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第15話  日常の小話

箸休め的な真下家の日常話です。

本来の本編というか、この話はこの日常を私が妄想したところからスタートしています。

よろしくお願いします。

~雨の日の過ごし方~

 この世界にも雨季というものがあるらしく、連日雨が降り続けている。家の中でできるゲームも絵本もそろそろ飽きが来て、テレビ内容くらいしか変化がない日々を過ごしていた。

「雨ずっと降るね。ここまで続くとさすがに暇だなぁ」

「体動かしたい!!!暇だー!!!」

「テレビも、飽きてきた」


 室内干しした洗濯物もあって、部屋は湿度高めのジメジメした雰囲気が漂う。


雨の日って、俺どうやって過ごしてたっけ?

ゲーム、漫画・・・ゲーム

晴れの日も俺そんな感じだったな・・・全然向こうの世界の知識が生かせてない

俺はなんて無力なんだ・・・はっ、こんな時こそ先人の知恵!


「もしもし?ばぁちゃん??元気?こっちさ、ずっと雨でシュウもセイもすごい暇でさぁー・・・そうそう。もう、オセロもトランプもやり倒したよー!!・・・え?俺は・・・まぁ、全敗だけど。ほら、そこは親として。ね?何かさ、家で出来る遊びとか・・・・・・・・・ありがとう!!」


「母様、何作るの??」

「小麦ねんどだよ。さっきばぁちゃんに聞いた遊びの一つ」


【小麦ねんどの作り方】

材料

小麦粉 300g

水   80~100cc(固まり具合の様子をみて)

塩   小さじ1

油   少々


小麦→塩→水→油の順番で混ぜ合わせていく。


「おぉ~この状態だとパン生地みたい!!!」

「お腹空いてくる~」

「ははは、確かにな。んで、この塊をいくつかに分けて・・・色を付けます!」

「「おぉ~!」」


 本来ならここで食用の着色料を使うのだが、そんな便利アイテムはないので、カレー粉や、赤しそ、シュウがとってきたなんかの薬草等家にある物で代用。


「完成!」

「「おぉ~!!!」」

「では、早速・・・・じゃーん!シュウを作ってみた!どう?」

「おぉ・・・」

「嬉しい!!」

「嬉しいの!?これで!?」


 セイが衝撃を受けるのも仕方のない、低レベルすぎるクオリティーの緑の物体『シュウ(亘作)』がちゃぶ台に鎮座している。触手は長さも太さもバラバラで、千切れている部分もある。血走った目に、いびつな形の口と夢に出そうな仕上がりだ。


「僕も作る」


 そう言ってシュウが触手で作った『ナマハゲ』は少ない着色数にも関わらず、躍動感溢れる大迫力の超大作だった。

 亘もセイも「なぜに、ナマハゲ?」と思いつつも完成度の高さを絶賛する。

 それに気を良くしたシュウは次々と超大作を作り出していく。ただ、全て見た目が強面な風貌をしている。造りも妙にリアルなので、2人は壊すに壊せない上、嬉々として作り出しているクリエイターシュウに「作るのをやめて欲しい」と訴える事も出来ず黙ってちゃぶ台の上が占拠されていく様を見守るしかできなかった。

 

と、とりあえずしばらくはこれで時間は潰せそう・・・かな?

飽きたら、次は折り紙にしよう


 亘は、飽きるまではこの独創的すぎるねんど遊びに付き合い、その後は折り紙でほのぼのとした遊びに切り替えようと考えていた。彼はまだ知らない。今度はその折り紙でセイが足の生えた折鶴に嵌り奇妙な物体がテレビ周りを占拠する事を。



~寝る前の一幕~

 寝る時は、シュウ、亘、セイの並びで寝ている。

 寝る前は、亘がいつも1冊本を読むか、昔話を聞かせている。が、元々本を読むタイプではなかった亘は早々に昔話のネタが尽きてしまった。結果、所々だけ知っている話を繋げたオリジナルストーリーを聞かせる事もよくある。 

「・・・こうして、鬼を退治した親指姫は鬼の宝の一つの打ち出の小槌で大きくなり、王子様と結婚しましたとさ。めでたしめでたし」

「母様の世界のお姫様ってすごい強いよね」

「王子が戦う話ってないの?」

「あぁ・・・言われてみればないかもなぁ。最後にちょろっと出てくるくらいか。『王子と結婚しました』って。一般人が主人公の話が多いかも、日本昔話って。平民が成り上がっていくってのが王道ストーリーなんだよ。もしくはじいちゃんばあちゃんが幸せになりましたって話かな」

「老い先短いのに?若い主人公が良くない?」

「シュウはたまにさらっとひどい事言うな・・・。んーー、昔国語の先生は、昔は今より平均寿命がずっと短かったんだよね。そんな時代にその年まで生きてきた人に『幸運』が訪れるっていう話だと老後に夢があるからじゃないかって言ってた。なんか他にも色々言ってたけど俺が覚えてるのはその説だけだわ」

「なるほどー」

「はい、話はおしまい!もう、寝な」

「明日も母様の話が聴きたい」

「俺も!絵本より好き」

「分かった分かった。ほら、だからもう寝なさい。おやすみ」

「おやすみなさい」

「おやすみ」


 しばらくすれば2人の寝息が聞こえてくる。それを聞きながら秘かに頭を抱える亘。


やべぇ・・・もう本当にネタが尽きそうなんだけど!

2人の期待がプレッシャーに!!

他になんかあったか??もう俺の引きだしにはネタがほとんど入ってないのに!


 国語の授業で習った話から、ぼんやり覚えていた昔話、自分が読んできた本と亘が得た物語はもう出尽くしてきている。次なる作戦としては、今まで寝る前の読み聞かせとしてはどうなんだと思っていた自分の昔話をついに出す時が来たと亘は決意する。

 その後、亘の過去話は息子2人は高評で、最新作を何度も催促された結果黒歴史まで話す事になり亘にだけダメージを与える結果となった。



~ご飯食べる時には~

「「「いただきます」」」

 3人手を合わせ、しっかり挨拶をしてから食事はスタートする。

 

 亘はもちろんだが、シュウもセイも食べる時は箸を使う。最初は下手だった使い方も今では綺麗に持つ事が出来る。その様を見ながら亘はしみじみと2人の成長をかみしめるのだった。


ただ、箸ってこの世界じゃ別にいらないスキルだったかな?

でもなぁ、俺が作るの調味料的にも揃ってる料理本からも和食に偏ってるからなぁ・・・箸の方が便利だしなぁ。まぁ、使えて損はないだろ


「あっ、セイ!肘付けたままご飯食べないよ」

「はーい」

「シュウも、迷い箸しない」

「はーい」


 亘が家で細かく言われていたマナーを、そのまま伝え2人は箸使い他食事マナーも身に着けていく。大体のマナーはこの世界と大差ないが、箸という文化がないここでは箸関連の作法は真下家独自マナーとして周りに認知されていくのだった。最初、箸をみた人々はその機能性の高さに驚愕し、真似して食べようとしてその難易度の高さに2度驚く。その後『ハシ』は、使えるようになった者が自慢した事で負けず嫌いな者が多い騎士団内で競い合うように使われブームを起こす事をやはり亘はまだ知らない。

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