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青き薔薇の異世界転移  作者: 七海 リア
1章・軍人と白い毛玉
16/28

01-15



先ほどの言葉から、ラウルは大人しくなった。

震えも少しおさまったようだ。

つい、あんな事を言ってしまったが、初対面に言う台詞ではなかったなと、エルミアは内心苦笑いをした。


だが、ラウルの様子から少なからず信じてくれたのだとわかるため、その気持ちには答えなくてはならない。



男との距離を開けるように走るも、自分の射程内にはしっかりと入れている。


ピンヒールなのに、あのスピードで走ってくる事には正直苛つきがある。

でも、これは私情になるため表には出さない。

出来る事なら、顔面をおもいっきり殴りたいが、ラウルがいるため自重する。



ラウルと共に無言のまま、言われた通りに走り続けると、少し開けた原っぱにたどり着いた。


エルミアは直ぐに立ち止まる事はなく、滑るようにして体ごと後ろを振り向けば、原っぱの真ん中辺りで止まった。



「ちょっと離れててね。てか、そこの岩の陰にいて。」


『ああ……』



止まって直ぐにラウルを下ろすと、丁度良い岩があったため、そこにいるように言った。


ラウルは言葉に素直に従い、岩陰に行くも、エルミアが見えるように完全には岩陰に入ってない。

怖がっていたくせに気になるらしい。

丸いフォルムなため殆ど岩からはみ出ていて、全く隠れられていない。



「はぁ……まあ、良いか。」



隠れられてない事にのツッコミは放棄した。

自分が勝てば良い事なのだ。

勝てば、ラウルが隠れようが隠れてなかろうが関係ない。


あまり距離を開けてなかったため、男の姿がもう見えている。

こちらに集中しなくてはいけない。



「もう逃げないのかしら? 良いのよ、まだやりたいなら付き合ってあげるわよ。」


「場所を移動しただけだよ。ずいぶんなめられたな……」



近づいてくる男に、エルミアはどう倒そうかと冷静だった。


既に策はいくつか出ている。

その中で何を選ぶかは、まだ様子を見る必要がある。


いつの間にか男の右腕がふた回り以上大きくなっているが、あれが本来の姿なのか……初見の時点であれな容姿だったため、今さら化け物染みても驚かない。



「どうやら人間じゃないみたいだね。元人間ってやつだ。」


「あらぁ、違うかもよ。」


「いや、違わないよ。間違いないから。」



エルミアは、不敵な笑みを浮かべながら、銃を左手に持ち換えた後、右手で足のホルスターにあったナイフを抜いた。


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