01-25
「やっぱり夜は暗くないと。」
『よくわかったよな、俺全くわからなかった。赤かった事だって言われるまでさっぱりだ。』
明かりの無い夜の事を、エルミアは言ったのだが、ラウルは先ほどの男に会う前の赤く明るい空を出してきた。
怖がっていたラウルの為に、空気を変えようと毛玉と軽くからかった意味がなくなった。
「あれは慣れだよ。転生転移を繰り返していれば、色々と経験するからさ…………流石に、あんな変態は初めてだったけど。」
『心霊番組でも見ないよな。』
「目視できるようになっても、一度もあんな幽霊見たことないわ。幽霊社会も自由になったんだなぁ……」
『どんな社会だよ。』
幽霊を目視出来るようになってからエルミアは、色んなものを見てきたが、あそこまでのド変態は初めてだった。
世界や時代が違えば可能性はあるが、生死関係無く変態には会いたくない。
「幽霊社会がどうであれ、あんな変態は全力でお断りだけど。」
『それは全力で同意する。あんなのに追いかけられるくらいなら、何時も追ってくる幽霊の方がマシ。』
「…………ラウル、地球で何かあった?」
『えっ……』
「さっきも狙われるとか言ってたから、心霊関係で何かあったのかと思って。」
歩くスピードはそのままに、エルミアはラウルを見ながら聞いた。
狙われるの言葉で少し気になってはいたが、今のラウルの言い方が妙に引っ掛かったのだ。
「言いたくないなら、言わなくてもいいよ、予想が当たっていれば良い話ではないだろうし。」
追うと狙う、エルミアにはこれが引っ掛かった。
さっきの変態の時は、ラウルはまた狙われると言っていたが、今の会話では追ってくると言った。
ラウルの中で幽霊の違いが微かにあるのだ。
『……俺は、幽霊に殺されたんだと思う。』
「思うって言うのは……」
ラウルが小さな声で話し出した。
エルミアが抱っこしているし、夜な事もあり、エルミアにはっきりと聞こえた。
『俺は、大企業ってわけじゃないけど、それに近い会社で仕事して、オタクもして、それだけなら充実した暮らしをしていたんだ。』
「あぁ……」
『だけど、俺の何が狙いかはわからないけど、大学を卒業した後から幽霊が俺を追ってくるようになったんだ。』
「幽霊だってわかるって事は、元々見えていた?」
『小学生の頃からだな。ただ知らないおっさんが、幽霊と目を合わせるなって教えてくれて、1回を除いては合わた事はない。』




