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青き薔薇の異世界転移  作者: 七海 リア
1章・軍人と白い毛玉
15/28

01-14



エルミアの足は早かった。

森の中を走っているにも関わらず、障害物であろう木の根や地面の窪みなど、全て無かったかのように避けている。



『流石、軍人だな。』


「そりゃどうも。この近くで少しでも良いから開けた場所ってある?」


『それなら、5分ぐらい走った先に小さな原っぱがある。』


「じゃあ、そこだね。」



訓練で森や山を使う事はよくあったため、慣れた足どりで進んで行く。


ラウルに聞き行き先が決まると、エルミアは更に走るスピードを上げた。

少しでも速く原っぱに行き、男を待ち構える体勢をとりたかったからだ。



『アイツ、来るのか?』


「キミを諦めない限り追ってくるだろうね。ただ、ピンヒールで森の中だから追い付きはしないでしょ。」



エルミアが茂みに入ったのはそれもあった。

ピンヒールで森の中を走るなんて、誰がやってもバランス崩して遅くなる。

そうなれば、こちらが隙を狙えるものと考えたのだ。



「アイツに追いつかれる気はn……」


「追い付いたわよぉ、お嬢ちゃん。」



「『ピンヒール早っ!?』って、マジかよっ。」



ピンヒールで追い付く事は無いと思った瞬間、男はエルミアの横に並んだ。

もちろん、自分の足で走ってだ。


エルミアは、ついラウルとツッコミを入れてしまうも、更にスピードを上げて走り出し、男から距離を開けていく。

だが、男もそれに合わせるようにしてスピードを上げてきた。



『エルミア、アイツ早い! マジで早い!』


「うるせぇ!! 流石にピンヒールであそこまで早いなんて予想外だよ!」



ラウルが更にエルミアの腕の中で騒ぎだしたため、エルミアは抱える腕に力を入れた。

余程怖いのか、身を微かに小さくしている。



『やだ、やだ、転生したばっかりなのに、あんな変態に喰われるとか!』


「あー! ラウルうるせぇ! 勝つから、お前守って、あの変態に勝つから、少し落ち着け!」


『……エルミア?』


「〘ブルーローズ〙はこれぐらいじゃ負けないから、今だけで良い、私が勝つ事を信じろ。」



エルミアは、走ったままラウルを自分の視線まで、両手で持ち上げて、しっかりとした強い笑みを見せた。


ラウルは、エルミアの笑みを見て落ち着いたらしく、小さく頷いた。

それをしっかりと見たエルミアは、改めてラウルを片手で抱え、少し落としていた走るスピードを上げ治して、原っぱへと走った。



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