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新たな景色と、黒髪メイド(1)

 優れた指導者の下で学んだからといって、

成績が短期で急上昇するわけではない。


 優れた教材・参考書を使ったからといって、

すぐに点数に反映されるわけではない。


 リコさんは言う。

「別に問題集や参考書は結局は何でもよい。

 強いて言えば、できれば模範解答の部分は

 同じ見開きのページか、別冊がよい。

 巻末にあると、

 いちいちページをめくって元に戻すという作業を繰り返すことになる。

 これが何回も続くと、一種のストレスとなる。

 ただでさえ頭を使うことがストレスになる者にとっては、

 なるべくストレスは減らした方がよい。

 毎日少しずつ、継続しやすい環境を整えるのが大切だ。


 そういう意味では、数学の『チャート式』(数研出版)は、

 ロングセラーなだけあって、よくできている。

 例題の答えは問題のすぐ下に書いてあるし、

 練習問題の答えは別冊に書いてある。

 問題の数値や条件を変えて多くの問題を解かせるという、

 原始的だがある程度、成果が見込める方法論をとっているから、

 辞書みたいな分厚さで、挫折する者も続出しやすいが、

 一方で愛好家もいる。

 ラサール高校では『黄チャート』に全問取り組むというのが

 昔からの定番の指導となっていて、ラサールの強みだ。


 分厚い教材は、処理速度が異常に速い者にとってはなんでもないものだが、

 オレ………アタシも含めた凡人はそれでは挫折する。

 だから良問を選りすぐった教材を反復練習して、

 無意識的に問題を解けるレベルまでもっていくことが必要なのだ。」



 

 なんだかここまでやってみると、

とにかく無駄を減らし、余計な労力を使わせないことが

やたらと強調されていると気付く。


「大学入試で勝利すればいいのであって、

 3年あまりの時間を無理なく無駄なく過ごすには、

 『頑張らないが、毎日少しずつ進めて基礎を固める』仕組みをつくることが

 大切だ。

 極端なことを言えば、

 10戦して9敗しても、1勝さえあげればそいつにとっての勝利なんだ。」






 

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