13.数千年に終止符を
見つけて下さってありがとうございます!
アメリアが教会に来て四年、 あの日から二年が経った。
その日は、よく晴れていた。
「―じゃあ、訓練はしっかりしとくようにな」
「分かった」
「何日か掛かるかもしれないな」
「そんなに?」
「ああ、そりゃあ魔王討伐ともなればそうだろ」
その日から数日間、ルーアは騎士達の魔王討伐に加わることになっていた。
不死の聖女として参加する事は別段珍しいことでは無い。
ルーアは殆ど毎日、魔物討伐に加わっていた。それでも、アメリアと訓練をする為に毎回早く帰ってきていたのだ。
「やっとなんだね」
「まぁ、これで成功するかどうかは分からないけどな」
そう言うと、ルーアは目を細めて笑った。
これから魔王討伐に行くとは思えない明るさだ。
「......そう」
アメリアの表情が少し暗くなる。不死と言っても心配なものは心配なのだ。それに、聖力が尽きれば本当に死んでしまう。
「なんだ、珍しいな!お前が心配してくれるとは思わなかったよ」
「.........珍しいなんて....そう思うなら早く帰ってきて」
「分かったよ。さっさと倒して甘い物でも食べに行こう!」
「うん」
ルーアはアメリアの頭を髪が乱れるぐらい撫でると、笑いながら騎士団の拠点へ向かって行った。
*******
―昨夜
「なんだ?わざわざ呼び出して」
「ちょっと話したいことがあったのよ」
場所は礼拝堂。灯りはルーアの持つ蝋燭のみ。闇が地上に帳を下ろし、人々が寝静まった時間帯。
ルーアの目の前に居るのはレスカート、もとい『死』の神ソルアテクだ。
「明日からよね?魔王討伐」
「そうだが?それがどうした」
「それじゃあ、魔王の近くまで行ったのよね。何か感じなかった?」
「は?私は特に何も感じなかったが、先生がそう言うのなら何かあるのか?」
ルーアは今日の事を思い出す。確かに、魔王の居る場所の近くまでは行ったが、何かを感じるという事は無かった。
「まあ、それもそうよね。貴方はまだ魔王を見た事が無いものね」
「あ、ああ」
「私が見た限りでは数百年前より、魔王の内に宿る力が小さくなっているように感じるの」
「どういうことだ!?」
ルーアは驚き目を見開く。レスカートはそんなルーアの様子を無視して話を続けた。
「元々弱まってきてはいたの。だから、おそらく今回で討伐する事が出来たら、魔王が復活することは無いと思うわ」
それは嬉しい事実だ。魔王が居なくなれば魔物が生まれることは無くなり、それによって落ちる命も無くなる。
魔物に苦しめられてきた数千年の歴史に、終止符を打つことが出来るのだ。
「ただ、残っている力を全て出し切ろうとするでしょうから更に凶暴になる可能性が高いわね」
「....いいさ、復活する事が無いと知れただけでも」
「そう......話したい事はこれが一つ、そしてあと一つは魔王の特性について最も注意すべき点ね」
「なんだ?それは?」
レスカートはその艶やかな唇に言葉を乗せた。
「――――――、―――――――――」
「.....!!」
「分かった?」
「.......ああ」
「気を付ける事ね」
そう言うと、レスカートは水色の髪を風に靡かせ悠々と礼拝堂から出て行った。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
良ければいいねやハート、ブックマークの登録を是非ともお願いしますm(_ _)m
あと二話ぐらいで過去編は終わりです




