新たな景色と、黒髪メイド(4)
まったく、綺麗な顔して堂々と居眠りだ。
数学の復習、第1章の『式の計算』が進んでいく。
すると、どこでスイッチが入ったのか、
背後からリコさんが声をかけてくる。
「これから最低5回はこのルーズリーフを見直すんだ。
2学期が始まったら、
放課後、学校のどこかで数学を学習したらいいだろう。
ある程度の緊張感がないと、数学は解けない。
家でリラックスしすぎると、
そのうちどうでもよくなって寝てしまうのがオチだからな。
『勉強』とは書くが、
『修行』や
『苦行』ではない。
要は『ストレスコントロール』の問題なのだ。
なるべく体への負担を減らし、
しかし最低限の学習を確立させる。」
「いきなり、別の紙に解法を書きださなくでいい。
最初は『読書』だ。
場合によっては、自分がわかる注意書きを書き込め。
学問的に正しくなくても、自分がわかる、わかりやすい内容でだ。
ラインマーカーを使ってもいいが、
多くて3色が限界だ。
それより多いと、重要な点がぼやけてしまい、
かえってストレスになる。
よく、カラフルに仕上げたがるヤツが多いが、
かえってわかりにくくしていることに気付かんから
始末に悪い。」
「1章の復習に1回30分くらいかける。
それ以上時間をかけるな。
これもストレスになるぞ。
とにかくすらすらと目が動いて
さっさと1周済ませろ。」
「なぜ?
わかるまでじっくりやった方がいいんじゃないの?」
「テスト当日まで、そのペースでできるのか?
完璧主義でやるのではなく、
ボクシングと同様に、
反復・連打だ。」
『打つべし、打つべし、打つべし』ということか。
「典型問題に対して、
いちいち考え込むクセをつけるな。
なんでも考えればいいというものではない。
『2×2は?』と問われて、
いちいち考え込むヤツがいるか?
基礎問題や典型問題が反射的に答えられて、
はじめて応用問題が解けるんだ。
『解くべし、解くべし、解くべし!』」




