巡り3
ピンクの竜とともに、人間は全ていなくなった。
生まれたて4頭は自分以外は全て雌の仔竜みたいだ。
ヨタヨタがテケテケくらい動きやすくなると、3雌仔竜は散策しだし、母竜となる雌竜に加えられて巣に戻されを繰り返し楽しんでいた。
“ムラサキ、あなたは巣から出たくないの?”
“出たくないわけではありませんが、まだ巣にいるべきだと思うので。”
“なぜ?”
“まだ生まれたての仔竜の身ではたとえ狼とかでも逃げ切れません。大人も三匹が走り回るのに大変なのに私まで出ては困るでしょう。”
“落ち着きがあるのはチッタに似たのか、あなたの性格かはわからないし、あなたはあなたらしくいれば良いと思うけれど大人だなんて他人行儀よ。私は母とチッタは父と呼んでほしいわ。”
“では、母様、父様とお呼びしても?”
“ふふっそうね。それでもいいわ。”
“かあさま?かあさまっていうの?”
薄黄がキラキラとした目を向けきいた。
“ええ、そう呼んでくれる?”
“わぁいかあさまかあさま”
“かあさまかあさま!”
呼び方が決まっただけでも雌仔竜達は嬉しそうだ。
“私はあんなふうにはしゃげません。”
“はしゃぎたいの?”
“分かりません。”
“ならそれはまだあなたの心ときめく物に出会えてないだけで、またいつかウキウキした気持ちが出てくるときがあると思うわ。”
“私には知識が生まれもってあるようです。大抵知識である程度わかってしまっています。これ以上の出あいなどあるのでしょうか?”
“んー確かに他の仔竜よりは難しいかもしれない。でも、大抵でしょう?あなたにはあなたの感じることがきっとあるわ。それまでは、あなたの知っていることを仔竜達に教えてあげたら私も助かるし、雌仔竜達は喜ぶわ。”
“わかりました。”




