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青き薔薇の異世界転移  作者: 七海 リア
1章・軍人と白い毛玉
25/28

01-24



男が消えた事により、辺りは暗さが戻り静かな夜にと変わった。

瘴気も無くなったため、エルミアは魔力を抑えながら、ラウルの元に歩いて行った。



「ラウル、終わったよ。」


『終わったって、最後砕いただけだよな? あれで大丈夫なのか?』


「全く問題ないよ、完全勝利。さて、毛玉はお家に帰りましょう。町はどっち?」


『…………あっち。』


不安気に見上げてくるラウルに、エルミアは小さく笑いながら抱き上げた。

毛玉と言ったのに、否定してこないため、よほど怖かったのだろうと考える。


エルミアは、ラウルを頭の上に置かず、優しく抱っこしながら改めて町の方向を聞いた。


短い前足を伸ばして、向かっていく方をラウルは指した。


指された方に歩き出したエルミアは、片手でラウルを抱き直し、反対の手でラウルの頭のから背中の辺りを優しくなぜた。


最初に持った時にもエルミアは思ったが、ラウルの毛並みは柔らかくて触り心地が良い。

人格を抜けば本当に何かのマスコットキャラだ。



「耳があったら白いポメラニアンだね、尻尾違うけど。」


『それ、俺の事?』


「犬耳カチューシャ売ってないかな、犬又って感じになるかも……でも、尻尾は狐っぽいんだよね冬毛の、狐の耳のカチューシャは作るしかないかな。」


『着けないからな!?』



ラウルを見ていて何かを着けてみたくなったエルミアは、とりあえず見た目と毛並みからケモ耳をと考えた。


即ラウルに却下されてしまったが、飼い主がペットに何かを着せたくなるのはこんな感じなのかと、小さく笑った。



「萌えポイント増えるよ?」


『いやいや、増えなくて良いし!』


「狐又ってレアで面白い。」


『せめて妖狐にして!』


「そんな毛玉フォルムで、格好いい姿してるとでも?」


『だよな! ちくしょう!』



どこか漫才みたいな会話だが、残っていた変な空気が無くなったため、エルミアは少し安心した。


耳を着けたいのが半分本気な事は、まだ言わないが。



エルミアが歩きながら木々の間から空を見上げれば、見慣れた暗い空になっていた。


雲がないため、月や星がはっきりと見える。

電気が発展した日本ではわからない夜の明るさに、懐かしいとエルミアは目を細めた。


平成に転生してからは見えなくなった夜空。

たまに夜の山に行くものの、エルミアが知る星空は明るくて見えなくなった。


綺麗だなと、改めて思えた。



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