、スウリは恋バナをしてくれないとか、ヒサキとハルワの出会いとかを話していた。
部屋に帰ってからスウリはそっと籠に戻してくれた。少し眠くも感じる。ウトウト寝ていたかもしれない。
いざスウリが寝るとなった時、寝ている間のムラサキが気になるので、ベッドの頭のところへ籠を持ってくるとムラサキはスウリの布団に潜り込んできて、顔だけ少し出して目を閉じた。
スウリはそっとムラサキを撫でた。
スウリはけして柔らかくは無い体表なのに、優しくフワリと撫でてくれるので、とても心地よい。
「籠だと寒かった?」
とムラサキが布団に入ったことを気にかけてきた。
“違う”
「親のチッタ達が恋しくなってきたの?」
ムラサキはどう答えたものか悩んだが、
“スウリと一緒にいたいだけ”
と気持ちのまま伝えた。
スウリは少し驚いた。ムラサキが自分の気持ちを言葉にして伝えてくれたからだ。
「私と一緒にいたいから、私のお家に来たの?」
“そう。”




