■100年祭と消えた村(仮)
【あらすじ】
謎の来訪者より、100年に一度のお祭り!
カーニバルに夢中のヒヨナたち。ところが2週間後、祭りの町がまさかの消滅?
異世界ギャグコメディは今日も健在です
それはあかね色に染まる夕暮れ時のことでした。
村の灯りを目指して旅路を急いでいたわたしたちの前に、突然、銀色に輝く物体が飛来したのです。西の空から、音もなく。
[われわれは、イパメス星人である。イパメス星雲第64惑星からきた者である]
地表に降り立った光り輝く大きな物体。その中から出てきたのは、子供のようなヘンテコな生き物たちでした。
黒く大きな目。全身を銀色のなにかに染めた生物。
正直、見た目がちょっとキモい。
そんな彼らの小さな口が動きました。
……が、なにを喋っているのか、さっぱり理解できません。するとマイちゃんが通訳をかって出てくれました。
事情を聞いたわたしたちなりの解釈ですと、たぶんこんな感じでしょうか。
「いぱめす?もしかして湖に沈んだ伝説の海底都市かしら?」とわたし。
「いや、違うんじゃない。空に浮かぶ幻の空中都市のことじゃない」とエミーダ。
「あ、もしかしてさぁ……例の自称異世界人の仲間だったりして」
だとしたら、もの凄くしょうもない人なんですけど……。
すると、マイちゃんが通訳してくれました。
『あなた方は俗に言う異世界人ですか?』
[異世界人?まぁ、あなた方にとっては、そうかもしれませんね]
なぁーんだ、つまんないの。
「じゃ、わたしたち、先を急いでるんで」
[なんで、あなた方はそんなに急いでいるのですか?]
「こっちは100年に1度開催されるアニバーサリーカーニバルに行くんだから、邪魔しないでもらえるかしら」とエミーダがたたみかけ
「ほら、急ぐわよ!ヒヨナ!」
『いや、待ってください。おふたりとも。この方たちは、わたしたちとは異なる星から来た珍しい来訪者ですよ。そんなに無碍に扱っては失礼ですよ』
「お星さま?」とわたし。
あぁ、きっとアタマのおかしい人なのね。するとエミーダも
「あー、それなら、どっかの町か村のギルドに行って頂戴。って伝えて」
『とのことです。申し訳ありませんが、他を当たってください』
「じゃあねぇ」と、わたしたちはカーニバルが行われる村へと急いだのでした。
2週間後。
次の町で観光していると、妙な噂を耳にしました。
新聞の記事によれば、アニバーサリーカーニバルを終えた村が、摩訶不思議な現象によって消滅したらしいです。村おこし生誕100年という節目とともに。
「ふーん……原因不明なんだ」と新聞をたたむわたし。
「怖いわねぇ」とエミーダも神妙な表情。
『……』
マイちゃんだけが、なにかを考えているようでした。
「でも、カーニバルが終わったあとで、よかったね」
「そうね。開催中だったら、あたしたちも消えてたかもよ」
「やめてよ、エミーダ。そういう怖いこと言わないでよ。マイちゃんも、そう思うでしょ……って、どうしたの?マイちゃん」
『いえ……なんでもありません』
ちなみに、あのイパメス星人たちは、その後どこへ行ったのか、わたしたちは知りません。
ただ、マイちゃんによれば、たぶん、まだこの世界のどこかにいるそうです。
【おしまい】
※カーニバル中のふたり(おまけ)




