巡り13
「嘘つき娘にきこうかしら?あれは鳥?」
「ハルワたちは知ってるのか!?」
とスウリは責められている。
「あれは…ムラサキ、噂の紫竜です。私も駄目っていったけど、ムラサキしがみついていたし、チッタが連れてけって…ハルワが明日の朝ムラサキと一緒にまた巣に戻ることになってるの。」
「チッタそれで良いのか?ハルワめ、こんな大事なこと黙ってたなアイツ!」と男はブツブツ言ってる。
ムラサキは、なぜお前が私の行動に反対する?と、自分がぶつぶつ言いたくなった。
「まぁチッタが良いと判断したなら良いんでしょうよ。私もチッタの子どもみたかったしね。父さんとあんただけ良いなと思ってたのよ。おまけに紫竜だなんて。」
そんな話をしている間に、ムラサキは食卓の足を爪をつかって上に登って夕食のスープの入ってる皿の前にたどり着いていた。
直角に上がるのは大変だったが、食べ物がここにあるのは匂いからわかっていた。
特にお腹が空いているとは思っていなかったが、どうやら空いていたらしい。
「お腹空いてるのかねぇ。スープ、まだあるから分けたげようね。」
「あ、果物が好きみたい!」
「りんごもあるから持ってくるわ。」
それに、あのままスウリに尋問していては、スウリに悪いと感じた。
ムラサキは部屋にいるように言われていたのを出たがった結果なのだから。
紫竜のスープとりんごが盛りつけられ、皆椅子につき、食事は再開した。
ギーっと音がしたのは椅子を引く音だったのかと理解する。
紫竜はまずりんごを囓り、器用にスープも飲んでいた。舌を使っているみたいだ。
今まで竜が取ってくる物を食べていたから温かい物を食べたのは初めてで、少し熱い物とはこうなのか!と驚いたが、意外とイケる。
いや、むしろ美味しい。単品ではない複雑な味が奥深い。
「美味しそうに食べてくれて嬉しいわ。」
“…”
驚いたことは見抜かれていないらしい。
ムラサキは黙々と食べている。
しかし、新たにわかったことがあり、そういうものなのか…と受け入れようと脳内はしていた。
王竜とは人間すべての言葉がわかるのか。とスウリ達のやりとりすべてがわかることで気づいた。王竜には当たり前過ぎたのか、知識としてさえも継承されてない事実だった。
そして完食したらスウリの膝の上にいった。スウリ達もまた食べ始めた。スウリは食べながらそっと撫でてくれていた。




