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「シャロンの喫茶店」 GW特別編 Lisa's Adventures in Digital Wonderland  作者: Toru


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第六章 ワンダーランド探索の旅へ

トランプ兵の壁を見たあと、リサは深く息を吸い込んだ。

胸の奥に、じわりと熱いものが広がっていく。


(帰れないなんて、そんなの絶対イヤ。

 翔子にも、シャロンさんにも……ちゃんと謝りたいし)


「翔子なら、きっと女王の城の場所を知ってるよね…こんな事なら、原作本をちゃんと読んでおけば良かったな…」


リサは拳をぎゅっと握りしめた。


「よし、行こう。女王の城を探すんだよね?」


帽子屋は驚いたように目を丸くした。


「本気なのかい? ワンダーランドは広いし、危険も多いんだよ」


「大丈夫。だって、帰らなきゃいけない理由があるから」


リサの言葉に、白ウサギは目をぱちぱちさせた。


「……なんか、すごいね。君、強いね」


「強くないよ。でも、やるしかないでしょ?」


リサは笑ってみせた。

その笑顔に、帽子屋もチェシャ猫も、どこか安心したように表情を緩める。


「じゃあ、案内しよう。小さな扉の手がかりを探しにね」


帽子屋が先頭に立ち、リサたちはワンダーランドの奥へと歩き出した。


◆ 奇妙な森と、動く道

ワンダーランドの森は、現実とはまるで違う法則で動いていた。


木々は風もないのに同じパターンでざわざわと揺れ、

花はリサたちの会話に相槌を打ち、

道は気まぐれに左右へ伸びたり縮んだりする。


「ちょっと! 道が動いてるんだけど!」


「ワンダーランドではよくあることさ」


帽子屋は慣れた様子で言う。


「慣れたくないよ!」


リサが叫ぶと、チェシャ猫が木の上から笑った。


「道が動くのは、君が迷ってるからさ」


「迷ってないよ!」


「心が、ね」


チェシャ猫は意味深に言い残し、一瞬ノイズを発して、ふっと姿を消した。


リサはむっとしたが、帽子屋が優しく言った。


「大丈夫。君はちゃんと進んでるよ」


その言葉に、リサは少しだけ肩の力を抜いた。


◆ しゃべる花畑のヒント

しばらく歩くと、色鮮やかな花畑に出た。

花々は人間の顔のように表情を持っていたが所々、顔の前で矢印がグルグル回っている花もあった。


「ダウンロードに時間がかかっちゃってるね…」

「さすがに花が多すぎるのさ」

挿絵(By みてみん)

白ウサギと帽子屋がウンザリした様子で言った。

花たちは、リサを見ると一斉に話しかけてくる。


「まぁ、かわいい子ねぇ!」


「新入りかしら?」


「帽子屋と白ウサギを連れてるなんて珍しいわね!」


リサは圧倒されながらも、花たちに尋ねた。


「ねぇ、小さな扉ってどこにあるか知らない?」


花たちは顔を見合わせ、ひそひそと囁き合う。


「扉の場所は知らないけど……」


「鍵なら、芋虫が持ってるって噂よ」


「そうそう、あの気難しい芋虫!」


リサは目を輝かせた。


「芋虫!? どこにいるの?」


花たちは一斉に茎を伸ばし、森の奥を指し示す。


「この先のキノコの森よ。

 でも気をつけて。芋虫は気分屋だから」


「ありがとう!」


リサは勢いよく頭を下げた。


帽子屋が肩をすくめる。


「どうやら、次の目的地は決まったようだね」


白ウサギは耳をぴんと立てた。


「芋虫かぁ……あの人、気難しいんだよねぇ……」


「大丈夫。話せばわかるって!」


リサは胸を張った。


(だって、翔子だってシャロンさんだって、ちゃんと話せばわかってくれるもん)


その思いが、リサの背中を押していた。


◆ キノコの森へ

花畑を抜けると、巨大なキノコが林立する森に入った。

キノコはどれも人間より大きく、色も形も奇妙だ。


「うわぁ……なんかゲームみたい……」


「ゲームより奇妙だよ」


白ウサギが苦笑する。


帽子屋が指をさした。


「ほら、あそこ。煙が見えるだろう? あれが芋虫のところさ」


リサは煙の方向へ駆け出した。


(鍵があるなら、絶対に手に入れる!)


その決意が、リサの足を軽くしていた。


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