表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
倉庫の光さん〜左遷先で恋が動き出しました〜  作者: 桃山あんづ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/67

ラストチャンス

休み明け、倉庫に佐渡がやって来た。


「光さん!本当にすみませんでしたっ!」


さすが営業マン佐渡。

両腕を脇に揃え、上半身を45度傾け、ピシッと綺麗なお辞儀をしている。


「佐渡係長、事情がどうであれ、来れないなら連絡は必須でしょ?何で私に直接言ってくれなかったの?今の今まで、全く返事もくれなかったし。それに、山本係長まで巻き込むなんて、どうかしてるよ。」


川野の機嫌は直らない。

佐渡へ芽生えていた淡い気持ちも、どこかに飛んでってしまったようだ。


そりゃそうだ。デートの相手に、勝手に代理を立てられ、今の今まで散々放置されたのだから。



「いやっ、それは⋯⋯。すみません、言えません。」



そわそわする佐渡。



「じゃあ、信用出来ないな。⋯佐渡係長の、嘘付かない真っ直ぐなところが良いと思ってたけど。もうお付き合いの方は無しという事で。さようならっ!」



そう冷たく言い放って、川野はデスクで仕事を始めた。



「光さん!」


「下の名前で呼ぶのも、もう無しっ!」


「川野さん!本当に⋯本当に申し訳ございませんでした!もう一度、チャンスを下さいっ!次は絶対そんなことしませんからっ!」


「嫌だ。理由を話してくれないし。誠意が伝わって来ない。」


「お願いします!もう一度っ!」



さすが営業マン佐渡。粘り強さも人一倍だ。


今、誰かがこの倉庫のドアを開けたら、きっと“パワハラ川野が佐渡をいびっている”と勘違いするだろう。


それくらい佐渡の謝罪は、迫力のあるものだった。



「もう信じてもらえないかもしれませんが、⋯本当に川野さんの事が好きなんです。このまま終わってしまうなんて⋯⋯。」


そう言って、佐渡は酷く情けない顔を浮かべた。

川野は、面倒見の良い姉御肌なので、こういう顔をされると弱い。



「う〜ん。困ったな⋯⋯。もう一度だけ。次、同じ事やったら、許さないからねっ。」



納得いかない川野だが、つい折れてしまった。



「ありがとうございますっ!絶対、絶対挽回しますから!今週末、土曜日とかどうですか?川野さんと一緒に見たい場所があって。これ、パンフレットです。」



佐渡はそう言って、遊園地のパンフレットを渡してきた。



「遊園地かぁ、もう何年も行ってないな⋯。乗り物とか苦手なんだよね。」


川野は乗り気でない。

高所恐怖症のため、ほとんどのアトラクションに乗れないのだ。



「そう言わずにぜひ!ディナーももちろん、ご馳走させてもらいますので、どうかよろしくお願いします。」



「⋯お酒飲んで良い?」



「もちろん!お好きなだけ飲んでください。デート楽しみにしてます!」



ガチャン―

佐渡が営業部の方に帰っていった。



佐渡は今、川野とは別の同僚とバディを組んで、新しい企画に取り組んでいる。

自分より、忙しい日々を送っているのは当然、川野も理解していた。




(疲れてて寝坊したのかな?プライド高そうだから、それが恥ずかしくて、言えなかったのかな⋯?)



とりあえず、そう思うことにした。

押しに弱い川野であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ