生徒会議室
現在の場所は、第五練習場の真横に位置する生徒会議室。
広さは、普通の教室よりも少し広い。床の素材は木。壁は戸棚でになっていて、書類が所狭しとならんでいる。真ん中にはコの字型に置かれた机。そこにおかれたものすべてが「生徒会議室」という雰囲気をかもしだしていた。
ただ一つ、なぜか部屋に添え付けられている自動販売機を除いて。
周平の目を引いたその電化製品(?)についての話はなされることなく、全員が生徒会議室に入ったのを確認して氷華は、口火を切った。
「周平くん。何か質問はありますか?」
「まず、俺に生徒会に入れとはどういうことか、何で俺なんかを誘ったのかを知りたいんですが」
少し強目の周平の言葉。それを、
「まあまあ、そう熱くならないで」
と、先ほどの後片付けに参加していた三人の内の一人、瀬戸鈴がなだめる。
赤銅色のショートヘアーに燃えるような真っ赤な丸い瞳。155cm程の小柄な体だが、引き締まった体、日焼けした愛想の良い笑顔は、氷華とは違った、人を惹きつける魅力がある人だ。
「では、副会長さん。説明よろしくお願いしま~す」
その鈴は、元気の良い声で話を采聖に任せる。
「お前、結局俺に説説明させるのか」
説明を任されたのは、副会長の百地采聖。
白銀の髪、白い肌に漆黒の目。誰が見ても、文句の無いイケメンである。身長は170cm前後であまり大きい方ではないが、鈴と同様に引き締まった体つきは、日々の鍛錬の様子がうかがえる。噂によると、かなりの努力からしい。
その彼が口を開く。
「俺たち生徒会がお前を誘ったのは、この学校の伝統。ていうのが一番当てはまるな。これについては事前に先生に聞いているはずなんだが......まあいい。がおまえは入学式の時に代表挨拶をしただろ。あれをした者は伝統的に生徒会に入っているんだ。そして、この天白先輩もそうだが大概がそのまま生徒会長になっている。」
ここで采聖はニヤッと笑う。悪意があっても、イケメンがすると妙に様になってしまう。
「第二には、お前の親友である灰桜涼稀だ。彼の中学での活躍は聞いている。弱小だったお前が所属していた部活を1年生からの3年間。自身のサポートで全国水準まで引き上げた手腕は、俺たちの高校でも大変貴重だ。で、そいつを生徒会に引きずりこむ役をお前にやってもらうため。っていうのが大きな理由だな。
よろしいですか、田邊先輩?」
自分たちの中学時代のことまで調べ上げるなんて、この国にプライバシーと言うものはないのか。と、意味不明なことを考える周平。自校に入学する生徒の情報くらい調べても問題ないだろう。
周平の愚痴と正論が彼の頭で再生されている間に、話は進む。
「ああ、だいたいそんなもんでいいだろう。あとは、氷華のこの......!」
「ちょっと真利奈っ!」
「まあまあ、そう怒るなって顔が赤いぞ」
天白を茶化しているのは田邊真利奈。三大一等星の一人。風紀委員長、人呼んで「五槍の真利奈」である。
同年代の若者らと比べても天白と(口でも)張り合える数少ない人間の一人だ。
瑠璃色のしなやかな髪の長さは肩の上くらいまで伸び、碧い瞳は何もかも見透しているかのように鋭い。身長は170cm弱。采聖よりは少し小さい。すらっとした体型は美しいを通り越して優雅であると例える方が正しいだろう。
見た目は、クールで近寄り難い雰囲気だが、意外と人と関わるのは好きなようだ。
そんな彼女が周平を見据えて口を開く。
「さて、金糸雀君、どうすんの?」
「俺は............」




