そしてついに
オレ「こんにちは」
男「こんにちは」
一体何度このやり取りを繰り返したのだろうか?オレは、また不動産屋のカウンターに座り対面の男から名刺を受け取っていた。この対面の男、新井氏(仮)は40代くらいだろうか?ちょっと鋭い目つきが気になる中肉中背の男だった。
例によってオレの状況や投資方針を話す。ふんふんとその話を聞く新井氏。
新井氏「では、早速物件の説明に入らせていただきます」
資料を取り出し説明を始める。オレは、時折質問を交えながらもその話に聞き入る。
オレ「実は、ここ2週間くらいで色々と物件を見た中でこの物件が一番良いと思いまして」
そう、この物件はオレが想定していた理想とする物件にかなり近い。まずは耐用年数が残っていて融資が組みやすく、表面利回りも10パーを超えている。そしてロケーションも今までの物件の中でも一番良いのだ。更に、いつもお世話になっている宮崎氏に事前に相談したところお墨付きを頂いたという物件なのだ。
オレ「まずは銀行へ融資の打診をしたいので、銀行へ提出する資料を頂けますか?」
新井氏「はい、かしこまりました」
奥へと引っ込むとデスクトップのパソコンの前へと座り資料をプリントアウトしてくれる。
オレ「では、まずは銀行へとお付き合いいただけますか?そのあと、物件を見せて欲しいのですが」
新井氏は、二つ返事で準備を整えいざ出発する。
◇
銀行にて
オレ「すみません、田村さんいらっしゃいますか?」
窓口の女性「失礼ですが、どちらさまでしょうか?」
そんな問答をしていたら、奥にいる田村くんと目が合う。実は事前に銀行に来ることは電話していたのだ。
オレ「ちょっと人を待たせているから、手短にいいかな?」
そんなオレの言葉で急いで応接室へと通される。オレはさきほど渡された資料を田村君へと渡す。
オレ「この物件が本命なので、優先的に処理お願い」
田村くん「はい、わかりました」
オレは他にも2,3注意事項を言伝る。
用事が済み、見送る田村くんに向かって最後に聞きたかったことを聞く
オレ「土曜日の件、大丈夫だった?」
もちろんプロポーズの件だ。
田村君「はい、なんとか」
オレ「お疲れさまでした」
この話はまたの機会にゆっくりと聞くとするか




