リコさん(6)
リコさんは、あっさりと部屋を出る。
私と女医さんの二人だけになった。
「霧子と申します。」名刺も一緒に出された。
「普段は吉田家の専属ドクターとして常駐いたしておりますが、
月に一度、こちらの都合の良い日時に訪問することになりました。
ご両親のご承諾も得ております。」本当にご丁寧な口調だ。
「お体に痛みなどありませんか。」
「別に痛いところはないですよ。」
「他に不具合などは。」
「やたら眠いし、すっきり起きられない、
しかも頭は重くて、回転もいつもと比べて遅い。
まあ、頭の回転は前と変わらないかもしれないけど。」
最後はちょっと冗談のつもりで言ったのだけど、
霧子さんはにこりともしない。無表情のままだ。
むしろ、顔色が曇ったかもしれない。
「どっか、良くないのですか? 」
「いいえ、そう深刻なものではありません。
ただし、この薬を明日の朝食後に1錠、服用してください。
あとは、朝食・昼食・夕食の時間は一定にして、
とにかく寝て下さい。
これから夏休みが終わるまでの2か月弱、
ひたすらこうして過ごしてください。」
「夏休みが明けたら学校へ行くことになるの? 」
霧子さんの表情が少し険しくなった気がした。
「無茶を言わないでください。安静にしていてください。
夏休みが終わってからは、様子を見ながら
少しずつリハビリプログラムをこなしていただきますが、
あくまでも夏休み明け時点での状態をよく観察してからです。
決して無理してはいけません。」
女医の霧子さんは部屋の外に出た。
入れ替わりにリコさんが入ってくる。
「あんな調子だが、腕は確かだ。安心しろ。」
「アンタ、前にあの先生にお世話になったんでしょ?
なにがあったの? 」
「アタシにも、同じことがあったんだ。」
微熱が続いているので、出勤できず、家で執筆しています。
明日は出勤できそうです。




