12.一番優先なのは
見つけて下さってありがとうございます!
(既視感が.....)
現在、アメリアは森の中に居る。アメリアが最初の頃ルーアに連れてこられた森だ。
ついでだが森に来た時、アメリアはルーアに抱えられていた。最初の頃と同じように。
「師匠、降ろして」
「ん?ああ、すまない」
「なんで抱えたの?」
「逃げられるかと思って」
「もう逃げないよ」
今日は、訓練をする日だ。ここにしか出ない強い魔物を狩るらしい。
「よし!アメリア、今回の獲物はサルーシャだ」
「.....本当に狩れるんだよね?」
サルーシャは獅子の頭を三つ持つ獣だ。とても凶暴で、見つかったら死を覚悟しろと言われるぐらい危険視されている。
「まあ、何とかなるんじゃないか?」
「..........」
アメリアからの無言の圧を無視したルーアは早速サルーシャを探し始めた。
しかし、
「見つからないな」
「そうだね。そもそも、そんなに個体数が多いわけじゃないから」
サルーシャが見つからない。それもそうだ。見つかったら死を覚悟しろと言われるぐらいだ。そこら中にいては堪らない。
(諦めてくれないかな?)
心の中でルーアがサルーシャ探しを諦めてくれることを願うアメリア。
正直に言うと、アメリアではサルーシャを倒すのは難しい。テティルサは運良く倒せたから良かったものの、サルーシャはテティルサとは比較にならないぐらい強い。
「んー.....本当にいないな。帰るしかないか?」
(よし!)
非常に安堵したアメリアだが、表情には出さない。日頃の鍛錬の成果である。
しかし、その安堵はまだ早かったと言える。
グルルルルゥ!!
「お?やっと出たか」
森に響く獣の鳴き声。その獣はアメリア達の居る所から大分離れていたが、抑えきれない凶暴性を宿した金色の双眸を真っ直ぐにこちらに向けていた。
(なんで今なの....)
今すぐにあの獣を殴って沈めたい。だが、そんな強力な力は持ち合わせていない。
アメリアは覚悟を決めた。
(これも訓練!何より、強くなりたいと願ったのは私!!)
ルーアから貰った剣を鞘から抜き、正面に構える。
「師匠!どう分担す―――」
そう言いながら、ルーアの方を振り向いたアメリア。しかし、振り向いた先にルーアは
「え、どこ!?」
いなかった。
「アメリアー!!」
「師匠!?」
突然、振り向いた先の更に後ろからルーアの声が聞こえた。
アメリアは急いでルーアの元に行こうとした。森をどんどん駆け、走っているルーアの隣に付く。
「なんで逃げるの!」
「いやー、あれは危なすぎる。あいつ腹減ってるぽくてな」
「それは分かったけど、私を置いて行った理由は?」
そこが一番気になる。危ないとは言え、弟子を置いて逃げる師匠がどこにいるというのか。
「アメリア、大事な事を教えてやる!」
「......何?」
嫌な予感しかしない。
「自分の命が最優先だ!」
「.....なるほど」
そうだ、この師匠は最初からそうだったと思い出す。アメリアは既に諦めの境地だ。
「ああ!だから私はお前を置き去りにしてでも自分の命を優先する!!」
「師匠としてその発言はどうなの?」
「私がそんな尊い魂持ってるように見えるか?」
「..........いいや」
否定出来ない、悲しいことに。ルーアもアメリアも不死の聖女であり、死んでも生き返る事が出来る。だが、ルーアは死ぬのを良しとしない。
アメリアもルーアの方針に倣っており、死ぬのをあまり良しとしなくなった。
大きな変化である。
(まあ、尊くはなくても私は師匠を信頼してるけど....)
それは決して口に出さないアメリアだった。
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サルーシャはいつか倒すという事になりました笑




