↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
IKAZUCHI  作者: 雪 渓
序章
PR
5/65

放課後【下】

 何故、彼女が自分の名前を知っているのか。と周平の驚く顔を見たためか、氷華は初心な新入生に微笑みながら種明かしをする。


「自分では気が付いてないのかもしれないけど、一年の金糸雀《かなりあ》周平《しゅうへい》と言えば、校内ではかなり有名なのよ。入学式では新入生の代表挨拶もしてるわけだしね。それに、実技は学年トップ、筆記でも最上位で入学してきた優秀な生徒を生徒会がマークしないわけないわ」


 それから、わざとらしく落ち込んだ様子で続けた。


「でもまさか、生徒会専用の練習場に勝手に入って物を壊した挙句、何事もなかったかのように出て行こうとするとは思わなかったな」


 氷華はその美しい清楚な笑顔で周平を見据える。無論、目はまったく笑っていない。

 

(先輩Sですか? でもこれ以上このままだと立場がな......)


「ついでに、外の第五練習場も生徒会の専用よ。でもどうして、中にはいれたのかしら? 鍵はちゃんとかけていたはずなのに」


 氷華が周平を意味ありげな目で見ながらとぼけたように言う。犯人はすでに知っていますよと言うかのように。


 自分が電流を操作してで壊しましたことを、盛大に悔やむ周平。

鍵はプログラム制御であるのだが、魔法で電流を生み出し電子信号を作る。という一年生(上級魔術師としてもだが)としては規格外の技術力を誇る周平は、いつものくせで鍵を壊しそのままドアを開けでしまったのだ。しかも、


(わざわざ職員室行くのもめんどうっだたしなぁ)


という本当にどうでもいい理由で。


「そうそう、私たち全員の紹介とあなたの質問への回答がまだでしたね。みんな、もう片付けはいいからこっちおいで~」


 周平が一からするはずだったこの部屋の片付けは、先輩たちの善意によってある程度の収拾がついていた。


(無茶した跡がちょっとましになってるな。)


 などと他人事のように周平が考えているうちに、数人の男女がこっちへ来る。


「副会長の百地采聖(ももちさいしょう)だ」


「生徒会、瀬戸鈴(せとれい)です」


「風紀委員長、田邊真利奈(たなべまりな)よ」


 名乗る三人。


「えっと、この子たちの詳しい紹介は後でします。まずは練習場《ここ》をぐちゃぐちゃにしてくれた周平(あなた)君にうれしいお知らせです」


 そういって氷華は周平を見る。


「さっきも言ったけれど、第五練習場(ここ)は生徒会《わたしたち》の管轄だから、今回のことはなかったことにしてあげます」


 周平にとってとても多少救いだったのは、第五練習場は生徒会が管理(という名目で実質私物化)していて、専用の練習場にしているということだった。つまりは、生徒会の中での出来事として、内密に処理してくれるということだ。けれども、当然そんないい話には裏がある。


「そして、私がわざわざあなたに会いにここに来た理由は」


 氷華は笑顔で言った。


「周平君。あなたを生徒会に入れるためです」


「そうですか............えっ!?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。