01-11
「…………えぇー」
『マジか…………』
男を見た二人は同じ事を思った。
なんか、変態出てきたと。
髪型はまだ良い。
男でもロングなのは、たまにいる。
マッチョなのも、鍛えるの頑張ったんだなーと。
だが、どうして服装がベビードールにピンヒールなんだ。
ボディビルダーのような逞しい体格なためにかなりパッツパツ。
ピチピチなんてレベルじゃない。
大きく動いたら服破れますよね? なぐらいだ。
『なぁ、アイツあの服で隠せてるのか?』
「言うな。下に目を向けないようにしてるんだから。」
ラウルが不安気に毛を震わせながら言う。
下半身の大切な場所が、あの服で隠れているかどうかだが、エルミアからしたら考えたくもない事だ。
胸に黒のブラを着けているのがわかるため、下も身に着けているのはどう考えても女性物だ。
ならば、その考えから予想すると隠しきれていないだろう。
ましてや、体格が体格なため下もパッツパツのはずだ。
最悪パンツに収まりきらず、何かがはみ出ている可能性もある。
女の身からしたら、絶対に見たくない。
エルミアは銃口を男に向けているが、下半身には一度も目を向けてない。
向けたら何かが減ると言うか、何かが終わる気がする。
不可抗力で見てしまったならまだしも、変態のはどんな状態でも見たくないらしい。
「ちょっとぉ、アタシを無視しないでちょーだい。」
「視界的暴力は無視一択だろ。」
「酷いわねぇ。こんな美しい体を、そんな風に言うなんてぇ。」
「どうせ出てくるなら、オカマじゃなくてオネェぐらいにしろってんだ。まだ精神的に楽だ、色々と……」
精神的攻撃効果は抜群だ。
くねくねするな、まともな服に変えて、性格訂正してから出直せだ。
とりあえず、その体格にその性格は合っていません。
そんな言い合いしながらも、エルミアは銃を下ろそうとはしなかった。
むしろ、その逆で銃を持つ手に力を入れているし、話せば話す程エルミアの警戒は強まった。
目の前の男は、会話をすればエルミアを見はするものの、それ以外はラウルを見ている。
ラウルがいるのは、隠れられてはいないがエルミアの足の後ろだ。
見えにくいと言えば見えにくい場所にいる。
なのに、手前にいるエルミアよりも、その後ろいるラウルを見ているのだ。
うっとりとした眼差しで、ラウルを見つめていた。




