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熱血!大冒険大陸  作者: 葵 竜野介:茶々組
Ⅱ.武闘大会編
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04:戦慄! 悪の大冒険帝国 ③

第二部「大冒険武闘大会編」第4章3話目です。

「眠れる邪神の気配を頼りにここまで来たが…」

「全く驚きですね…」

「邪神じゃとう!?」

 彼等の会話の聞き捨てならない言葉を耳にし、帝皇が声をあげる。

 先程、自身の言葉を遮るように会話に入ってきた時よりも、怒りが現れている。


「たわけが!! 我が神コバルストは邪神などではない!! 我らを護(まも)る聖なる神じゃ!!!」


 帝皇は自身の玉座の後ろに佇む巨大な神像を仰ぎみながらそう断言する。

 だが…


「……五百年前まではな…」


 苦し気に絞り出す言葉でその勢いが急速に止まる。


「……五百年前…地上にあった我ら大冒険帝国は、大冒険大陸(この島)の覇権をめぐって大冒険王国と激しい戦いを繰り広げた…」


 そして…帝皇はそこにいる者共に言い聞かせるように静かに語り出す。


「はじめは我らが圧倒的に優勢であった…。土と石の神でもあるコバルストの守護は絶大だ。神の生みし超金属からなる剣と鎧は我らをまさに無敵とした。…だが…」


 しかし…帝皇は顔をゆっくりとあげると、まるで五百年前のその場にいたかのようにその情景を語る。


「ある日突然、帝都は強力な結界に包まれた。打つ手をなくした王国の魔導師どもが死力を尽くして帝都を封じたのじゃ」

 あの日の、ブン…という音とともに帝国が封印された話を…。


「帝都からの補給を断たれた前線は崩れ始め…帝国の存在はもはや風前の灯(ともしび)となった」

 補給なく戦場に飛び込む帝国民。どんどん下がっていく前線。増える負傷者や戦死者達…。


 たとえその場にいなくともそんな悲惨な戦いがあったことを想像するだけで帝皇の顔がその辛さに歪む。


「そこで…時の帝皇は最後の手段に打って出た。守護神コバルストの力を解放しようとしたのだ」

 コバルスト神の力――それは土と石。

 つまり…

「コバルストの力を解放させれば結界を張られている帝都を除く島全土が石と化す。安全かつ最後の手段となるはずであった…」

 帝都以外を石化する神の力の解放――それはどう考えてもこの島…大冒険大陸の存在自体を完全につぶしてしまう結果になるであろう。

 その状況でたとえ帝国が勝利したとしても手に入るのは何も産み出さない不毛の大地だ。

 それでも…その最後の手段を使わざるを得なかった。…それくらいその当時の帝国は追い詰められていたのだろう。


「だが…その石化の呪いは…なぜか(●●●)はね返されたのじゃ!!!」


 理由は解らない。

 王国の魔導師の結界が強すぎたのか…それとも神の力の解放が不十分だったのか…あるいは…この世の理(ことわり)が世界(大冒険大陸)の終わりを良しとしなかったのかもしれない…。


「はね返された神の力はこの封印された帝都を砂漠に埋めるのに十分であった」

 帝国に張られた結界に沿ってはね返った神の力…土と石で厚く覆われる。そしてその重みで帝国自体が砂漠の奥深くに沈み込んでゆく。


「かくして…帝都は地中に永久に封じられる事になったのじゃ」

 目をつぶり、かつての帝国の興亡を語っていた帝皇は、ゆっくりと目を開ける。


「………じゃが……悲劇はそれだけでは済まなかった…!」


 国が砂漠の下に消えてしまう…それ以上の悲劇が…。


「神は解放され力を使い果たしたのか深き眠りに入った…。その時からじゃ。恐るべき事が起こったのは…」


 そう言うと、石と化した己の左手をゆっくりと持ち上げる。


「………石化…!」


 すっ…と掲げた石化した左手は、よく見ると袖から出ている部分だけでなく、腕のかなり上まで石になっている。


「『呪い』の反射(リバース)か神の守護が消えたせいか理由はわからぬ…。じゃが、暗黒の地底に落とされた我らの同胞は一人また一人と石と化していった…」


 次々と石化していく帝国民。

 原因を解明し、石化を止める…そして回復させる事に国中で力を注いだが、五百年かけてもそれは叶わなかった。


「何とかわしの代まで国はもったが…成人で五体満足な者は百もいないというありさまじゃ」

 ――暗い玉座の間にまるで石像のように立つ人々は…実は帝国の重鎮達である。

 それなりに年を重ねたため、石化が進んでいる者が多い。中には首から下全て石になっている者もいる。

 石化の進み具合は人それぞれ。

 若いうちに全身が完全に石化する者もいれば、それなりに年をとってもまだ充分動ける程度に部分石化しかしていない者もいる。

 だが…成人でまともに動ける者が百もいないということは、国としての体を成していないとも言える。

 まさに滅亡寸前。



「じゃが感謝しておるぞ。大魔法使いよ!」

 帝皇はそういうと後ろに立つ二人にゆっくりと振り返る。

「お主のおかげで再び地上に出れたのじゃからな」

 狭い帝都の上空を完全にふさいでいた石なのか岩なのか…その一番高い部分がひび割れ、今はかすかに青空が見えている。

 五百年ぶりに帝都にそそがれるその明るい光は、かすかな隙間とはいえ、帝国民の心に久々の明るさをもたらしたのだ。


「お主が地震を起こしてくれなければ、我らは地底で石となり、滅亡するところだったのだからな…」

「フッ…礼にはおよばん…!」

 老人は不敵に笑みを浮かべるとそう応える。


「邪神復活こそわしの生きがい!!!」


 バン!!! と見えを切り大声で言い切るその老人は…あの(●●)デラデューンである。

 邪神の気配をたどり、たまたま行き着いたこの場にこのような国や邪神がいるとは…と、この巡り合わせにテンションが高まっている。

「頼もしいのぅ…」

 自らの信じる神を邪神扱いされ、ちょっとムッとしたが…それでもこの閉塞した国に穴を開けてくれた大魔法使いに感謝して、文句は言わずにいる帝皇。

「あれ? デラデューン様。地震ってあの鳥笛の鳥が起こしたやつですか?」

 デラデューンの後ろに立つ騎士…イブナートが、素直にデラデューンに問う。

 帝皇が、自分達が地震を起こしたと勘違いしているようなので、問いただしたのだが…


 バゴォ!


 …と、デラデューンの裏拳が、迂闊な言葉を発したイブナートの顔面にヒットする。

 せっかく感謝していろいろと優遇してくれているのだ、そのまま勘違いしてくれた方がいい…と考える程度にデラデューンはこすっからい。


 そんな後ろの主従のやりとりに気付くことなく…

「よいな、ダイナ―!! お主ら6人(●●)は数少ない戦士達の中でもよりすぐれた強者!!! 必ずや王の首を取ってまいるのじゃ!!!」

『はッ!!!』

 帝皇はダイナーに向けて通信が通じている宝石…通信宝珠に向けて叫ぶ。

 その言葉に間髪入れずにその宝珠を通して恭順の返答をするダイナーの声。

 そのダイナーの言葉に満足気に頷くと帝皇は動く右手の拳を握る。

「フフフ…呪いあれ!! にっくき大冒険王国よ!!」

 そうつぶやくと、帝皇の顔はだんだん高揚し熱気を放ち始める。

「ふ………ふふふふふふふふふふふふふふふ…」

 やがて、含み笑いが止まらなくなり…

「お…おい」

「あ…ああ!」

 周囲に控えている重臣達が顔色を変え、訳知り顔で頷き始める。

「見ておれよぉぉ…コバルスト様が復活さえすれば…」

 ふーっふーっ…と興奮気味の呼吸と共にぶつぶつとまるで熱に浮かされたように帝皇は言葉を続ける。

「この島は…大冒険大陸は…大冒険帝国の天下じゃあああ!!!」

 ばっ!と両手を大きく掲げ、神に祈るがごとく叫ぶ帝皇。


 …が…


 ぷち!

 …と、頭のどこかの血管が切れる音がする。

「いっ…いかんっ! やはり発作が…!!!」

「誰か陛下を止めろぉぉーっ!!!」

 石化の影響なのか、ただキレやすいだけなのか…帝皇は興奮すると頭の血管が切れ、発作を起こしてしまう病(?)を持っている。

 長い付き合いの重臣達はこのような状況になる帝皇の姿は見慣れているので対応はできる…のだが、いかんせん身体が石化してまともに動かせない。

 帝皇を止められる身体が動く者を呼ぶしかないのだ。

 そんな慌てた状況の中、帝皇はぴゅーっと血を噴き出しながらうきゃきゃきゃきゃーっ!!! と大騒ぎの発作中である。

 まさに、暴れる帝皇を抑えようと頑張っている若い者達が飛ばされる勢いで。

「………ごっついのぅ…」

 それを少し離れた所から見ているデラデューンも、その発作の激しさについ小さくつぶやく。


 ドガン! ドゴン!! …という破壊音と共に『うわーっ』という小さな悲鳴も、ダイナーの手に持つ通信宝珠から聞こえてくる。

 そのいつもの帝皇の発作の状況を通信ごしに聞き

「て…帝皇様…」

 と、ダイナーはつらそうにつぶやく。

「お心、お察しいたします!!」

 くぅ…と歯を食いしばり拳を握るダイナーの瞳からは滂沱の涙が流れている。

 握りしめた震える拳から落ちかけた通信宝珠はグリルが上手くキャッチしている。

「しかし…帝皇様! もうすぐです!!」

 きっ!…と決意を込め、空を見上げるダイナー。

「必ずや王国をなきものにし、この青い空、輝く太陽を帝国に捧げます!!!」

 そして、空に向かい両手を広げ、誓いを立てる。

 空は抜けるように青い。

 そして風が吹き抜け、雲の動きも早い。

 この美しき空の全てを…と。


 ……が……


 突然…にわかに雲が沸き上がり…


 んザーッ!!!


 …と、いきなりの激しい大雨が!?

「わあーっ!にわか雨だー」「ひ~!」

 という声も遠くから聞こえる。

「――ねぇ」

 ちゃっかり傘も用意していたフライが雨をしのぎつつダイナーに問いかける。

「この雨も捧げるわけ?」

「…フ…フフ…雨もなかなかおつなモノ…だね」

 雨に降られ続けながらも、ダイナーは強がる。

 傘も持たずにこの雨の中佇んでいた彼はもうすっかり水もしたたり過ぎるいい男状態だ。先程の涙のせいかそれとも雨のせいなのか…その男前の顔は完全に濡れきっている。

 それでも…今まで見たことも体感したことものない初めての雨に、強がりだけでない感動も彼の心にある。

 この雨も…全てのものを帝国に…そして帝皇様に捧げよう!

 彼は新たにそう拳を握ると固く決意していた。


 ――ちなみに…キャッチした通信宝珠(光モン)がよっぽど気に入ったのか…グリルは雨の中でもずーっとキラキラした瞳でその魔法石を見つめて喜んでいた。

※下の方 ↓ に、原作マンガや同人誌が読めるサイトや、Twitter(X)のリンク先が貼られています。

よかったらぜひ、のぞいてみてくださいませm(_ _)m


挿絵(By みてみん)


第二部「大冒険武闘大会編」第4章3話目です♪

帝国側から見た真相が語られ、果たして彼等が真の悪なのかどうなのか…謎になってきましたがw

次回は新章に入ります。彼らにちょっとした交流が…!? ぜひ、ご期待くださいませm(_ _)m


10/18のイベントではありがとうございました!!

次は…11月のイベントに参加します。


11/3(火・祝)トリッカルONLY「もちょっとぷにっとパラダイス②」(大田区産業プラザPiO)

「茶々組&初心の会」ほっぺ05…で参加決定です!


もちろん新刊あり!! グッズも用意してます!!

もしかしたら、こそっと大冒険の新刊とかも持って行くかもw 参加される方、ぜひ遊びに来てくださいませ! よろしくです。


他にも今年は

11/8「ぷにケット54」

12/29~31「冬コミ109」

…に申込み済です!…ちょこちょこ参加しながらの更新になりますので、うっかり投稿忘れとかならないよう気を付けますw


ではでは。次回、無事更新できましたらまたお会いしましょう。

よろしくお願いしますm(_ _)m



あと…最後にお願いがw


このお話を見て、もしよかったと思って頂けましたら、ぜひ、下にあります『評価(☆☆☆☆☆)』ボタンを押してやってくださいませ。

リアクションマークもぜひw 感想やレビューとかもお待ちしております♪

よろしくお願いいたしますm(_ _)m

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原作マンガ、電子等で読めますw
「熱血!大冒険大陸」
DMM版、kindle版、他、お好きなプラットホームでぜひ♪
とりあえず、どんなのか見るだけでも…という方は、 帰ってきたマンガ図書館Zで見れますw
あと、続編的なというかスピンオフ的なというかそんな同人誌も出してます。
同人イベントか、電子で良かったら見てやってくださいませm(_ _)m
…詳細情報はHPよりもTwitter(X)の方が早いのでw、ぜひそちらものぞきに来てくださいませ♪
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