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熱血!大冒険大陸  作者: 葵 竜野介:茶々組
Ⅱ.武闘大会編
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58/58

05:ミッシング アイズ ①

第二部「大冒険武闘大会編」第5章1話目です。

 大きく巨大な中心にあるコロシアムを含む王国の城下町が眼下に見える。

 その街から多少離れた小高い丘の上を目指し二人の男が歩いている。


「おーい、レイアー」

「ご飯買ってきましたよぉ」


 両手いっぱいに食べ物が入った袋を持つ二人の男…ウェルダンとミディが、その丘の上(てっぺん)に向かって歩いてくる。

 丘の一番高い所でご飯を食べよう!と言ったレイアがそこで待ってるハズなのだが…


「…あれ?」


 そのレイアを見つけたウェルダンが呆れた声をあげる。

「…寝てやがる×」

 小高い丘の上…草地のど真ん中で、すかーっ…と完全熟睡しているレイアが寝転がっている。


「無防備なヤツ」

 ウェルダンが顔をしかめる。

 いくら周囲に誰もいないと言っても、若い娘が全く頓着せず完全に寝入ってるとか、危機感無いにもほどがあるだろう…と、心配する気持ちが言葉を荒くする。

 そもそもさっき、いきなりのにわか雨が降ってたのに…それでも起きなかったのか? と呆れた気持ちも含みつつ。

「無理ないですよ」

 そんなウェルダンに笑いながらミディが応える。

「昨日の野営の時…一晩中、星を見てたんですから」

 私やダイナーさん達もそうでしたし♡ …と、言葉を続けるミディ。

「え!? そうなのか…?」

 一人斥候に出ていたウェルダンは、他の奴らが夜ふかししてたことを初めて知って渋い顔をする。

「…参ったなぁ。定時連絡はどーすんだよ」

 連絡用の通信宝珠は、レイアの鎧の胸元に装備されている。

 さすがに寝ている女性の胸元をあさるわけにはいかないし…とウェルダンが困ったように顔をかく。

 そんなウェルダンにミディはにこやかに応える。

「多分ダイナーさんが私達の分までやってくれますよ♡」

 ダイナー達は口うるさい連中だが、そこら辺は自分達よりしっかりしている点は認めている。

 …少なくとも、いい加減な自分達より頼りになると思っているのだ。


「それにしても…」

 ミディは寝ているレイアを起こさない様、静かに座る場所を整えると、買いそろえた食事を広げてウェルダンに勧める。

 ウェルダンも促されミディの隣に座ると食事を始める。

 …ちなみに、寝ているレイアにマントをかけ、彼女の食事を枕元に置いて…とそこら辺の心配りもミディがしっかりやっている。

 そんなミディも食事をゆっくりと始めながら空を見上げて、

「ウェルダンさん」

「ん?」

「雨もいいけど…空って…キレイですねぇ」

 しみじみと…ミディはつぶやく。

 帝国から出て、初めて見た青い空。

 流れる雲も突然の雨も、地底にある帝国では見たことがない風景だ。

 もちろん、生まれて初めて外に出てきた6人にとっても全てが初見のものばかりだ。

 感動で、いつまでも空を見ていたくなる気持ちは帝国民なら皆よくわかる。

「…恥ずかしいコト言うなよ」

 ウェルダンもミディの言う事はものすごく共感できる。

 …が、ちょっとひねてる彼は、素直に応じられない。

 思わずツッコミ入れてしまう。

 それでも…

「…そりゃ、そうだが…」

 と、小さく同意はしているが。



 …そんな青空の下…

「――そう、青空はいいのよ、青空は」

 街中で…突然のにわか雨から一転また最高の青空が広がり、皆がホッとしている中、

「でも!! 雨はダメよ! 特ににわか雨は!!」

 …と、天候にもケチをつけている少女…アリスが顔をしかめつつハンカチで濡れた顔を拭いている。

「ぬれたら洗濯代がかさむし!!」

 と、彼女の怒りが無駄な金を使う事になってしまう点であると明確に表明する。

 まだ雨が降りそうだとわかれば、前もって雨具を用意出来るの…と。

「ぬれちゃったもんねぇ」

 だが、そんな天候にすら怒り心頭なアリスの言葉に、にこにこ笑顔で答えながら、呑気に顔を拭いているクララ。

「だから店に入ろうって言ったのに…」

 濡れ鼠状態のアルフレッドも顔をしかめつつ控え目にアリスに文句を言っている。

 …ちなみに…バーバラは濡れた己の姿など全く頓着せず、買ったばかりのほかほか屋台饅頭をはむっとほおばっている。

 アルフレッドもバーバラが抱えている饅頭の袋から一つ取り出すと、少し涙を浮かべながら一口かじる。

「…何が悲しゅうて、雨の中こんな屋台のもん喰わなきゃいけないんだよ」

 少々すさんだ雰囲気のアルフレッド。確かに饅頭はとても美味しいが…己の意見が何一つ通らない現状に、ホロリとこぼれた涙のせいか、少し塩味がする。

「何ぜいたく言ってんの!! 安くてうまけりゃサイコーじゃない!」

「そりゃ、そーだけどさー」

 文句を言いながらも、自らが抱えた饅頭の山から一つ取り出し口に運ぶアリスと、その言葉に一応肯定はするアルフレッド。

 なかなかの大きさの屋台饅頭は大冒険城下町の名物。

 1つ30G(ゴンス)…約30円という激安価格。

 店によってちょっとした違いや特徴はあるが、味は安定して美味く、金のない冒険者の味方と言われている程だ。

 アルフレッドもアリスも文句を言いながらも、食べる手は止まらない。

 何のかんの言って、みんなこの饅頭が大好きなのだ。

 クララも、バーバラの抱える袋から一つもらうと「これ、おいしいもんねぇ♡」と言いながらパクパク食べている。

 バーバラも早くも2個目に手を出している。

 あーん…と大きな口を開け、はむっとかぶりつく…と…足元に立っている小さな子供がバーバラの食べている饅頭を指をくわえてじーっと見ている事に気が付く。

 ここら辺ではあまり見慣れない浅黒い肌にぼさぼさの黒髪…それを大きな布でまとめた不思議な風貌の子供は、幼児と言ってもいいくらいの小さな子供である。

 子供と目が合ったバーバラは黙ってその子の前にかがみこむ。

 子供はバーバラを…と言うよりはバーバラの持つ饅頭の袋から目を離さない。

 相当腹をすかせているのだろうか?近くに保護者も見当たらないし、迷子なのかどうかも判断がつかない。

 …というか、判断する方向に脳ミソのリソースを使う事を全くしないバーバラは、思考を放棄して黙ってその子の前に饅頭を一つ差し出す。

「ほれ」と口元に持っていくと、子供は満面の笑みを浮かべ、その饅頭にかぶりついた。


「…だいたいなー、アリスは金にうるさすぎるぞ」

 …そんなバーバラと子供の後ろで、アルフレッドがアリスに気弱な反撃をしている。

「あら、そーでもしないとお金なんてたまんないわよ!」

 だが、強固な守銭道をつらぬくアリスはことも無げにそう反論する。

「どうしてそこまでして金をためなきゃいけないんだ? …お前、もしかして金に関する暗い過去でもあんのか?」

 アルフレッドのさらに弱気な指摘に、

「や…やーね。人をネ暗な守銭奴みたいに!」

 と慌てて答えるアリス。

 …どうやらアルフレッドの指摘は本人的に図星だったらしい。

「『みたい』じゃなくて、まんまじゃないか……って…あれ?」

 そんな二人の止まらないやり取りが、目の前の子供に気が付いたことで終止符が打たれる。

「――誰? その子」

 アリスもその子供に気が付き、餌付けをしているバーバラに問う。

 クララもその会話に、足元の子供に初めて気が付き「わ、かわいー♡」と目を輝かせている。

 …しかし、問われたバーバラも誰なのか全く分かっていない。

 というか、首を横に振るだけだ。

「――さあ。…迷子かな?」

 バーバラの代わりにアルフレッドが答える。

 もちろん彼にもこの子が誰なのかは不明なのだが。

「男の子? 女の子?」

 性別も分からないくらい小さな子供だ。

 はむはむ♡ と美味しそうに饅頭にかぶりついているその子は、自分の事について問われているとは思っていないようだ。

 とても嬉しそうに饅頭を食べる様子に皆は和む。

 …が…

「おチビちゃん♡ 食べ物もタダじゃないのよ?」

 ホホホ…と取り繕ったような笑顔でアリスが子供にツッコむ。

「アリス…子供にそんなコト言ったって…」

 と、慌てて止めるアルフレッド。

 いくら子供だからよくわかってなさそうだとはいえ、直接本人に嫌味を言うのはどうか…と。


 そこへ…


「すみません!!」

 …と、後ろから声がかかる。

「ちょっと目を離したスキに…」

 慌ててやってきた煌びやかな容姿の男女が詫びる。

「よかった。保護者の方ですね」

 ホッとしてにこやかに応じるアルフレッド。


 …そう、その保護者はダイナーとフライ。

 そして…ニコニコしながら饅頭を頬張っている子供はグリルである。

 まさかこんなところで帝国の人間と邂逅するとは…。

 だが、アルフレッド達も彼等が怪しい事を企んでいる連中だとはまだ知らない。

 迷子の子供とその保護者達としか認識していない。

 そして、ダイナー達もグリルを保護してくれた冒険者達が、有名な勇者達パーティで、武闘大会出場者…いずれ戦う可能性のある相手とは知らなかった。

「本当に申し訳ない! ご迷惑を……」

 とにかく…目的を達成する前に問題やもめ事を起こすわけにはいかず、必死に詫びるダイナー。

 そんな保護者である彼(ダイナー)に向かって、にこにこご機嫌に饅頭を咥えている被保護者(グリル)を抱え上げ、「はい」と渡そうとバーバラが動く。


 …が…


「う…美しい…」

※下の方 ↓ に、原作マンガや同人誌が読めるサイトや、Twitter(X)のリンク先が貼られています。

よかったらぜひ、のぞいてみてくださいませm(_ _)m


挿絵(By みてみん)


第二部「大冒険武闘大会編」第5章1話目です♪

交わらないハズの彼らとの交流がはじまるのか…? て感じのお話でしたw

次回は5章2話目。ぜひ、ご期待くださいませm(_ _)m


ところで…いよいよ年末ですね(^_^;) コミケに向けて漫画原稿の方も進めなきゃなので、こちらの更新もどうなるか微妙ですが…どうか気長にお待ちくださいませw


ちなみに…11月のイベント参加は…


●11/3(火・祝)トリッカルONLY「もちょっとぷにっとパラダイス②」(大田区産業プラザPiO)

「茶々組&初心の会」ほっぺ05


●11/8(日)「ぷにケット54」内「プリティーステークス 48R」(大田区産業プラザPiO)

「茶々組&初心の会」ウマ24


…で参加決定です! もちろん新刊あり!! グッズも用意してます!!

もしかしたら、こそっと大冒険の本とかも持って行くかもw 参加される方、ぜひ遊びに来てくださいませ! よろしくです。


あと今年は

12/29~31「冬コミ109」

…ですね!…参加確定したらまたこちらで宣伝しますw 大冒険大陸の新刊もあるはずなので、ぜひこちらもよろしくです♪


ではでは。次回、無事更新できましたらまたお会いしましょう。

よろしくお願いしますm(_ _)m



あと…最後にお願いがw


このお話を見て、もしよかったと思って頂けましたら、ぜひ、下にあります『評価(☆☆☆☆☆)』ボタンを押してやってくださいませ。

リアクションマークもぜひw 感想やレビューとかもお待ちしております♪

よろしくお願いいたしますm(_ _)m

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原作マンガ、電子等で読めますw
「熱血!大冒険大陸」
DMM版、kindle版、他、お好きなプラットホームでぜひ♪
とりあえず、どんなのか見るだけでも…という方は、 帰ってきたマンガ図書館Zで見れますw
あと、続編的なというかスピンオフ的なというかそんな同人誌も出してます。
同人イベントか、電子で良かったら見てやってくださいませm(_ _)m
…詳細情報はHPよりもTwitter(X)の方が早いのでw、ぜひそちらものぞきに来てくださいませ♪
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