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第24話 時には勢い決断も必要

前回の話にくっつけるにも、新しい話の前部分にしても長くなりすぎたのでプロポーズ部分で1つの話にしたら今度は短くなってしまいました。

「ではフェニング国王、彼女は寿退社という事で」


 なぜ初対面の相手からのプロポーズ了承してもらえたと思ったのか不明だが、神子は握ったアッサムの手を『恋人繋ぎ』に変えて国王に向き直しそう告げると早々にその場から去ろうとした。


「ちょっ、ちょっと待ってくれ!」

「どうしたんですか?」


 呆然としていたアッサムだが、『寿退社』の台詞に正気に戻り待ったをかける。対して神子、坂元尊(さかもとたける)は話しかけられた事に嬉しげだ。

 純真な笑顔にどきっとしたアッサムだったが、ここで引くわけにはいかない。


「結婚ってどういう事だ!?」

「あれ?こっちでは結婚って言わないのかな?ええっと・・・愛し合う2人が一緒に生活しながら一生添い遂げる」

「あ、愛し合う!?いや、結婚の意味を聞いたわけじゃなく

「結婚はお互いを唯一無二の存在と認め尊敬しあうんだ。毎日最低10回は『愛している』と囁き毎日キスをする。寝る時もお風呂も一緒で、出掛ける時は必ず手を繋ぐ。座る時は僕の膝の上が定位置だからね。結婚記念日には一日中一緒にいよう。僕の国ではこれが普通だよ?」


いやいやいや、どこの新婚さんだよ

僕の国って日本だよね?

そんな結婚生活送ってる人の方が少ないだろ。普通じゃねーよ


 この場で唯一日本の結婚事情を知っている亘は、しれっと嘘をつく尊を速攻で『要注意人物リスト』入りにする。アッサムはついに話が『結婚生活』まで飛んだ尊の話を時折突っ込みつつも聞いている。真面目だ。


「私はもう、25歳で婚期をとうに過ぎている。とてもじゃないけd

「25歳で結婚って普通じゃない??年下は嫌い?」

「いや嫌いとかではなk 

「良かった~。それで振られたら君の成長を止めるところだったよ」


 さらっと怖い事を言う尊。神の加護ある彼なら出来そうで怖い。

 

 この世界での平均結婚年齢は17歳。20歳を過ぎればもう『行き遅れ』のレッテルを貼られてしまう。アッサムは15歳で騎士団入りして以降、国の為に身を捧げとっくに婚期を逃した。結婚に憧れがあったわけではないのでこのまま独身でもいいと思っていた。それがここに来て突然の年下イケメンからの求愛に恋愛に慣れていないアッサムは困っている。困ってはいるが嫌ではない。

 そう、アッサムは初求愛が嬉しくないわけではないのだ。

 求愛を受けた事でアッサムの奥深く深くに沈んでいた『乙女な心』が浮上する。じわじわと顔が赤くなる。その変化に手ごたえを感じた尊は求愛の言葉で畳み掛けていく。

 

 最終的に『絶望した。結婚できないならもう世界などどうでもいい。魔王とかしらん』という脅し、いえ強硬手段、いや尊の深い愛に感動した国王他その場にいた全員に祝福されアッサムは結婚を了承した。

 神子でイケメンな尊と仕事一筋で可愛げのない年上の自分では不釣り合いすぎると最後まで渋っていたアッサムだったが、勇者一行や令嬢たちから「これ以上ないほどお似合いですわ!!」「頼む!了承してくれ!世界の為に!!」「素敵なご夫婦ですわ!えぇ、本当に!!」と全力で祝福され尊の手をとるに至った過程はこの際追求しないでおく。


 出会って3秒のプロポーズはまさかの成功。この時尊はまだアッサムの名すら知らない。



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