新たな景色と、黒髪メイド(3)
それにしても、そうしたささやきもそうだが、
男のくせに妙にいいにおいがする。
まったく、女としての本業はボクの方だが、
圧倒的な敗北である。
この男、なんでまたこんな、メイドさんの格好をしているのだろうか。
いつかは、聞いてみたい。
「余計な事は考えるな。目の前の課題に集中しろ。」
すかさず、叱咤激励。
こっちの心の声、ダダ漏れ状態。
「数学の復習の仕方を教える。
ルーズリーフのファイルとともに、
例の広告紙とか使わないノートとか、
とにかく紙を用意しろ。
ルーズリーフの問題だけ見えるようにして、
模範解答部分をなんでもいいから隠せ。
もっともそのうち、
模範解答をいちいち隠さなくても、
目に入らなくなる。
問題部分を見て、
すぐに別の紙に解法を書ければ合格。
解けずに考え込んでしまったら、
すかさず模範解答を小声で読み上げろ。
1章をその調子で目を通し、
まずは1周しろ。
1周目は荒っぽくてもいいから、
なるべく速く回せ。
2周目も同じように回し、
テスト前には最低5周回せ。」
「これが基本線だ。
英語以外の他の科目も同じようにしていくんだ。
科目と、使う教材が異なるだけで、
やり方はなるべく同じやり方で勉強する。」
「3周回しても、分からない問題があったら、
オレ………アタシに質問しろ。」
そこまで一気にしゃべると、
リコさんの首が、かくっとうなだれた。
ホラー映画かよ!




