2学期のボクと、黒髪メイドと、あとひとり(8)
「あなたが、『ルーズリーフの白い悪魔』さん?
やっと見つけたわ。」
視線を上げると、
良い意味で人間離れしている女子がいる。
170cmはあるかという身長。
メリハリあるボディー。
そしてなんといっても目をひくのは、
縦巻きロールの髪型。
大昔の少女漫画のノリ。
高校生なのに
「〇〇夫人」とかの異名をもっていそうな
絶対美少女。
こちとらチンチクリンが
一生お相手しそうもない、
身分違いなおかた。
それにしても、『ルーズリーフの白い悪魔』?
こっちの知らんところで、
これまた珍妙なあだ名をつけられちまったもんだな。
誰がつけた?
この子か?
それにしても、
なぜ、こっちに声をかける?
「お勉強のところ、お邪魔しますね。
わたくし、吉田冴子と申します。」
世情に疎いボクでも、
彼女の名は知っていた。
成績は常に学年1位。
なんでもこの地域でも相当な資産家のご令嬢であるらしい。
いつも黒い車に乗せられての登校。
役員選挙がまだの時から
自分からすすんで生徒会活動に参加。
周囲もそういった彼女の行動があまりにも自然に見えすぎて、
待ったをかけられる人物は
生徒側にも教師側にもいない。
生まれながらのリーダー。
たしかボクも
入学した時は2番だったはずだが、
これほど1位と2位のレベルが
天と地ほど離れているとは思わなんだ。
その天上の人が、
アリンコに何の用だ?




